Steemitホワイトペーパー翻訳No.10 – 投票に対する帯域制限、報酬の分配ルール、支払い方法について

投票に対する帯域制限の方策について

投票の悪用を最小化するための方策の大半は、投票の帯域制限を設けることにある。個人のユーザーが1日に評価したり読んだりできる仕事量は限られている。上に、個人のユーザーの活動量以上の投票をしようという試みは、それ自体が、自動化や潜在的な投票権の乱用のシグナルとなる。これに対して、帯域制限を投票システムに設ける事はどういうことかというと、より頻度が少なく投票を行うステイクホルダーの投票に対する評価を、より高い頻度で投票を行うステイクホルダーの投票への評価より、相対的に引き上げることである。大量にトークンを保有しているユーザーが複数のアカウントにトークンを分割して投票する試みも、結果的に、投票に対して帯域制限が設けられていることによって、特定ステイクホルダーの影響力が大きくなるという事はない。

Steemの全てのユーザーは、固定の投票権を割り当てられている。リワードプールにある報酬のうち、特定の仕事に対してどれだけのトークンが報酬として支払われるべきか?を決める投票権は、ユーザーの保有するべスティングしているトークンによって可変的になっている。ユーザーは、より多くの投稿に投票する事はできるが、各投票の価値評価は低く、完全なる投票権の影響力を回復するには時間がかかるようになっている。投票権は、1日につき20%の固定率で回復するようにデザインされている。

支払い分配について

Steemのリワードシステムの根幹となるゴールの1つは、インターネット上で最高のディスカッション体験を作り出す事である。年率75%のトークンのインフレーションを起こし、その増量分は、ユーザーの投稿の提出、それへの投票や、そのコンテンツの議論内容に対するリワードのためのものである。SteemがBitcoinレベルの市場価値をもつに至った場合、トップクラスの貢献者には1日数億円レベルの報酬が支払われることになる。

実際のトークンの分配は、ユーザーの投票パターンによって変わってくる想定ではあるが、実際には、報酬の大半は、もっとも人気のあるコンテンツに分配されると見ている。「ジップの法則」は、実際の世界でこのような法則性が確認できる経験則のうちの1つである。

ジップの法則:Wikipedia

ジップの法則とは、特定のサイズまたは人気度によって分類された要素の集合体があった場合、その2番目の要素は、1番目の要素の1/2のサイズになり、3番目の要素は、1番目の要素の1/3のサイズになるということである。一般的には、K番目にランクされた要素は、1番目と比べて1/kのサイズになるという法則である。
人気度をある情報の価値を計測する指標として使う場合、その個人が投稿するコンテンツの価値は、ジップの法則に従うことになる。つまり、我々が100万のコンテンツを保有している場合、もっとも人気のある100のコンテンツは全体価値の1/3を占め、次の10000のコンテンツが1/3を占め、残りの989,900のコンテンツが残りの1/3を占めることになるだろう。つまり、アイテム数Nの合計の価値は、Log(n)に比例するのである。

この投票および報酬支払いメカニズムのインパクトは、質の高いコンテンツには多額の報奨金が支払われる一方で、ロングテールのニーズに答えているコンテンツにも、相応分の報酬が支払われることになるだろう。

この仕組みによる経済効果は、「宝くじ」の仕組みに近いと言える。すなわち、人々は、自分の労働に対する報酬を実際よりも過剰に見積もるため、そのコミュニティ内における実際の労働量をより大きくしようと努力する。このメカニズムは、ギャンブルなどでも作用する。つまり、小さい報酬を与えることが、より大きな報酬を得ようという考えを強化するため、お金をつぎ込んでしまう。

報酬の支払い方法について

ある投稿に報酬が支払われる際は、その50%がSBDで支払われ、残り50%はSPで支払いを受ける。Steem Powerは、ユーザーにより大きな投票権を与え、SBDは、ユーザーにステーブルコインによる即時的な報酬を与える。SPに関しては、すでに述べている通り、短期的な保有よりも長期的な保有の方にメリットがあるように設計されている。このメカニズムによって、ユーザーがよりSteemプラットフォームの長期的な成功を臨む方向に行動原理が働くようになっている。

ユーザーは、100%をSPで受け取る権利もあるし、投稿に対する報酬を断る権利もある。もし断る選択をした場合、その分の報酬は、引き続き母集団のリワードプール内に留まっている状態になるため、他のユーザーの報酬に割り当てられる。

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