知っておくと便利な法人設立のポイント②-一人でもできる合同会社の設立

前回、独立するための基本的な考え方と、リスクを抑えた独立のやり方として、「個人事業主」について、詳しくお話しました。(まだ読んでない方は、こちら)今回は、本格的に完全独立するための法人格としての「合同会社」の登記と経営について、詳しくお話して行きます。

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独立するなら「株式会社」より「合同会社」がオススメな理由

独立開業することが目的で、将来的にたくさん従業員を雇ったり、投資家から出資してもらったり、証券取引所に上場する考えがない人にとっては、合同会社の方が圧倒的に便利で低いランニングコストで経営できる法人格です。僕は、株式会社と合同会社両方経営した経験があり、この点は、自信をもって言えます。

例えば、設立費用で比較してみると、

合同会社と株式会社の設立費用の比較

となり、合同会社の方が、約15万円ほど、安いです。合同会社というのは、全株主=全社員(=社員以外は株主になることができない)という法人格になるため、株式会社のように、株主総会や取締役会を設置する義務がありません。

その点からも、設立後、会社として何か決めていく際も、とてもシンプルに決めて行けるため、法務関連の書類手続きも簡素化できるので、お願いしている税理士や会計士さんの負担も減らせますし、自分自身の手間も減らすことができます。

実は、合同会社が証券取引所に上場できないのは、この社員以外は株主になれないため、外部の投資家に株式を売ることができないのでNGというのがカラクリでもあります。

合同会社の登記方法

合同会社の登記方法は、大きく5つのステップです。個人事業主の手続きに比べるとさすがにステップは増えますが、株式会社と比べると、とても楽です。行政書士に頼らず、すべて自分でできる作業レベルです。実際、僕は全て自分一人でやりました。

1.登記用資料の作成
2.出資金の振込
3.法人印鑑の作成
4.法務局への届出

この順です。それぞれ詳しくお話して行きます。

1.登記用資料の作成

合同会社の登記に必要な書類は合計8つです。

a.登記すべき事項1部->  サンプルダウンロード
b.合同会社設立登記申請書1部-> サンプルダウンロード
c.定款1部 -> サンプルダウンロード
d.代表社員の印鑑証明書 1部 -> 代表社員になる方=自分の個人の印鑑証明書のこと
e.資本金の払込証明書 1部-> サンプルダウンロード
f.法人印鑑届書 1部-> 登録PDF用紙ダウンロード
g.代表社員の就任承諾書1部->  サンプルダウンロード
h.本店所在地及び資本金決定書1部-> サンプルダウンロード

以上になります。それぞれサンプルのWordファイルに、どのような情報を記載しなければらないか、青字でメモしているので、参考にしてください。

d.代表社員の印鑑証明書 は、市役所や区役所などで取得できる、自分個人の印鑑証明書のことです。自分が普段使っている印鑑の証明書をもらってください。合同会社の経営の中で、いくつかの書類手続きで、使う時があります。

一方、f.法人印鑑届書は、今回新たに登記する合同会社の代表印の届出書です。法務局にあるリンクからダウンロードできます。こちらの印鑑は、頻繁に使うことになります。この後に出てくる、3.法人印鑑の作成で詳しくお話します。

また、g.代表社員就任承諾書h.本店所在地及び資本金決定書は、設立時の条件によっては必須ではないのですが、後々のことを踏まえておくとこのタイミングで出しておいた方が楽であり、書類の作成自体も大した作業ではないので、登記時に提出しておくことをオススメします。

2.出資金の振込

1であげた、e.資本金の払込証明書と、この2つ目の出資金の振込は関係しています。合同会社の資本金を銀行口座に振りこむわけですが、この時点では、まだ、この合同会社の法人口座はありません。

では、どうするか?というと、代表社員になる人の個人口座に、出資者が振り込み、その振込明細を証拠として法務局に届出します。これでOKということです。

通帳であれば、その個人口座に、それぞれ出資者の名義が記載された入出金明細のページをコピーし、オンラインバンキングであれば、ログイン後サイト上の同様の情報が出ている入出金明細の履歴をコピーします。下記は、通帳の場合のサンプルです。

通帳でもオンラインバンキングでも、銀行名、支店名、口座番号、口座名義人、そして出資者である各振込者の氏名が全てわかるようにします。

僕は、楽天銀行を個人で使っているので、その口座宛てに、別の僕の個人口座から出資金を振込み、楽天銀行のオンラインサイトの入出金明細に、僕の氏名と出資金が表示されている箇所を画像キャプチャして、それをコンビニでプリントアウトしました。

このプリントアウトしたものをe.資本金の払込証明書とホッチキスを使って製本し、見開きのページの中央に合同会社の代表印を押します。これを「契印」と言うのですが、他の人が書類の複製をできないようにするためのものです。このように、登記用の書類には、会社の印鑑を押す箇所が複数あるため、次で、法人印鑑の作成の話をします。

3.法人印鑑の作成

個人事業主の場合は、自分が普段、銀行などに利用している個人の印鑑をそのまま使うことができるのですが、合同会社では、法人用の印鑑が必要になります。オンラインのハンコ屋さんなどで、選ぶのが安く楽なので、もっとも良いです。

ハンコヤドットコム
印鑑本舗.com

その際、理解しておくとお得なのは、独立する際のビジネスの内容次第で、必要な印鑑が3つか2つか、変わってきます。法人用の印鑑は、大きく分けて3つあります。

・代表印
・銀行印
・社判

代表印は、法務局への登記など含めて、様々なところで使う機会があるため、どのようなビジネスの合同会社であっても必須です。2番目は、法人口座を開設する際の金融機関向けの印鑑で、金融機関からの要望で、代表印とは別のものをリクエストされるため、これも必須です。

3つ目の社判、これが、ビジネスによって必要だったり不要だったりします。例えば、伝統的な大手企業と取引をするような法人向けビジネスで独立する場合、大手企業への見積もりや請求書に、社判を押しておくことを、大手企業側から求められたりします。その方が信用される会社だと考えられているようです。要するに古くからの商慣習的なものですね。

つまり、3つ目は、事業内容次第では不要です。僕の場合は、広告やアフィリエイトになり、全て自動で計算されて収益が支払われることもあり、こちらから請求書を送る必要もないため、社判は不要です。従い、代表印と銀行印だけ注文しました。

デザインをどうするかなどは、自分の予算と相談して決めるのが良いと思います。僕は、印鑑にはお金をかける考えがないので、ハンコヤドットコムで一般的なものを選びました。

4.法務局への届出

全ての書類への記入と捺印が完了したら、上のaからhの順番で、書類をクリアファイルなどに入れて、合同会社のオフィスになる住所の近くにある法務局に行き、登記手続きをします。

法務局にも、登記するにあたっての予約制の相談窓口があるので、ここで紹介した書類の準備が全て整ったら、一度相談に行くのが良いと思います。

特に、どの書類にどの印鑑を押すべきかは、相談窓口の方に、教えてもらってから押すと、何度も書類を印刷する手間も費用も省けるのでオススメです。

ただ、書類への記入もせず、何も準備しないで相談しに行くのは、あまりに失礼ですから、この記事を参考に、しっかり準備してから相談しに行きましょう。

また、ちょっとしたアドバイスですが、法務局で、登記手続きをした日が、会社の創立日になります。その意味で、吉日や、自分にとって何か縁の深い月日があるようでしたら、その日に法務局に行くことをオススメします。ゲン担ぎですね。

登記が完了したら、残す所は、わずかです。会計ソフトの選択と、法人口座の開設です。個人事業主の記事でも触れたのですが、会計ソフトについては、僕は親しくしている会計士の先生のオススメで、個人事業主として開業したときから、マネーフォワードを使っています。Freeeとどちらにしようか考えていたのですが、その会計士の方によると、細かいところで会計業務の知識がきちんとソフトウェアの機能に入っていながら、価格が弥生会計に比べてお手頃、個人で会社をやる場合には、マネーフォーワードの方が、オススメとのことです。素直にそのアドバイスに従いました。

今では、自分でも、モバイルアプリなどから経費をつける作業をはじめており、実際、使いやすさを感じています。マネーフォワードを希望の方は、下記のリンクから登録すると良いです。初めは、完全無料のフリープランから使い始めるのが良いです。個人事業主として、初めの1年であれば、あまりいろんな所に経費を使わなければ、フリープランで確定申告も含めてやり切れます。そして、こちらのブログのリンクから会員登録しておけば、その後、合同会社などに変更する際、有料プランに切り替えるころで、初めは30日間の無料枠が提供されるので、そこから使い始めてください。

また、Freeeのリンクものせておきます。Freeeも30日間の無料枠があります。まだどちらに決めかねている人は、マネーフォワードも含めて、それぞれ無料枠を利用して使ってみてから最終的にどちらにするか決めるのもよいと思います。無料の会員登録は、二つともメールアドレスとパスワードの設定だけで完了するのでとても楽です。

そして、独立稼業で、法人と個人の二つの口座を上手く使いわけて生活して行くためには、ブランド・デビットカードを有効活用することがとても大切です。その点については、下記の記事でまとめていますので、是非、参考にしてください。

知っておくと便利な法人口座の開設における2つのポイント

以上です。参考になりましたでしょうか?

みなさんの独立稼業が、上手く立ち上がることを心から祈っています!

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