真の「賢さ」の指標は、学歴でもキャリアでもなく「知覚力の高さ」と「高度な抽象思考の明確な視覚化力」①

今日は、僕の考える「賢さ」の定義についてお話したいと思います。 知覚力の高さとは? 一言でいえば、「何キロ先を見て生きているか?」です。知覚力の低い人というのは、近視眼的なものの考え方しかできないので、10cm先ぐらいしか見て生きていないということです。このような人に、「今のあなたの生き方をしていると、100キロ先にはこんな世界が待ち受けているよ」と話をしても、全く理解できないわけです。シュミレーション能力と言っても良いでしょう。知覚力の高い人は、未来を発明する能力があります。パーソナル・コンピュータの父と呼ばれるアラン・ケイが言った「未来は予測するものではない。発明するものである」という言葉の通りですね。彼はスティーブ・ジョブズとも交流が深かったことでよく知られていますが、スティーブ・ジョブズは、非常に知覚力が高い人でした。だからこそマッキントッシュやiPhoneという革命的なパーソナル・コンピュータを発明し、人類にとっての新たな未来を生み出すことができたわけです。 例えば、僕がOrbで書いたホワイトペーパーは、今のような文明活動を人類が続けていると、1万キロ先にどのような世界が待ち受けているか?についてまとめた側面があるわけです。まだの人は、読んでみてください。 https://lifeforearth.com/?p=3988 近視眼的な生き方しかしていない人からすると、チンプンカンプンな内容に見えるでしょうが、10キロぐらい先を見通しながら生きている人であれば、「ひょっとするとそうかも」と思え、1,000キロから同じ1万キロぐらい先をみて生きている人であれば「全く同感」ということになるわけです。 例えば、その観点から見ると、日本でよく盛り上がる「少子化」論がありますが、この話を熱心にしている人の話を聞いていると「ああ、この人10cmぐらい先にしか見えていないのだな」となります。 最近は、「ひろゆき」さんが、「1人産めば1000万円支給で少子化は解決する」という話をしているわけですね。Orbのホワイトペーパーを理解している人であれば、彼がいかに近視眼的なものの考え方しかしていないかがわかります。 ひろゆきの提言(1)――「1人産めば1000万円支給」で少子化は解決する (1/4)@ITメディア なぜなら、人類の人口は、現時点で70億を突破し、2030年には100億を超えると言われている。環境破壊の原因は、人類が地球の再生能力以上にエネルギーを使ってしまうから。つまり、人口が増えるほど、環境破壊が進んでしまう。国連のレポートでも指摘されていることですね。そして、今のような資本主義を続けている以上、人口爆発の当事国である発展途上国は経済的に豊かになることばかりを考える。すると、地球の資源はどんどん減っていく。いきつくところ、太平洋戦争と同じ資源戦争ですね。今度、世界全体を巻き込む戦争を僕らがやってしまったら、間違いなく地球ごと滅亡してしまうわけですよ。オバマ大統領などが頑張って世界の非核化に取り組んでいますが、その前に資源戦争が始まってしまったら、世界は破滅するかしない。 そんな状況に世界が直面しているのに、先進国の日本で、日本人の子供を増やすための「一人産んだら1,000万あげたら良い」という議論をしているわけです。100m先も見えていない「エゴ」ばかりの議論なわけですね。僕らは、どうやったら人口爆発を止められるかを真剣に考えないと行けない時代に生まれてきているわけですよ。ところが、日本が再び経済的に豊かになるために、日本の人口を増やすことを議論している段階で、それは、自分たちのことしか考えていないエゴですよね。世界が全く見えていない。言い換えば、世界はどうなってもよくて、自分たちだけが救われればよいと考えているということです。 僕の友人に、REBIRTH PROJECTをやっている俳優であり監督の伊勢谷友介さんがいますが、彼は、とても知覚力の高い人物で、僕とほぼ同じ考え方を持っています。かつ、ハリウッドではディカプリオをはじめ、環境問題の解決など含めて積極的に取り組んでいるアーティストは多いのですが、日本は非常に少ないですよね。その中で、伊勢谷友介さんやリバースの共同創業者であり盟友の亀石太夏匡さんの存在は、日本の芸能界にとって貴重だなと思います。また、同時に、芸能事務所のいいなりで、彼らの言動に触発されて動こうとしない芸能人が日本に多いことも非常に残念でなりません。 別の事例で言えば、このブログでも取り上げた仮想通貨やブロックチェーンが普及していくと「個人に株価がつく社会」が到来するという話ですね。僕は、そんな社会になったら、多くの人が不幸になるディストピアになってしまうことを論理的に説明しています。 https://lifeforearth.com/?p=4928 知覚力の高い人は、物事を本質的に俯瞰視することができます。だからこそ、的確な未来提言ができると言えます。わかりやすい身近な世界で言えば、「子育て」がそうですね。たとえば、子供が自転車に乗っていて、そのままのスピードで前に進むとブレーキを踏んでも間に合わず、前に見えている池に落ちてしまう。だから、親は、今の段階からもっとスピードを落とした方がよいなどと子供に伝えるわけです。これは、親の方が子供より、その子供が行なっている行動の全体像を深く広く知覚できているから、子供に「的確な」アドバイスができるわけです。子供によっては、そこで一度池に落ちてからでないと、つまり、経験学習をしてからでないと、その親のアドバイスの意味が理解できなかったすることもありますが、親が言っていることが正しいことに変わりはありません。 ちなみに、これは例え話ですから、親の方が子供より確実に知覚力が高いと勘違いしないでください。親より知覚力の高い子供もたくさんいますし、現代ではむしろその方が当たり前と言ってもいいでしょう。ミレニアル世代やその次にくるZ世代などは良い例ですね。彼らの方が環境への配慮をした生き方を初めから率先して行なっているからです。その親と言えば、バブル時代に浪費を散々やってきた世代なわけです。逆なわけですね。コンマリさんのコンテンツがアメリカでブームになるのもそう言った背景からです。 https://lifeforearth.com/?p=4241 なので、僕の見方では、モーゼや、イエス・キリスト、ないしはブッダなどは、ものすごい知覚力が高い人だったと思います。だからこそ、当時の人々に正しい生き方の哲学を伝えることができたわけです。ユダヤ教の戒律の原点になっている「モーゼの十戒」などは、その典型例と言えます。ブッダが説いた「カルマ」の概念などは、この知覚力のことを言っています。カルマ=人の業=人の行動に伴う因果応報の法則ということです。カルマを見抜く能力に優れた人は、人の行動性質を理解し、それがもたらす行動結果の予測精度が高いから、それを見越して動くことで、世の中を変えていけることができるわけですね。 ところが、今の教育では、受験制度も含めて、こう言った能力を試験する仕組みは全くないですよね。日本の教育制度は特にそうですね。いまだに丸暗記学習中心の受験システムで、いちばん暗記力の高い奴が東大や京大に受かり、彼らが一番日本で頭が良いことになっている。このような制度から、知覚力の高い人材が育たないのは必然と言えます。そのようなタイプの人材を育てる意識がないのですから当然です。そして、その知覚力の低い人材が多い国が衰退するのは当然です。なぜなら、未来を発明する力がないからです。それは、例えば、アメリカでは、ディカプリオをアメリカの大統領にしようという運動がある一方で、日本では、伊勢谷友介さんを日本の首相にしようという動きがないことと同じです。別にこれは、この二人それぞれが大統領や首相をやり切れる能力があるかないか、という議論の話をしているのではなく、知覚力の高い人材が社会の中に埋没してしまっているという現状を問題視しているのです。これで、日本が衰退していっても誰も文句は言えません。僕は、いまだに日本の受験制度に「倫理学」が採用されないのが不思議でなりません。なぜなら、日本はかつて江戸時代においては、各藩の私塾や藩塾では、儒教や仏教の考えについて論評する作文試験などがきちんとあったからですね。そして、それは明治時代には、西洋哲学の考えがここにミックスされつつも、しっかりと受け継がれていました。それが現代では全くなくなっています。 次に、「高度な抽象思考の明確な視覚化力」についてお話をしたいと思います。 つづく。 https://lifeforearth.com/?p=5841