海外旅行中にカード決済するときは、かならず「現地通貨で決済」を選択した方がよい理由

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海外旅行中は、基本的に、現金を持ち歩くのは危険です。日本のような平和な国は、世界ではレアですから、だいたいスリがいたりするものです。だから、カード決済の方が、すぐにカードをストップすれば自分の財産を失うリスクも下げられるので、より安全です。僕も実際にギリシャを旅行していたときにスリに狙われて、見事に切り抜けました。こちらにそのときの経験をまとめています。現地でのスリ対策の参考にしてください。

春のヨーロッパ旅行-2019.04.04 – 04.26 – No.17 – ギリシャ・アテネ2日目

しかし、海外旅行先の店舗などで、クレジットカードやデビットカードを使うときによく「日本円で決済しますか?それとも現地通貨で決済しますか?」という質問を受けたことがあると思います。僕は、必ず、「現地通貨決済」を選びます。なぜか?その方が、絶対にお得だからです。これは、僕がブロックチェーンを利用した決済事業をやっていたので、業界のことをよく知っているので、その理由をよく理解しているからなのですが、その点について、今日はお話します。海外旅行時に役立ててください。

まず、何事も原因のない結果はありません。なので、「なんで、そんなことになるの?」という背景を理解するために、知っていただきたいのは、カード決済を採用している加盟店側の負担についてです。たとえば、Aさんがレストランで彼女と一緒に食事して、合計金額が、税込で10,000円だったとします。Aさんが現金で支払う場合は、お店は10,000円をまるまる受け取ることができます。

しかし、Aさんが「カード決済」を選択した場合、どうなるか? Aさんが支払う金額は、10,000円のままですが、レストラン側がもらう金額は、10,000円ではなくなります。VISAやMaster、JCB、Amexなどのカードの決済ネットワークを束ねている通称「カードブランド」と呼ばれる会社に、加盟店手数料を収める必要があります。日本ですと、各ブランドによって料率が違うのですが、今は平均3%から4%ぐらいですね。海外ですと、2%強ぐらいが平均です。これらカードブランド会社は、実際にカードを発行しているカード発行会社、たとえば、三菱UFJニコスのカード会社や大量の加盟店を束ねている会社と、この手数料の収益をシェアして商売をやっています。

ですから、仮に3%とすれば、お店が受け取れるのは、9,700円になるということです。次に、それ以外にも加盟店は負担があります。1つは、決済端末です。以下のものは日本国内でよく見かけるものですね。


当然、店舗側はこれを購入する必要があります。高いもので10万円強します。安いものですと10,000円以下のものもあったりします。そして、もう1つが通信費用です。カード決済は、インターネット回線や専用線と呼ばれるセキュリティレベルがインターネット回線よりも強化された通信回線などを使って決済されるので、その通信費用は、当然、店舗側が負担します。3,000円から5,000円/月ですから、年間にすれば、3万円から6万円ぐらい負担することになります。

ですから、お店の売り上げ規模にもよりますが、最低でも、売り上げの4%ぐらいは、カード決済の運用費に取られてしまうということです。また、カード決済は、現金と違って、即日、売上が入るわけではないですね。カード会社側から入金されないと振り込んでもらえないので、昔は月2回などが一般的でしたが、最近は、スクエアなどベンチャー企業が頑張っているお陰もあり、翌日には振り込んでもらえる仕組みが整って来ています。それでは、現金が即日であることに比べるとまだ劣っていますね。

ですから、レストランなどの飲食店の場合、現金決済しかやりませんというお店とかもあったりするわけです。飲食は、野菜や肉、魚など生鮮食品を頻繁に仕入れたりしますから、現金が手元にないと困るわけです。

これですと、世界中にカード決済を普及させていこうとしているVISAやMasterにとっては課題ですよね。そこで、彼らが編み出した手法が、「ダイナミック・カレンシー・コンバージョン決済」というビジネスです。業界では、DCC決済と呼びます。以下は、あるカード決済システムの提供会社からの抜粋です。


三つ目の「加盟店様のメリット」という所に書かれていますね。「その外貨変換手数料から得られる利益の一部を加盟店様に還元するプログラムを提供」と。これのことです。たとえるのであれば、よく空港で、日本円から旅行先の通貨に、現金を両替したりしますが、あれは、対応してくれている銀行側はタダでやってくれているわけではなく、当然、手数料を取っています。それと同じモデルを旅行先の加盟店で実行している、というビジネスです。業界では、為替手数料、とよく読んでいる手数料ですね。銀行免許を持っているカード発行会社であれば、誰でも行うことが可能です。

じゃあ、どれぐらいの手数料が上乗せされるかというと、当然、法外な手数料は取れませんから、先ほどの4%前後の手数料が上乗せされることで、加盟店側のカード決済による実質的な売り上げの減少分がゼロになるように条件設定されることが一般的です。

つまり、使う側からすると、10,000円分の食費代に、更に400円ほど上乗せして支払っていることになります。これは損ですね。

しかし、現地通貨決済を選択すれば、この負担はありません。ユーロ圏を旅行しているなら、ユーロ。アメリカを旅行しているならドル。と行った具合です。だから、現地決済の方がお得なのです。

あと、細かい話ですが、最近、NFCを使ったタッチ式の決済ができる決済端末が普及しているのですが、このタッチ式を嫌がる加盟店さんもいたりします。このブログのトップ写真のように決済端末にカードを入れて決済する方法を選択してくれとリクエストしてくるのですね。理由は、タッチ式の方が加盟店の手数料の負担率が高いからです。

こんな具合で、既存のデジタル決済のインフラも、色々と岐路にさしかかっているのですが、この辺りもそう遠くない未来にブロックチェーンとQRコード決済の普及によって、より安く利便性の高いものへと生まれ変わって行くでしょう。

ということで、みなさんの海外旅行時の知恵として活用してもらえれば、幸いです!

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