サブスクリプションコマースは「ZOZO離れ問題」も解決できる

最近、ニュースを賑わしているのが、ZOZOの会員向け定額10%割引に反発するブランド側のZOZOからの撤退が相次いているという問題。これを色々と考えていると、僕が、いぜんこのブログでも触れた「衣食住、完全サブスクリプション化の世界」が問題解決の糸口になるかもしれないと思えてきました。まだ、読んでいない方はこちらです。

衣食住の全てがサブスクリプション経済化した世界のメリット・デメリットを考えてみる

まず、ZOZO側が今回のサービスをリリースした理由は、時代の変化に対応していくためですね。ZOZOは、楽天やアマゾンなど、衣食住全てのカテゴリを扱うオンラインモールと差別化するために、ブランドパワーを意識するアパレルブランドにフォーカスして、オンラインモール事業を立ち上げてきました。昔のZOZOのUIは、結構好きだったのですが、表参道から原宿の中を歩いているような仮想空間が設置されていて、実際に、ノースフェースのお店に入るとそこでノースフェイスの服が見れるなどのUXになっていたんですね。あれはけっこう楽しんでました。笑

そのころのZOZOは、やはり、「ブランド」をとても大切にしたように思います。だからこそのあのような仮想空間の演出をしていたのだと。しかしながら、長らく続く景気低迷が原因で、日本の若者はどんどん所得が減っている。低価格ブランドに走る。「ツケ払い」などのサービスで、その辺りを補完してきたのでしょうが、やはり、日本の経済全体の傾向が低成長モードにある以上は、アパレル・オンラインモール事業で、なかなか売り上げを伸ばし続けるのは厳しいと判断しての、会員向け10%割引だったのだと思います。結果、ブランド力が棄損するとして、複数のブランドの「ZOZO離れ」が始まってしまった。涙

僕は、サブスクリプションコマースはここに一石を投じることができる、と思うのですね。先のブログでも話をしましたが、アパレルのサブスクリプションコマースというのは、ラフ案ですが、こういうイメージです。

  • ①月額5千円プラン:ZOZOの全中古品を、月?点まで購入可能。
  • ②月額1万円プラン:①に加えて、ブランド「C」ランクを月?点まで購入可能。
  • ③月額3万円プラン:①と②に加えて、ブランド「B」ランクを月?点まで購入可能。
  • ④月額5万円プラン:①と②と③に加えて、ブランド「A」ランクを月?点まで購入可能。

そして、①から④の共通条件は、手放す場合の下取りは全てZOZO側が行う。

というアイデアですね。では、このブランドランクは誰がつけるか?というと当然「ユーザー」ですね。これには、ブランド側も文句言いようがないですね。昔、食べログのランキングに反発していた飲食店の方も多かったようですが、最近は、素直に耳を傾ける方が増えていると聞きます。食べログさんの努力で、ランキングの公平性を維持してきたことを店舗さん側も評価してくれるようになってきたわけですね。ですから、もちろん、上のAからCは、食べログ同様に、5.0満点スコアでも良いのです。それぞれの価格帯は、Netflixなどと同様に利益がでるラインを模索すれば良いと思います。

この場合のブランド側が受ける最大のメリットは「ブランド力を棄損せずに」にビジネスができることです。松岡正剛的な言い方になりますが、「服や靴」も他人から見ていると、来ている人を評価する「情報」の1つなのですよ(この捉え方は、かなり重要です)。正に情報の塊であるコンテンツの世界は、インターネットの普及と共に、その1つのコンテンツが持つライフサイクルが短くなったのです。だから、コンテンツの世界は、SpotifyやNetflixによるサブスクリプションコマースによって復活することができたのですね。(日本の音楽や動画業界はようやくそれが分かってきたようですが。。。)

日本の音楽業界のIT化の遅れは間違いなくアーティストを食えなくする

このコンテンツ業界で起きている流れは、僕は、アパレルにも確実に押し寄せて来ていると思いますね。ZALAやH&Mなどの「ファストファッション」が流行る理由は、今の若者は、年配の方の数倍の情報処理能力を持っており、かつ、年配の方に比ベて経済力がないので、ファストファッションが答えになるのです。別の言い方をすれば、飽きるのが早いということです。

そして、ユーザーにとっては、特に若い人は、僕の経験でも、サブスクリプションモデルは、やはり服飾品の出費を抑えて生活することを可能にするので、とても助かると思います。無駄遣いせずに住むライフスタイルというのは、今の時代、とても重要なのです。

また、「手放す場合の下取りは全てZOZO側が行う」という付帯条件が実はかなり重要で、こうしておかないと中古業者に転売して儲ける輩も出てきます。ただ、その上で、ZOZOはメルカリなどが強い中古アパレルの市場も抑えらえるので、ビジネスモデル的にもワークするモデルです。

やがて行き着く先は、Netflixなどと同様の「1本値」モデルですね。この場合は、ブランドの棄損は「ゼロ」です。つまり、「三方よし」です。価格帯の出し方は、単純で、ZOZOの主力ユーザー層の年間の購買価格を出して、それの月単位の単価にすることですね。当然、ZOZOの1ユーザーあたりのLTVが、実際的にそのユーザーの年間のアパレル出費とイコールではないと思うので、ZOZOであればお金がありますから、リサーチ会社にお願いしてデータ補完することもできるでしょう。

という具合で、新規事業として細かい要件はまだまだ詰める余地があるのですが、僕は、アパレル含めて、「衣食住が完全サブスクリプション経済化した世界」は、ポスト資本主義システムの構成要素の1つになると考えているので、今後も関連している情報を発信して行きたいと思います!

関連記事