トランプ政権は、ブロックチェーン産業を間接的にかつ確実に発展させる

Photo by rob walsh on Unsplash

僕は、トランプ大統領が当選した2016年から「トランプ政権は、確実にブロックチェーン産業の発展に貢献する」という話を周囲の友人などに話しています。でも、トリックが少しあって別にトランプ政権が、かつてのクリントン・ゴア政権が展開した情報スーパーハイウェイ構想によるインターネット産業の発展を国家が直接的に支援するようなことは、あまり起きないと見ています。

そうではなく、むしろ、トランプ大統領の政策展開自体が、間接的にブロックチェーンへの人々の注目と関心を加速させるような影響を与えるということです。

そして、ちょうど、まさにその展開通りの状況が最近、アメリカ政府で起きてきました。

米政府機関閉鎖、IPOにも影響-SECが発行承認停止で懸念高まる

そう、この政府機関の停止騒動ですね。ブロックチェーン自体が、非中央集権を目指す技術なので、政府が機能してないから、政府の代わりをブロックチェーンで作ろう!みたいなのは、残念ながら現実味のない考え方です。そんな簡単ではありません。むしろ、このIPOに悪影響が出ているというのが、僕が注目しているポイントです。

今の資本主義経済、かつ、アメリカや日本のような経済がそれなりに成熟してきている先進国経済では、経済学者のジョセフ・シュンペーターが指摘しているように、「イノベーションこそ、新たな経済成長の源泉である」です。そのイノベーションを生み出しているのは、iPhoneによって世界中にパーソナル・コンピューターを普及させたアップルだったり、検索エンジンによってインターネット市場にユーザーが流れ込む基礎を作り上げたGoogleだったり、最近ではシェリング・エコノミーによって環境に優しい宿泊ビジネスを生み出したAirbnbのようなベンチャー企業群です。

そして、そのベンチャー企業は、事業の立ち上げ資金をエンジェルやベンチャーキャピタルと呼ばれる投資家から調達します。投資家たちに株式を発行し、それを買ってもらい資金を得ます。ただし、エンジェルやベンチャーキャピタルからの資金も無限にあるわけでもなく、そして、投資家も、いずれは、そのベンチャー企業に、自分たちのその株式を証券取引所に上場してもらい、投資資金以上のリターンを得ることで、リターンを得たいという意図もあります。ベンチャー企業側も、成長し続けるために、IPOによって新たに資金調達し、新しい事業展開をしなくてはなりません。

ですから、「IPOができない」というのは、ベンチャー企業とそこに投資する投資家にとっては死活問題です。そこが止まってしまっているわけです。

一方、ブロックチェーンの市場はどうか? ICOしたベンチャーは、証券取引所には上場しないですね。仮想通貨取引所に上場します。特に、Binanceのようにもはや国家規制を超えた仮想通貨取引所が成長しています。例えば、Airbnbが、自らトークンを発行し、そのトークンと、投資家に発行していた株式を、彼らに仮想通貨取引所に上場する際にリターンが得られるよう、価格のディスカウントを提供する。そして、ユーザーは、新しいユーザーやホストをAirbnbに連れてきた際に、報酬としてそのトークンをもらい、Airbnbの利用にも使えるし、株式と同じように一部を保持することで、仮想通貨取引所に上場した際にリターンを得られる。以前からお話している「トークン・エコノミー」の世界ですね。

トークン・エコノミーがポスト資本主義の金融システムの核となる点については、こちらにまとめているので参考にしてください。

トークンエコノミーとは、キャピタルゲインを得られるアフィリエイトである

今回のトランプ政権が引き起こした事態は、このトークンエコノミーのノウハウを確実に成長させると見ています。なぜなら、「必要は発明の母」だからです。トランプ政権によって、北米のベンチャー企業は、トークンエコノミーを使いこなす必要性が生まれてきているということです。投資の世界における「風が吹けば桶屋が儲かる」の世界です。

特に、アメリカは、シリコンバレー中心に、引き続き、仮想通貨・ブロックチェーンの業界をリードしている既存プレイヤーや新興プレイヤーが世界で最も多い地域でもあり、世界のベンチャー・キャピタルの過半数以上の資金がアメリカですから、このトランプ政権が引き起こした事態の影響はかなり大きいと考えています。

「歴史は繰り返す」という言葉があります。僕は、この事態を見ていると、戦国時代の足利政権、最後の将軍となった足利義昭を思い起こします。彼は、完全なる暴君タイプの将軍で、新興勢力の天才・織田信長を利用し政権維持を測ろうとしたり、逆に信長の影響力が大きくなると今度は彼を潰そうとしたりすることで、ただただ周囲を混乱させることしかせず、結果的に、世の人々に見切りをつけられ、自滅しました。

トランプ政権を見ていると、その前のオバマ大統領が、2009年に核廃絶でノーベル平和賞を受賞するなどの功績を残したことも含めて、本当に素晴らしい大統領だった反動もあるのですが、ブロックチェーンという新興勢力から見ると、足利義昭に見えるのですね。

今後もトランプ政権の展開には要注目です。特に2020年には、アメリカ大統領戦が控えており、トランプ大統領の再選が最大の焦点になりつつあります。トランプ政権の選挙戦略について、下記にまとめているので、是非、参考にしてください。

トランプ氏は、なぜアメリカ大統領になることができたか?

関連記事