中国で盛り上がる「産児制限」撤廃を求める声の裏にあるもの

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以前に、紹介した世界のイノベーションハブとして注目される人口ピラミッドの比較の中で、中国が、その地位を維持できるかどうかのポイントとして「産児制限」をあげていました。中国では、2016年に一人っ子政策は廃止されていますが、まだ二人以上は産めないので(人口を増やすには三人以上生む必要がある)、人口を増やす方向に政府の舵は切られてないわけです。しかし、中国の国会に相当する中国全国人民代表大会(通称:全人代)では、早くも「産児制限」の撤廃を求める動きや、さらに日本の少子化対策同様の、医療・妊婦手当の改善、優遇税制の適用、無償教育案なども出てきているようですね。

中国全人代、産児制限の修正求める声高まる 出生率低下で:ロイター

中国の人口ピラミッドの現状はこのような具合です。

 

参照リンク:https://bit.ly/2TIS4qN

そのブログでもお話しましたが、中国は、現在45-54歳の層とその子供の層に相当する25-34歳の層が、人口ピラミッド上の最大派閥を形成しています。45-54歳というと企業や政府の幹部クラスになっている年齢であり、その子供の25-34歳というと起業することが多い年齢層ですから、いずれもこの家族単位が今の中国をリードしているといえ、かつ、この年代が人口ピラミッド上の最大派閥を形成しているということは、国家経済としては、まさに「全盛期」と呼べるでしょう。

例えば、中国を代表するネット企業Alibabaグループの創業者兼CEOのジャック・マーは、1964年生まれの今年54才、Wechatを運営しているテンセントの創業者兼CEOのポニー・マーは、1971年生まれの今年48才ですから、まさに今の中国を牽引している世代層に入っているわけですね。また、日本でも急成長しているTiktokの親会社であるByteDanceのCEO、Zhang Yiming氏は1983年生まれの35才なので、ほぼ25-34才のゾーンに入っています(統計とは、常に誤差を生むものなので、1,2年ぐらいの差は気にしない)。彼らはまだちょうど起業するタイミングぐらいの世代なので、今後もこの世代がさらに活躍していくと思います。

おそらく、この「産児制限撤廃」の意見を出してきている人々は、これにつぐ世代を作りたいと考えているのだと思います。確かにこの世代のあとはもう20年間は、少子化世代が続いているので、早く手を打たないと厳しい状態ではあるわけです。

日本、インド、アメリカとの比較についてはこちらにまとめていますので、参考にしてください。

人口ピラミッド比較からみる次世代の世界の「イノベーション・ハブ」

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