フランスが、仮想通貨・ブロックチェーン新法案「PACTE」で、業界をリードする展開へ

「民衆を導く自由の女神」- ウジェーヌ・ドラクロワ、パリ・ルーブル美術館蔵 from Wikipedia

フランス政府が、仮想通貨・ブロックチェーンの市場発展に寄与するとてもよい法案を実行に移す目処がついてきたようで、僕の周りでもかなり話題になっています。

Coindeskの原文(英語)はこちらです。以下は、その要約に僕の見解も加えています。

フランスの金融庁に相当する、AMF(Autorité des Marchés Financiers)が「PACTE」という新しい関連規制フレームを遅くともこの6月から施行しようと動いています。その骨子は3点です。

仮想通貨やブロックチェーン関連の事業会社が、銀行口座を開設する際に簡単に断れない。

まず、日本の仮想通貨業界でもいまだに起きているのですが、仮想通貨関連の事業をやるということで、銀行口座を開設しにいくと口座開設を拒否されてしまうのですね。これはOrbの時にもありました。PACTEの規制フレームでは、今後、銀行側は関連業者の口座開設を拒否する場合、AMF側に拒否理由について説明責任をする義務が課されます。当然、AMF側からOKしない理由の場合は拒否できないわけです。これは、アメリカなどでは、政府が金融機関側に、仮想通貨業者の口座開設を受ける場合「レピュテーションリスク」を追うことを警告している点は360度逆であることから、素晴らしい取り組みであると言えます。

ファンド運用会社の仮想通貨へのアセットアロケーションを奨励

また、保険会社など、大手の資産運用会社(いわゆる機関投資家)が、その投資先として仮想通貨に資金分配を促していくことも進めていくようで、そのさきがけとして、プライベートエクイティやVCが、その運用資金の20%までをICOで発行されたトークン含む仮想通貨に投資することを許可することとしています。保険会社は、プライベートエクイティやVCの投資家として出資することは一般的ですから、間接的にフランスの仮想通貨市場に、機関投資家の資金が流れる状態が加速していくと言うことです。

ICOで発行されたトークンの”証券定義”を狭めることでトークンエコノミーの発展に寄与

また、9月からこの「PACTE」を使ったICO案件の許認可の検討を開始したいと考えているようです。しかも、ポイントは、日本やアメリカがICOで発行されたトークンは、基本「証券」扱いの一点張りになってしまっている現状で、フランスでは、あえてトークンの証券としての定義スコープを狭くすることで、ユーティリティ・トークンやペイメント・トークンなど、トークンエコノミーのイノベーションを加速させられるように設計している点です。これを踏まえると、今後、ICOをしたいと考えているブロックチェーンスタートアップがフランスに拠点を構える動きが加速する可能性は大いにあると言えます。

また、フランスは、ユーロ経済圏に対して、ドイツに次ぐ影響力を持っていますから、この動きに呼応して、ユーロ圏の政府が、仮想通貨・ブロックチェーン業界に対してフランスに負けじとポジティブな動きを展開してくる可能性があり、日本の2016年から2017年の仮想通貨・ブロックチェーン業界のような状況がユーロ圏で生まれてくる可能性も出てきており、とてもいい感じの展開になってきました。実際、フランスのAMFとしては、今回の「PACTE」の規制フレームで実績を出し、ユーロスタンダードとしてユーロ圏に普及させることを実際に考えているようなので、これはとても良い動きです。こうやって、政府ごとに競争してもらい、より産業発展へとつながる建設的な規制の構築が進んでいくことが僕らの望むことです。

今回、ヨーロッパで、ちょうどパリのルーブル美術館に展示されているドラクロワ作の「民衆を導く自由の女神」を見てきたところだったので、なんか、フランスが、まさに自由の旗印をかかけげて世界を引っ張る感じになってきたなと言うことで、そのWikipediaの画像を使うことにしました 🙂

僕も、ドイツのブロックチェーンスタートアップのアドバイザリーをやっているので、今後も、ユーロ圏で何かおもしろい動きがあれば、こちらのブログで伝えていきます!

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