米最高裁の「アップストア」の反トラスト法違反への判断が、仮想通貨市場を成長させるわけ

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ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、米最高裁は13日、消費者がアップルを相手取って反トラスト法(米独占禁止法)に基づく集団訴訟を起こしていた問題で、訴訟を進めることは可能との判断を下した、とのこと。

原文はこちら

これは、仮想通貨業界にとっては、超ポジティブニュースです。なぜなら、その訴訟内容というのは、例の「アップル税」と呼ばれるアプリ内課金に対してアップル側が徴収する15-30%の手数料、これが不当に高いという問題です。また、この市場は、実質、GAFAの2社であるAppleとGoogleの二強で市場が構成されているため、ほぼ寡占状態に近いため、手数料が全く下がらないという問題が発生していたわけです。

これが、なぜ、仮想通貨業界によって、超ポジティブニュースか? 関係しているのは、仮想通貨取引所の事業ではないです。トークンエコノミーを仕掛けているベンチャー企業にとってのインパクトです。

Lino-Networkなどが手が欠けているD-Liveもそうですが、ユーザーが、トークンを購入して、動画を視聴するなどのトークンエコノミーを作ろうとしているわけですよね。詳しくはこちらです。

世界No.1 YoutuberのPewDiePie(ピューディーパイ)が仮想通貨版YoutubeのD-Liveと専属契約する業界インパクトの大きさ

これは、他のB2C系のトークンエコノミーを作ろうとしているベンチャーでも共通です。Steemitなどでも、投稿活動を続けるには、一定量のトークンを購入するなどの要求が求められます。こうなると、ユーザーがスマホアプリからトークンを購入する行為をしようと思った場合に、いつも運営側は、15-30%という法外な手数料を取られるわけです。場合によっては、この手数料分をユーザーが負担することもありえます。すると、仮にそのトークンが、取引所に上場されていた場合は、ユーザーは、取引所価格より15-30%割高なトークンを毎度購入しなければならなくなります。

また、細かい話をすると、ウェブサイトで同じようなサービスがすでにある場合はこの条件適用が緩和されたりするのですが、それは結局スタートアップ側の製品開発負荷をあげるわけですね。アプリとウェブサイトの2つを作らないといけませんから。これらは全てトークンエコノミーの実需を育てる上で、かなりの障害になってしまいます。

本来のブロックチェーンによるトークンエコノミーは、GAFAが支配しているインフラから完全離脱して、パブリックブロックチェーン上でサービスを構築していくことを目指しています。ウェブブラウザ経由で使う場合は、このアップル税の問題は発生しません。しかし、今のユーザーのデジタルライフの中心は間違いなくスマホです。そして、ユーザーは、スマホではアプリを使うのが中心で、ブラウザから直接サービスは使いません。ブラウザから使うとかなりアクションも遅いので不便なんですね。にも関わらず、このスマホ市場にも、GAFAの支配構造が生まれてしまっている。今回の最高裁の決定は、そこを崩してくれる流れを生み出してくれるので、かなりポジティブなニュースです。

また、以前からこのブログでも伝えていますが、GAFAは確実にマイクロソフトの背中を追いかけているというのが僕の評価です。マイクロソフトもかつてはOS事業を中心にアメリカだけでなく、世界中で反トラスト法で訴えられましたからね。

その点については、こちらにまとめています。

GAFAは20年前のマイクロソフトの背中を追いかけている。なぜか?-No.3

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