トークンエコノミーとは、キャピタルゲインを得られるアフィリエイトである

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まだ、多くの人は、仮想通貨やブロックチェーンが、どのような未来を作り上げるかイメージができていないと思いますが、僕の中ではクリアにあるので、今日はその点について、お話したいと思います。

2017年にビットコインを中心に、仮想通貨市場に大量の資金が流れこみ、これをテコにICOバブルが発生しました。この資金の約50%以上は、日本人の個人であったことは興味深い点です。ただ、先に述べたよう、その様はインターネット市場の黎明期とそっくりで、まともなビジネスモデルもないまま立ち上がったICOプロジェクトが大半であったために、ほとんどのプロジェクトは、次の市場成長期に生き残っていることはないでしょう。

ブロックチェーン市場のインターネット市場の類似性は、下記にまとめているので、まだの方は読んでみてください。

「ビットコインは今が買い」である理由①:インターネット市場の歴史との類似性

しかし、ICOの動きを追うことで、今後、この業界で起きることが、クリアに見えてきます。その最大の焦点となるのは、「トークン・エコノミー」 です。

トークンエコノミーとは?

僕の視点で答えるならば、P2Pネットワークによって実現することを目的とした「リワード経済」+「株式経済」=トークンエコノミーです。

リワード経済

Dropbox、AirbnbやUberなどで、みなさんも使ったことがあると思いますが、「あなたが、あなたの友達をこのサービスに招待し、その友達がこのサービスを利用してくれたら、あなたとその友達に、それぞれリワードクーポンを差し上げます」というものですね。Airbnbですと、数千円の宿泊クーポンだったり、Dropboxだとプラス1MBのストレージなどがもらえたりするわけです。シリコンバレーのベンチャーが多用してくるマーケティング・キャンペーンなのですが、狙いは「ネットワーク効果」にあります。僕が、一番初めに、このネットワーク効果のモデルで出会ったのは、Amazonを創業したJeff Pezosが紙のナプキンに書いたと言われるこのダイアグラムですね。

ネットワーク効果について、しっかりと説明している日本のマーケティング関係の書籍や記事は、正直、ほとんど見たことがないです。シリコンバレーの著名VCなどが出しているブログやスライドには、頻繁によく出てくる理論です。

ネットワーク効果というのは、僕の言葉で言うと、ユーザーベースの成長と共に、一人のユーザーのそのサービスに対する「利用頻度」・「利用単価」が継続的に上昇し、一定の水準を超えたタイミングで、競合に対する防御壁の役割を果たす、ないしは、競合を自動的に駆逐し始める作用です。

例えば、B2Cアプリの市場で言うと、日本の人口は、2018年12月現在で、1億2,000万ぐらいです。その人口のうち、インターネットやスマホをアクティブに利用している人口層は、おおよそ3,000万人程度です。このサイズの市場規模の場合、自分達のアプリケーションのアクティブユーザー数(一定の頻度で、アプリを使ってくれる人の数)は、1,000万を超えてくるとネットワーク効果が出始めます。メルカリやLineなど、実際のケースを見ていても、そう思います。

例えば、メルカリの場合で言えば、主な競合は楽天に買収されたフリルであったわけですが、メルカリのダウンロード数が、1,000万を超えたあたりから、フリルを圧倒し始めたと記憶しています。メルカリ、フリル共にスマホのC2Cアプリ、売り手から見れば、出品した商品がすぐに売れることが重要であり、買い手から見れば、そこにしかないものが安く買えることが重要です。

メルカリの場合は、売り手の主力層は、東京や大阪など都市圏に住み、そこそこお金があって、新品の個性的なアパレルファッションなどを購入できるユーザー層。一方、買い手の主力層は、地方在住の所得の低いユーザー層で、家の近くにユニクロやしまむらぐらいしかないので、個性的なファッションをしたくてもそのような服を買えないユーザー、この受給マッチングを高速にできる状態を作りあげていったわけです。このプロセスこそが、実は重要で、これをどれだけ低コストで高速に作り上げるかが重要です。

そこにリワードプログラムの設計が関わっています。例えば、Airbnbのリワードクーポンが、なぜ、1回3,000円から4,000円あたりなのか?これも精密に計算されている金額です。Dropboxの1MBも同じです。いずれも、ユーザーから見れば、直感的に使いたくなるほどうれしい条件設定でありながら、運営者側から見ると、1ユーザーの利用単価から考えて、利益が出るか出ないかあたりの水準です。ネットワーク効果が出始めれば、競合を駆逐し始めるので、自動的に利益が出始める状態になります。

ですから、運営者側は、場合によっては、一定期間、赤字レベルのリワードクーポンを出し続けることもあります。例えば、メルカリが、C2Cコマースの売り手側、つまり、供給側を一気に増やすために、本来、売り手が支払わなければならない10%の出品手数料を一時的に無料化しつつ、TVCMを仕掛けて、地方に住んでいる需要側、つまり、買い手側の潜在ユーザー層を獲得しにいくという施策は、完全、赤字で経営していくモデルです。そのために、VCなどから一気に数十億円を調達し、競合を駆逐するために、その作戦を展開するわけですね。

ネットワーク効果のデザインは、プロダクトによって全く異なります。なので、そのプロダクトの性質を踏まえたリワードプログラムの設計が大切です。リワードプログラムによるネットワーク効果の作り方について、より理解を深めたい人は、しらみ潰しに、AirbnbやUberなど、様々なアプリのリワードプログラムとその効果について自分で使いながら調べて見るのが良いと思います。

そして、トークンエコノミーにおけるリワード経済は、更にこれを拡張するという発想です。友達をユーザーとして連れてきたら、というだけでなく、P2Pの発想を更にアプリ内の色々なサービス運用に適用していくことで、ユーザーが、よりリワードを稼げる仕組みを育てていくという着想です。例えば、トークンエコノミー版のReddit(=ソーシャルアグリゲーションニュース)と言われるSteamitがよい例ですが、興味深いニュースを見つけてきて投稿した人、また、そのニュースに対して、示唆に富んだ鋭いコメントを丁寧にまとめている人に対してリワードを提供するわけです。こうすることで、インターネットにおけるウェブサービスやアプリケーションの運用形態を、それまでのクライアント・サーバーモデルから、P2Pモデルへと発展させていく発想、これこそが、トークンエコノミーにおけるリワード経済の基本的な考え方です。

左がインターネットのクライアント・サーバーモデル、右がブロックチェーンのP2Pモデル

 

しかし、このレベルに達してもリワード経済には、資産価値はないですよね。つまり、このリワード経済で新しいサービスのユーザーベースの成長に貢献しているユーザーは、現金報酬しかもらっていないわけです。ところが、実際の新しいサービス開発=ベンチャービジネスの世界では、ベンチャーキャピタルという投資家たちが、ベンチャーに投資しており、彼らはこのベンチャーがIPOをする時には、投資金額の何倍から何十倍、場合によっては何百倍と言うリターンを得ているわけです。もしくは、銀行であれば融資と言う形で金利報酬を得ているわけです。資金しか提供していない彼らが、それだけのリターンを得ていながら、肝心のサービス開発に貢献しているユーザーは、現金報酬のみになってしまっている。ここには、報酬格差の問題がここに発生しており、そこに、トークンエコノミーに、「株式経済」の概念が加わっているポイントでもあります。では、次に、株式経済についてお話して行きましょう。

 

株式経済

一方、株式経済とは、企業にとっての資金調達源です。まず、そもそも、企業経営において、創業者が、自己資金以外の資金を調達し、会社の事業を育てていく方法は、二つしかありません。投資家に新たに株式を発行し、それを購入してもらうか、それとも、債権としてお金を借りるか、どちらかです。株式による資金調達は、株価がゼロになった場合は、会社は倒産してしまいますが、原則、返済義務はないです。一方、債権の場合は、一定期間内に金利を支払いながら、最終的には借りたお金なので、全額返済しないといけません。

これが、ベンチャーのような倒産リスクが高い事業では、株式による資金調達が一般的な理由でもあります。ただし、ベンチャー企業に、そのベンチャー企業の創業者の家族や親しい友人など以外に、一般個人が投資するということは基本的にありません。これは、ベンチャー企業への投資がハイリスク・ハイリターンであるが故、投資によるトラブルを防ぐためでもあります。

一般個人が、いわゆる株式を購入するというのは、証券取引所などに上場している企業の株式が、一般的です。これは、証券ビジネスの正常化させるための政府の規制措置でもあります。人間というのは弱い生き物で、ベンチャー企業の創業者によっては、投資家からお金を騙し取るために、デッチ上げの事業プランなどを示し、お金が手に入ったら、とんずらするような輩がいるからです。これは完全に犯罪です。

一方、証券取引所に上場されている企業は、すでに収益モデルも確立し、日々の経営進捗に関して、定期的に情報開示も行うことで、一般個人の投資家が購入してもトラブルがまず起きないだろうという企業であるわけです。それでも、東芝の不正会計問題などを見れば分かるように、完全に防げているわけではありません。ベンチャー企業の世界に比べれば、圧倒的にましであるというレベルです。

株式経済というのは、僕の言葉で言えば、一株あたりの価値を継続的に引き上げていくことで、その株式の保有者は、その株式を保有し続けるメリットが生まれ、まだその株式を購入していない人は、新たに購入してくれる、このメカニズムのことです。このメカニズムを作り上げることができれば、株価上昇によって得られる資金を元に、企業は、更に事業を成長させたり、新しい事業を開発したりする、そういう経済メカニズムの世界です。

一株あたりの単価を引き上げるノウハウを、いわゆるIR(Invesor Relation)と言うわけですが、僕はその仕事に関わったことはありませんが、ICOの市場というのは、一言で言えば、この本来は、証券取引所に上場している企業が行うIRモデルを、ベンチャー企業がやるレベルまでダウンサイジングしようとしている世界だと思います。

ダウンサイジング・イノベーションというのは、イノベーションの世界でよく使われる言葉です。機能自体はより高度になりながらも、大きさ自体がどんどんコンパクトになっていく、これがダウンサイジングイノベーションの世界です。例えば、パソコンはその典型例です。

 

これは、1950年代のパーソナルコンピュータです。当時は、このサイズのコンピュータで、動画ファイルを作るなど夢のまた夢でした。一方、現代のパーソナル・コンピュータの代表格であるスマホは下記の通りです。

 

パソコンは、この70年ぐらいの間で、何百分の1にもダウンサイジング化しているわけですね。

トークンエコノミーは、このダウンサイジングを、株式の世界に起こします。つまり、このトークンをユーザーへのリワードプログラムとして提供しながらも、そこに新しく株式という名の投資価値であり、中長期では資産価値を与えることで、ベンチャー企業の新しい資金源にしようという世界だと考えています。そして、ユーザーは、そのサービス自体が大きく成長すると考えているなら、その得たリワードの一部を使わずにとっておけば、将来的に資産価値が上昇した時に、ベンチャーキャピタルなどが莫大な収益をあげていると同じレベルのキャピタルゲインを得ることができます。

そして、トークンエコノミーは、このリワードプログラム自体も、更に進化させると考えています。まだノウハウを作り上げている最中ではありますが、先にあげたSteamitなどを見れば分かるように、ソーシャルアグリゲーションニュースのRedditにトークンエコノミーを持ち込もうとしているわけですね。このあたりの着想は、Yahoo!知恵袋やNaverまとめなどにすぐに応用の効く話です。また、僕からみると、抽象度を上げて考えれば、ビットコインも、デジタルゴールドとして、一つのトークンエコノミーを形成しようとしています。

つまり、世の中の色々なサービスなどに、ユーザーの貢献度に応じてトークンをリワードとして提供することで、サービス運営者側の業務をどんどんアウトソースしてるいるわけですね。インターネットで言えば、マーケティングをアウトソースしているアフィリエイト市場も似たようなものですね。アフィリエイトの収益の一部をキャピタルゲインとして狙えるような世界を僕は描いています。

そして、そのトークンに、供給制限がかかっていることで、未来永劫、増え続ける日本円やドルなどの通貨に対して、資産価値が上がり続ける作用が持続的に作り上げられることによって、ユーザーは、今までのリワードプログラムにない価値を、トークンエコノミーに見出すことができます。

例えば、ANAのマイレージプログラムがありますが、今は、株主優待とはほとんど連動していないのですよね。しかし、5-10年以内には、ANAの株式とマイレージプログラムは、一体化すると思います。それがトークンエコノミーの世界です。それをANAが実現できなければ、逆に彼らは、競合に負けてしまうでしょう。また、企業を証券取引所に上場させると言う考え方も、やがて廃れて行くでしょう。

そして、最終的には、世の中の色々なサービスや商品がこのトークンエコノミーに基づいて運用されて行くことが日常化して行くと、やがて、僕らは、日本円を使わなくても生活できる時代に入って行くわけです。正に、サトシ・ナカモトが描いた中央銀行に依存しない金融システムが出来上がって行くわけですね。その世界が、これから5年から10年以内には、徐々にその形を具体的に表してくると考えています。

トークンエコノミーは、まだまだノウハウを開発している最中なわけですが、今は低迷しているブロックチェーン市場が、次の成長段階に入ったときには、間違いく中心的役割を果たす一つになると見ています。

いかがでしたでしょうか?

最後に、僕は、仮想通貨取引所は、国内はBitbank、海外はBinanceを利用しています。その理由は、明確にあるのですが、それぞれこちらにまとめているので、ぜひ、参考にしてください。皆さんの仮想通貨投資が上手く行くことを心から祈っています!

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