大阪万博の開催費をクラウドファンディングで資金調達に違和感を覚えるわけ②

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クラウドファンディングは、「政府」ができない富の再分配の実現、ないしは新たな経済循環を作り出すためのツール

そう、クラウドファンディングというのは、このためにあるツールなのです。例えば、わかりやすい例で言えば、日本でオーガーニックの農作物の市場シェアが市場のニーズほど増えない原因の1つに、農協の存在があります。彼らのビジネスモデルというのは、日本政府が作った、戦後の高度成長を支えるために最適化されています。農家が商売するための資金を融資し、農家はその資金を、農協が販売する農薬や化学肥料の購入代金、そして工作機械のリースやレンタル費用に当てます。そして、できた作物も農協が買い上げることで、農家は。そうすることで、農協という組織は食べている。戦後は、こうやって官僚が政府指導の元、ビジネスモデルを作り上げることで、高度成長を実現して行ったのですが、高度成長が終わった今、このモデルは完全に時代に合わなくなってきている。

最大の変化は、消費者嗜好の変化です。高度成長が終わり、環境破壊が深刻化した結果、日本人の多くはもはや大量消費文化には一切魅力を感じず、見た目はキレイだけど、農薬や化学肥料付の野菜や果物より、見た目は悪くてもいいから、善玉菌も含めた栄養価の高い農作物や果物を欲しがっている。この傾向は、ミレニアル世代やその下のZ世代ほど顕著です。しかし、ここに農薬や化学肥料を使わないオーガニックの農作物の普及は、農協にとって完全なるイノベーションのジレンマになってしまうのですよ。しかし、農家は、作付けするための手元資金がないとその年の栽培を行っていくことができない。こういう場合に、クラウドファンディングが価値を発揮するわけです。

万博にクラウドファンディングを使うなら、これからの日本で生きていくミレニアル世代やZ世代が支持する構造を盛り込むべき。

ところが、今回のクラウドファンディングの案は違いますよね?わかりますか?政府が書いた絵に対して、政府の税収が足りないから、国民に負担してくれと言っている。その原因は、東京の一極集中化が招いた実態なわけです。本来、このストーリーにおいて政治家や官僚が描くべきは、「万博というのは、新しいテクノロジーの博覧会であるから、大阪を戦略特区にして、海外の企業誘致も含めて、新しいテクノロジーを使った様々なビジネスが生まれるハブを大阪から育てて行きたい。人材供給源としての大阪大学、京都大学、奈良先端も関西にはある。」つまり、東京に流れてしまった企業や、また、ブロックチェーン系ベンチャーのように、国家の枠を超えて活動している企業などが、大阪に拠点を構えるような経済優遇措置をまずはじめに実行し、彼が、自分たちの技術などアピールするマーケティングの場として万博を開催することで、彼らが地元の人々と調和しながら、事業活動を行っていけるようなコミュニティ形成の機会作り、また、海外からその万博に投資家を招き、イベント中のプレゼン大会や商談を通じて、それらの事業会社に投資が行われ、これが大阪の現地雇用を生み出していく。そうすることで、東京一極集中によって衰退してしまった大阪経済が復活していく。そういう絵が全くないまま、昭和と全く変わらない大阪万博をやろうとしているわけです。

なので、僕は、このようなクラウドファンディング・プロジェクトには、お金を出したいとは思わないです。起業家としていうなら、「ROI(投資回収率)が悪いから」ということですね。笑

その点から、興味があるのはその130万人の著名における世代の割合や、実際にクラウドファンディングを実施した際のお金の出し手ですよね。ミレニアル世代やZ世代のお金が完全マイノリティになると予想しますが、その時点で、時代の追い風を受けていないプロジェクトに陥っているということです。

世界は、新しい千年紀にふさわしい新しい秩序を欲しているのです。

 

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