TetherのUSドルの保有数は74%であることが明らかに。残り26%はどこへ?

ようやく、このスキャンダル内容が明らかになってきました。

NY州高等裁判所は、ステーブルコインであるUSDTの運営元である、Tetherに対して、発行済のUSDT28億ドルに対しての、実際のUSドルの保有率のデータを公開することを求めていたのですが、この監査人として任命されたHoegner氏が公式の書面を公開し、その内容をCoindeskが報じました。

原文(英語)はこちらです。

その書面によると、Tether側の実際のUSドルの保有高は、21億ドル、つまり、発行済金額の約74%になるとのこと。それ以外は、短期の証券に変えられているようですが、この証券は、Tetherの運営母体とも言える仮想通貨取引所のBitFinexがCorrency Conberterの事業で出した8.5億ドルの損失に当てるため、Tetherから6億ドルの借り入れを行っており、その証券ということになります。

ステーブルコインの流動性から考えた場合74%は、現状は危険水準ではないと考える

まず、検証すべきポイントは、ステーブルコインの流動性の問題ですね。この参考例は、日本における電子マネーの運用実績になると思います。日本の電子マネー、その規制を定めている「改正資金決済法」(仮想通貨の規制を定めている法律でもある)において、以下のように定められています。

(発行保証金の供託)
資金決済法第十四条  前払式支払手段発行者は、基準日未使用残高が政令で定める額(以下この章において「基準額」という。)を超えるときは、当該基準日未使用残高の二分の一の額(以下この章において「要供託額」という。)以上の額に相当する額の発行保証金を、内閣府令で定めるところにより、主たる営業所又は事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

ステーブルコインと電子マネーは、機能的にはほぼ同じ役割です。50%以上のUSドルの保持率が1つの目安になると思います。しかし、ステーブルコインの方は転換先が、ビットコインなどの価格変動率の高いリスクアセットである観点からすると、これよりあった方が、望ましいことは明らかです。

問題は、Bitfinexへの貸付け

というのが僕の意見です。これでは、USDTは非中央集権的に運営されているステーブルコインではなく、法人格であるBitfinexの都合でいかようにでも運用できる存在になってしまっています。これでは、ステーブルコインのサステイナビリティは維持できないですよね。また、この事実を今まで「発行済分だけの現金を持っている」として隠してきた点も非常に大きな問題です。

これに対して市場がどのような反応を示すのかは、なるべく市場の発展を阻害しないソフトランディングになるよう祈ってはいますが、やはり、僕は以前からの考えの通り、ステーブルコインは、USDCを推して行きますね。ここは、始めからCircleとCoinbaseの2社で開始することで、Bitfinexのような過ちを犯さないようガバナンスを工夫しているからです。その他のステーブルコインも含めた、僕の分析評価はこちらにまとめています。

バイナンスに上場されている4つのステーブル・コインの分析・評価まとめ

この市場は常にそうなのですが、「非中央集権性」を発展させていくための努力をして行かないと業界自体のサステイナビリティは得られないと考えています。

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