SNSはフェイクニュースが氾濫するのに検索エンジンでは氾濫しないわけ

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フェイスブックがインドでの総選挙が近づいていることを踏まえ、立候補している政治家同士の嘘の誹謗中傷ニュースがフェイスブック上で反乱することを防ぐため、ファクトチェックの体制を強化をするようです。検索エンジンがインターネットの中心だった頃にはほとんど問題にならなかった「フェイクニュース」、なぜ、SNSが普及してから深刻な問題になってきたのでしょうか?

フェイスブック、インドでファクトチェック体制強化 総選挙控え:ロイター

この原因は、以前、僕が話をしたインターネットのメディア構造が原因にあるように思います。まだ読んでない人はこちらを読んでから、このブログを読んだ方が分かると思います。

https://lifeforearth.com/?p=2963

SNSでは、嘘の情報を濾過するメカニズムが働かない

まず、SNSは基本的に「ライク」と「シェア」によるタイムライン型ストリーミングメディアなのですね。直感的に「ああっ、いい!」と思ったらライクして友達にシェアする、そして、その数を多く獲得したコンテンツほど、人気コンテンツと見なされ、他のユーザーのタイムラインの上位に表示されます。これを悪用しているのがフェイクニュースですね。キーワードは「直感的」というところだと思います。例えば、Instgramの世界であれば、ユーザーエクスペリエンスが「美しいものを作る」にコアがあるため、アドビのフォトショップなで過剰に編集された写真もありますが、それも絵画のようなもので、一つの「アート」としてユーザーに受け入れてもらえるように世界観が作られています。しかし、フェイスブックのように、比較的時事ネタをみんなで議論したりするような世界では、逆に写真を加工するように「事実を加工する」という悪意的行為が横行してしまうわけです。一方、検索エンジンではどうでしょうか?

検索エンジンは、ユーザーが目的性を明確に検索結果を見ていることがフェイクニュースのフィルター作用になる

検索エンジンは、その使い方自体が欲しい情報を自ら選別していくユーザー・エクスペリエンスが働くため、疑わしいコンテンツや怪しいサイトはユーザー自身が能動的に検索結果からフィルターアウトするため、クリック数は伸びません。普段使っている時の自分をイメージするとわかりますが、僕らが検索エンジンを使う時というのは、ある事柄についての事実関係や周辺情報を理解したくて検索エンジンに関係しそうな「キーワード」を入れて、その検索結果から、関連情報をえていきますから、その検索結果がフェイクニュースだらけになっていたら誰も使わないですよね?ですから、Googleもアルゴリズムで、劣悪サイトを自動的に排除する不断の努力を続けているわけです。逆にコンテンツを作っている立場で検索エンジンを見て見ると、ブログメディアなどを作っている人であれば体験していると思いますが、いい加減な記事を書いているといつまでたっても検索結果の上位に自分のコンテンツがランクインしていかないのですね。しっかりと事実ベースや体験ベースで起承転結のまとまりのある文章を書いていると自然と自分のブログへのトラフィックが上がって行きます。つまり、そのようなフェイクニュースサイトが育たないメカニズムでありエコシステムが機能しているということです。

フェイスブックはビジネスモデルを変えない限り、フェイクニュースとの格闘は終わらない

先ほど話をした「ライクとシェアがSNSの根幹」というのは、実は、フェイスブックのビジネスモデルと直結しているのですね。彼らのメインの収益はタイムライン広告です。そして、タイムライン広告は、検索メディアの広告と違い、タイムラインの間を流れるTVCMのような存在です。ですから、フェイスブックのタイムラインは、「公開性」を維持しないと成り立ちません。「公開性」を否定したら、タイムライン広告のライクとシェア数は激減してしまうでしょう。すると、フェイスブックのビジネスモデルは破綻してしまいます。タイムライン広告は、検索広告よりもCTC単価が安く設定されています。これは当然で、CTRが検索広告に比べて低いからです。ですから、フェイスブックが、フェイクニュースとの格闘を終わらせるには、タイムライン広告に依存しないビジネスモデルを作り、タイムラインを友人同士内でのコンテンツシェアに留める仕組みを整えていかない限り、フェイスブックの寿命はそう遠くないうちに尽きるように思います。

また、彼らの広告モデルは、プライバシー問題を引き起こしていますね。広告は当然どれだけ閲覧されたか、クリックされたか、コンバージョンしたかで評価されますから、ターゲティング性をあげるために、どうしても、ユーザーの行動や閲覧履歴、コミュニケーション内容を分析したいのが、運営側のサガです。まあ、これも資本主義が生み出した功罪の1つですね。

Facebook、英国で約7200万円の罰金–Cambridge Analytica問題で:CNET Japan

そう言う中で、ザッカーバーグは、ブロックチェーンに新しい可能性を見出しているとみています。間違いなく狙っているのは、トークンエコノミーによる新しいビジネスモデルの構築でしょう。事実、ブロックチェーン系のスタートアップを買収して、社内でチーム組成に動いていますね。

Facebookが初めてブロックチェーン企業を買収:マネックス仮想通貨研究所

僕もフェイスブックは全く使ってません。Messengerは使ってます。この辺り、ザッカーバーグは気づいているように思います。だから、彼は、Messengerとブロックチェーンを使った送金サービスなど新しいビジネスモデルを真剣に模索しているのだと思います。最近、公然とフェイスブック辞める発言をしている人も増えてきましたね。この松浦さんの発言は全く同感で、僕もフェイスブックのタイムラインに流れてくる自慢話オンパレードがバカバカしくなって辞めました。

エイベックス松浦社長「Facebookやめます」宣言からの撤回 「別荘建てるとかくだらん自慢話聞いてる暇はない」:キャリコネニュース

これらの点を踏まえると、SNSというのは、本来フェイスブックが作り上げたような自分の周りの社会をそのまま反映させようとする世界観よりかは、インスタグラムのような個人が、写真や動画を通じて簡単にアートの世界に入り込めるような世界観の方が合っているということですね。

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