人件費の高騰問題を解決するため無人化に動き出すコンビニ業界、先行するのはセブンとみる理由

さて、こちらのブログでも、オーナーを苦しめているコンビニの人件費高騰問題の解決策の1つとして、「コンビニの無人化」について話をしています。コンビニの無人化は「シンギュラリティの罠」にハマるリスクがある解決策なのですが、コンビニのビジネスモデルというのが、今のオーナーがバイトの人件費の負担を追うことで、セブンやローソンの本体が儲かる仕組みにしている以上、このルールを変えることは、自分たちの株価に強烈なネガティブインパクトをもたらすことになるため、避けたいのが本音と言えます。その点、含めた話はこちらにまとめています。

過労死寸前のコンビニオーナーを救う方法は3つある

コンビニの24時間営業の短縮は、本質的な問題解決の先送りにしかならない

さて、これら2つの話を踏まえて、結果的にコンビニ本部側がどの解決策を一番推しているか?というと、「無人化」ですね。

ローソン、夜間営業の無人化を実験へ–ドアの開錠から決済までをスマホで完結: CNET-Japan

特に人手不足になりやすく、かつ、来店者数も少ない深夜時間帯から開始するのは、スモールスタートとして的確だと思います。

パナソニックとファミリーマートが次世代コンビニ–顔認証でキャッシュレス決済、動線分析も: CNET-Japan

ファミマが、パナソニックと組むというのは面白いですね。あまり知らない人も多いと思いますが、パナソニックは、実は、国内のクレジットカードや電子マネーなどの決済端末を製造するメーカーとしては、No.1のシェアを誇ります。最近は、LINEや楽天、Squareなどが中国メーカーの開発した小型で安い端末を導入していることが多いですが、あれは、パナソニック製ではありません。パナソニック製でよく知られたものは、こちらのJ-Mapなどですね。コンビニのレジの中に組み込まれたものもあります。

ただ、ハードウェア単価が高いので、最近は中国メーカーの製品に押されていますね。僕のヨミでは、パナソニックの決済端末業は、今回のQRコードによるキャッシュレス化によってかなり打撃を受けると見ています。

そして、セブンイレブンは、1991年に子会社化したかつてセブンイレブン本体があったアメリカから開始するようですね。

セブン-イレブン、Amazon Goへの対抗店舗オープン:BusinessInsiderJapan

時間軸的には、セブンが動き出したのが一番遅かったので、「あれ、どうしたのかな?」と思ったいた所にこのニュースだったので、「さすが、セブン」と思いました。つまり、この国内コンビニ3強の中で、「無人コンビニ」でもっともはじめに実績をあげるのがどこか?という質問に対する僕の答えは「セブン」です。なぜか?

それは、アメリカで開始したことで、アマゾンの無人コンビニであるAmazonGoをベンチマークできるからです。無人コンビニはソフトウェアビジネスの固まりです。そして、日本人は、基本、ソフトウェアビジネスが下手くそです。ローソンやファミマ、そして、セブンのシステムは、富士通やNECなど、日本の大手受託開発会社が請け負っているのですが、正直、センスがないのですね。だからこそ、訪米のオラクルやマイクロソフトに負けるのですが、セブンとしては、そこを言い訳にはしていられませんから、自分で対策を実行しなければならない。

その点で、先を行くAmazonGoをベンチマークしながら、システムを作れるセブンは、かなり有利です。ローソンやファミマは、アメリカに店舗を持っていないので、AmazonGoと比較した顧客からのフィードバックをえることはできません。これはとても不利です。システムはサービスですから、日々の「Kaizen」が重要なのです。特にベンチマークしながらの改善は、KPIを明示的に設定できるので、開発する側としてはとても楽なのですね。

ということで、現時点で、無人化によるコンビニオーナーの負荷を下げる施策に関しては、セブンが一歩リードというのが僕のヨミです。

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