フォーブズのアメリカで「最も速く消滅しつつある職業」ランキングがおもしろい

ランキング大好きフォーブズさんが発表した内容が、おもしろかったので考えをまとめておきます。

原文はこちら

統計データは、米労働省労働統計局(BLS)がまとめたもので、対象となったのは818種類の商業。818のうち、17%が2026年までに従事者が大幅に減る見込みと推測しているようで、そのうちの12種類がこちらですね。

1. 鉄道保線員:78.6%
2. 呼吸療法士:56.3%
3. 駐車監視員:35.3%
4. タイピスト:33.1%
5. 時計修理士:29.7%
6. 自動車の電子装置据付/修理工:25.6%
7. 鋳型職人:24.0%
8. 鋳物職人:23.4%
9. コンピューターオペレーター:22.8%
10. 電話オペレーター:22.6%
11. 鉱山シャトルカー操縦士:21.9%
12. データ入力者:22.1%

以前、このブログでも、AIによって、労働の概念が変わっていくという話をしました。僕は、労働は「組織的労働」と「創造的労働」の2つに分けて見ており、そのうち、前者はAI化されていくと見ています。一方、後者はAI化することは不可能であり、その中心的役割を果たすのが、ブロックチェーンとトークンエコミー、そしてここに深く関わる評価経済の進化によって、非中央集権的にインターネットを運営していく市場であろうというものです。

詳しくはこちらのブログにまとめています。

https://lifeforearth.com/?p=6043

その点から考えていくと、このランキングで実感できるものとそうでないものがありますね。もちろん、日本とは異なるアメリカ社会の特徴もあります。たとえば、共通するところから見ていくと、Uberやそこに出資しているソフトバンクやトヨタが進めているAIとIoTを使った自動運転の技術が上がって行けば、「駐車監視員」はまず要らなくなりますよね。なぜなら、自動で駐車できる場所にしか駐車できなくなるから。自動車の修理も同様で、修理箇所の特定も含めて、AIに全てやってもらうというテクノロジーは既に出てきていますね。

タイピストは、言わずもがなですが、パソコンが普及して皆自分でタイピングできるようになったので、要らなくなってきているのですが、ほとんど不要の市場で、今だに必要としているのは、法律事務所などですね。コンピューターオペレーターや電話オペレーターは、1つは、いろんなサービスのヘルプサービスをできる限り、テキストのヘルプページで解決した方が人件費がかからないので、ニーズが減少傾向にある点と、LINE@などを使えばわかりますが、基本的な質疑をAIに回答させるモデルがかなり普及してきているので、その点からも減少傾向にあります。時計修理人は、間違いなくパソコンとスマホの影響だと思いますね。仕事しているときはノートPCで日時がわかるし、室内や外出中は、スマホで日時を確認するので、わざわざ時計を部屋に置いたり、腕時計を持つという必要がなくなりました。

鋳型職人、鋳物職人については、これは、おそらくアメリカ市場の特徴も出ていると見ているのですが、工業産業がどんどん衰退していることの影響が一番大きいのではないかと思います。日本は、大阪などを中心にかなりスキルの高い職人を持った企業があり、いわゆる職人の方々の「長年培った勘と経験」をAIで追い越すにはまだ実力差があるという話を聞いているので、アメリカの産業構造の影響も大きいと見ています。

鉄道保線員や呼吸療法士などは、アメリカ経済の特徴が出ているかなと思うのですが、アメリカは「自動車社会」です。だから、ほとんど電車を使いません。その意味で、電車の需要自体が日本と比べるとはるかに低いので、そもそも減少傾向にあるのはうなづけますね。この辺り、さらに減少に拍車をかけているのが、イーロン・ムスクがSpaceXで開発を進めているBFRロケットということであれば面白いですね。

東京からNYCを37分で移動可能なSpaceXが開発しているロケットBFR

東京からNYCまで37分で移動できるので、もはや、鉄道も含めた既存の大量移動手段は要らないでしょう。笑

呼吸療法士は、正直、僕にもわかりません。アメリカは、病人もとても多い社会なので、心臓発作に対する対策なども含めてこの資格需要が日本に比べて多いのかもしれないですね。それが、テクノロジーの進化にとって未然防止できる策が普及してきたのであれば、需要が減る可能性は多いにあるでしょう。興味のある方は、調べてみてください。

という感じで、この記事は主になくなりつつある職業の「現在」についてまとめたものですが、つづいて、Business Insiderが、過去50年で消えた8つの仕事についてのまとも記事もあり、これもなかなか面白いです。ある程度の未来というのは、「現状」と「過去」を丁寧に洞察することから見えてきます。

つづく。

https://lifeforearth.com/?p=6376

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