最近、ようやく日本のカード会社も、最近、日本が「副業解禁モード」がトレンドに乗りつつあることも踏まえて、アメックスがリーディングプレイヤーになっている、個人事業主や個人で合同会社などを経営している小規模事業者向けの法人カード市場に参入してきたようですね。今日は、その中でも、三井住友VISAが今積極的にキャンペーンを行なっている「三井住友ビジネスカード for Owners」について、僕が今現在、利用しているAMEX法人ゴールドや以前使っていたAMEX法人グリーンとの比較でレビューして行きたいと思います。

年会費

まず、年会費からレビューしましょう。三井住友ビジネスカード for Ownersは、クラシック(一般)、ゴールド、プラチナの3種類あります。

という具合です。一方、アメックスは以下の具合です。


三井住友のゴールドがビジネスグリーンレベルで、三井住友のプラチナが、ビジネスゴールドより更に上ということですね。三井住友は、アメックスに比べて、追加カードの発行手数料が安い点を売りにしているようですが、小規模事業者の場合、ほとんど個人でやっている人が多く、よくて奥さんや旦那さんが手伝っているというケースが多いため、正直、あまりメリットがないのではないか、というのが率直な感想です。プラチナに関しては、アメックス法人ゴールドの付帯サービスがかなりレベルが高いので、圧倒的なメリットが感じられないと選択しないように思います。

会計ソフト連携

アメックスについての記事でも伝えているのですが、僕はこの点を重視しています。というのは、クレジットカードは引き落としが翌月になるので、会計ソフトで収入と支出予測などの項目をすぐに追えるようにしておかないと、資金管理を過ってしまい、引き落としができず、利用枠が減らされ、いざという時に使えないという問題がおきるからです。アメックスは、Money ForwardとFreee両方連携していますが、三井住友カードはというと、こちらも2社とも連携済みですね。ここはクリアしましたね。

旅行傷害保険

まず、アメックスの内容からみて見ましょう。かなり充実しているので、これを踏まえて、三井住友の内容を見てもると過不足の評価がしやすいと思います。まず、詳細に入る前に理解しておくことが一つあります。それは、「自動付帯」と「利用付帯」の違いです。


どの場合に、どちらが適用されるのか理解しておくことはとても大切です。出張先などでトラブルにあってしまい、うっかり自動付帯だと思い込んでいたら、実は利用付帯だったので、保険適用外になってしまったら大変です。以下の表は、その点も踏まえて、AMEXの法人カードの旅行保険に関する内容をまとめたものです。

AMEX法人の旅行関連保険一覧

かなり充実していますね。グリーンは、全てが「利用付帯」が条件になっています。そして、ゴールドの場合も大半が「利用付帯」が前提なのですが、一部「自動付帯」ー表の中の( )で記載されている部分ーがあります。では、三井住友はどうでしょうか?


先ほどお話したように、アメックスグリーンが、三井住友のゴールドと年会費がほぼ同等レベルなので、そこを比較の軸にしていくわかりやすいと思います。三井住友のゴールドが、差別化してきているのは大半の補償内容を「自動付帯」で提供してくれている点です。この点で、アメックスグリーンより優れている点を作り出しています。その上で、クラシックというより手軽なプランを作り、そこはアメックスのグリーン同様に「利用付帯」を前提にしています。しっかりアメックスを分析して商品開発しているということですね。これらの点を踏まえ、かつ個人事業主の平均的な収入レベルを考えると、年会費もゴールドの約1/10以下なのでクラシックには一定のニーズがあると評価します。保険引受会社も、アメックスは、損保ジャパンである一方、三井住友は、同じグループ系の三井住友海上なので、この辺りも損保のライバル企業同士の競争関係もうまく使って商品開発をしていると思います。

年会費とこの旅行関連保険の表だけを参考に考えると、恐らく、三井住友VISAは、クラシックを主力にユーザー開拓をしようとしているのではないかと見ています。更に進んでみて行きましょう。

プロテクションサービス

次にプロテクションサービスの内容を比較して行きましょう。こちらも、アメックスの内容から見ていくと比較しやすいと思います。

アメックスのプロテクションサービスは、小規模事業主のニーズをしっかり調べて作られています。例えば、平行輸入業をやられている方にとって、ショッピング・プロテクションはほぼ必須ですよね。ですから、追加保険料による延長保証もついているわけです。更に、同じく平行輸入業者の場合、海外のマイナーなECサイトなどで購入するケースもあるため、不正使用が発生したり、返品を受け付けてくれないこともおきたりする可能性が高いため、その問題をそれぞれオンライン・プロテクションやリターン・プロテクションを提供することで解決しているわけです。また、大手企業向けなどにビジネスをされている小規模事業主の方は、接待などが必要になってくるので、その場合に、キャンセル・プロテクションは重宝するはずです。

では、三井住友の場合はどうか?というと、ショッピング・プロテクションのみです。また、購入日の翌日から90日間の補償で、1事故につき3,000円の自己負担が必要です。


しかも、アメックスのグリーンとゴールド共に500万で設定されている一方、三井住友の場合は、アメックスのその二つより年会費の高いプラチナが同等の500万です。ただ、副業で平行輸入をやっている方などであれば、クラシックの条件でも十分行けるように思います。

サポートデスク

次にサポートデスクについて見て行きましょう。AMEXの法人グリーンには「グローバルホットライン」、法人ゴールドには「オーバーシーズアシスト」というサポートデスクサービスが付帯しています。それぞれどのような内容かというと、

グローバルホットライン

法人グリーンを持つとカードのサイズと同じぐらいの世界中どこからでも連絡を取ることが可能なアメックスの電話リストカードをもらうことができます。

24時間365日いつでも、フリー・ダイヤルもしくはコレクト・コールで世界のほとんどの国から日本語でサポートを受けることができます(これが重要)。英語以外が主要言語の国に出張した場合などは、特に重宝すると思います。実際は、20以上サポート内容があるのですが、ここでは、特に重宝するものを11個あげておきます。

オーバーシーズアシスト

法人ゴールドの付帯サービスで、グリーンの内容を更にグレードアップさせたもので、最大の特徴は「緊急支援サービス」になると思います。その内容は主に2つです。


これは、いつもいうのですが、本当にすごいと思います。ここまで気の利いたサポートデスクはほぼないのではないかと思います。では、実際、三井住友カードの場合、どうかというと、このサポートデスクと同等レベルのサービスがまだないのですね。。。大変、残念です。特に海外出張時には、このサービスはかなり重宝します。海外出張は、ツアー旅行で参加することなどはないので、旅行先でトラブルが発生した場合は、ツアー会社の現地スタッフのサポートもない中、大半の問題は自力で解決しなければならないわけですが、このサービスがあるお陰で救われるわけです。

その他の付帯サービス

そして、最後に、その他の付帯サービスについて比較して行きましょう。アメックス法人は下記の具合です。


三井住友にも、ゴールドとプラチナに空港ラウンジサービスがついてくるのですが、カード系のラウンジスペースは、どのカードでも同じなので、AMEXと同じです。ETCカードサービスもついてきます。ここに挙げられているものと比較して、三井住友の場合に提供されているものがいくつかあるのでそれぞれ評価していきます。

プラスEXサービス(JRエクスプレス予約)

東海道新幹線(東京~新大阪間)のネット予約&チケットレスサービスです。以前は、「プラスEX」というサービス名だったのですが、今は「エクスプレス予約」という名前に変更されています。1,080円の年会費を払い、通常価格より割引された値段で新幹線チケットを購入可能かつチケットレスで搭乗できるというものですね。最近、流行りのサブスクリプションコマースのモデルを取り入れたサービスと言えます。東京~新大阪(のぞみ号普通車指定席)なら、おとな片道1名あたり、通常だと14,450円が13,370円になるので、通常のきっぷと比べて1,080円の割引になります。年1回以上、東京~新大阪の新幹線に乗る人であれば、確実におトクになるわけです。このサービスは、JR側の法人審査があるのですが、三井住友のこちらのカードに入れば、この法人審査を自動的にパスできます。ただ、年会費は無料にはなりません。東京~新大阪間の出張が多い人であれば、確実に重宝すると言えます。参考までに、他の目的地の場合の価格比較表も乗せておきます。


ただ、こちらのサービスは、アメックスでも利用可能なので三井住友独自の差別化にはならないですね。その点については、「こちらの記事」にまとめていますので参考にしてください。

アスクルサービス

オフィス用品をアスクルから購入できるのですが、割引価格ではないので、うーん、メリットなしです。。。

DHLエクスプレス

世界220以上の国・地域をカバーするDHLの配送を、三井住友のカードで決済する場合に、優待価格で利用できます。ただ、適用条件が、「日本からの発送のみ」になるため、日本の商品を海外のユーザーに売っている並行輸入業の方などにとってはメリットを受けることができると思います。

日産レンタカー/タイムズ カー レンタル

こちらも優待条件はついていないので、うーん、メリットなしです。

アート引越センター

引越し基本料金(車両費+人件費)が30%割引されます。対象は、国内引越しのみです。また、繁忙期に当たる3月15日~4月10日は対象外になります。小規模事業主の場合は、自宅兼オフィスの方も多いと思うので、賃貸物件に住んでいる方であれば定期的に引っ越するケースもあると思うので価値有りかもしれません。ただ、最近、アートさんは、僕が住んでいたマンションもそうだったのですが、マンション自体と割引契約をしてユーザーを取りに行っているケースがあるため、三井住友限定のサービスというわけではないので、強みにはなりきらないと評価します。

まとめ

新規参入なので、まだ発展途上という感じで、今後もサービス改善して行くと思いますが、現時点の評価としては、AMEX法人の方が圧倒的に魅力的です。ただ、クラシックは年会費がとても安く、最低限の旅行障害保険もついてくるので、法人カードをまだ持っていない方にとっては、エントリーモデルとしては検討する価値は十分あると思います。特に、法人カードは、僕が利用している住信SBIネット銀行のように法人のデビットVISAカードも手に入る世の中で、その方がコスト管理もしやすいので、小規模事業主にとってはデビットカードの方が良いというのが持論ですが、法人VISAデビットには旅行障害保険はついていないので、かつ即時口座引き落としになるため、平行輸入業をされている方やトラベルブロガーのように国内外を旅行する機会の多い方にとっては、クラシックカードは、旅行障害保険が利用付帯でついてきて、かつ、支払いサイトも1ヶ月伸ばすことができるため、仕入れ商品をその間に売却して売り上げを上げるや先行投資した旅費をブログ広告で回収するなどの点で、よい一つの選択肢になると思います。

三井住友ビジネスカード for Ownersのクラシックカードのサイトはこちらになります。

アメックス法人カードについて詳しく知りたい人は、「こちらの記事」を参考にしてください。

また、住信SBIネット銀行の法人VISAデビットカードについて詳しく知りたい人は「こちらの記事」を参考にしてください。

みなさんにとって納得のいく法人カード選びの参考にしていただければ幸いです!