米中貿易戦争が加速させるブロックチェーン産業の発展 #1

参照URL: https://bit.ly/2EqL4pU

トランプ政権による米中の貿易戦争が、本格化していますね。まずは、時系列でニュースを整理しましょう。

  • 2019/5/11: 米政府が、中国政府に対して、中国全輸入品に対して、合計55兆円の追徴課税を実施
  • 2019/5/20: その措置を受けて、中国の大手製造メーカー、ファーウェイへ、グーグルはスマホのOS基本ソフトであるアンドロイドの有償版の供給を停止(無償版のみ可能になるため、Google MapやGmailが使えなくなる)、またインテルなど半導体メーカーはコンピューターチップの提供を停止。
  • 2019/5/22: ソフトバンクグループの英半導体設計会社アーム(世界の半導体設計の90%のシェアを持つ)は、その措置に従い、ファーウェイとの取引を中止

と言う具合です。日本でも、ドコモ、Au, ソフトバンク、楽天モバイルなどを含めたMVOやMVNO業者もファーウェイ製の最新機種のスマホ販売を延期した背景は、これらを受けてのことです。確かに、当然で、世界の半導体市場の90%を実質的に握っているアーム(「半導体の設計」という最重要の事業領域を握っているから)と取引停止されたら、スマホの心臓部に当たるCPU(=簡単に言えば、半導体のことです)が作れてなくなってしまいますから、実質、ファーウェイは製造停止に追い込まれるでしょう。

また、補足として、なんで日本のソフトバンクが、アメリカ政府の措置に従うの?という考えられる方も多いと思います。それは、当然で、「スプリント+Tモバイルの合併を承認して欲しいから」です。

孫さんはトランプ大統領との間に、直接の人間関係を作ってますから、間違いなく事前交渉したと考えており、その成果は、5月20日に放送されたこのニュースからわかるわけです。

米連邦通信委員会(FCC)は20日、ソフトバンクグループ(SBG)傘下の米携帯通信4位スプリントと、同3位TモバイルUSの合併を承認する意向を表明@日経

孫さんは、一国の首相並みの交渉力を持ってますね。笑

孫さんにとって、この承認は非常に重要です。なぜなら、この承認があるからこそ、もう1つのソフトバンクグループの旗艦事業であるビジョンファンドとの「群戦略」が効果をあげるからです。その点は、こちらにまとめています。

https://lifeforearth.com/?p=6152

 

また、日本は、アメリカとの間の日米安保による日米同盟がありますから、安倍政権も、当然、トランプ政権の保護貿易政策はきちんと支持しつつ、日本経済がその悪影響を極力受けないように動いています。ですから、最近、日本が、アメリカの関税政策に関わるトラブルのニュースを聞かなくなりましたよね?これは、安倍政権がきちんと対処しているからですよ。安倍首相は、僕は衰退していく国家経済のシンガリ役としては、大変優れた仕事をされていると思います。別の点でのその素晴らしい仕事ぶりは、こちらにまとめています。

https://lifeforearth.com/?p=3585

トランプ政権が、対中貿易戦争を加速する目的は?

ここにきて一気にトランプ政権の対中貿易への要求が厳しくなっているわけですが、背景は間違いなく「2020年米大統領選」です。以前から、このブログでも伝えているように、トランプ氏が大統領になることができたのは、過去20年以上アメリカ政府が推進してきたグローバリズムによって、アメリカの中西部の貧困化が深刻な社会問題になってきているからなんですね。詳しくはこちらにまとめています。

https://lifeforearth.com/?p=2821

アメリカの大統領は最大2期連続で務めることができますから、トランプ大統領としても絶対に再選を実現したい。これは人のサガでもあります。同じ共和党で前のブッシュ氏も2期務めてますから、自分がこれで1期だけになれば、明らかに不名誉なことです。何としても再選されたい。となれば、選挙戦略の基本は、「自分を大統領にしてくれた支持者への恩返し」につきます。ですから、彼が大統領選のときから表明していた保護貿易政策によって、アメリカの中西部経済を復活させる、と言う実績が欲しいわけです。

大統領の任期は四年。そして、2016年に大統領に選ばれたトランプ氏は、次の2020年11月の大統領の最終選まで、もう一年強しかありませんから、実績を出しにかかるのは当然と言えます。

トランプ政権の保護貿易政策の「無理が祟る」とき

しかし、過去20年、グローバリズムを貫いてきたアメリカ経済にとって、今、トランプ政権が展開している保護貿易政策は、順風満帆の追い風になるか?と言われると、僕の答えは「いずれ、無理が祟る」です。例えば、今回の対中追加関税の措置の発動に応じて、2つのニュースが流れてきています。

    • 2019.5.21: ビジネスインサイダーの報道によれば、アメリカのスニーカーメーカー各社は、今回の米中貿易戦争の本格化によって、販売価格の値上げが必須になると回答している。原文(英語)はこちら
    • 2019.5.22: ビジネスインサイダーの報道によれば、ゴールマンサックスの試算では、アップルは、今回のファーウェイ社に対する米国政府の措置によって、売り上げの30%が消失するリスクがあるとのこと。原文(英語)はこちら
    • 2019.5.24: ビジネスインサイダーの報道によれば、野村証券の試算では、Googleが、ファーウェイとの取引停止で最悪、年間400億から450億の売上を失うと予測。原文(英語)はこちら

なぜ、こうなるかと言えば、アップルもグーグルも、ナイキなどのスニーカーメーカーも、過去20年、アメリカの対中国に対する積極的な貿易政策によって、デザインはアメリカで、製造は中国でというのが当たり前になっているので、こんな保護関税をかけられたら、当然、苦しくなるわけですよ。特に、アップルは、サブスクリション事業に主体をシフトさせようと頑張っていますが、いまだにiPhoneの売上依存度が高いので、場合によっては、第二のアップル・ショックを引き起こす可能性もあり、注意が必要です。その点は、こちらにまとめています。

https://lifeforearth.com/?p=5204

そして、政策に失敗した場合、最終的な苦しみは、消費者に転嫁されてくるわけです。逆にトランプ政権が関税によって得た収入を、効果的に国内の景気をよくする政策、特に彼を支持してくれた中西部の経済をよくする政策に投下し、かつ効果が上がれば、2020年の大統領選は乗り切れるわけです。

そこで注目しているのが、表紙の写真にも使ったこのマップです。これは、ビジネスインサイダー社がまとめたアメリカの州単位の最大企業をピックアップし、マッピングした図です。

参照URL: https://bit.ly/2EqL4pU

まず、見えてくるのは、中西部など中心にこの図にある企業名を聞いたことが日本人はほとんどいないですよね?なぜなら、アメリカ国内でしかビジネスをやっていないから。つまり、グローバリズムのトレンドの恩恵は全く受けていないのですよ。これと、例のトランプ氏が大統領の当選した際の得票図を比べて見ましょう。

From Wikipedia – https://en.wikipedia.org/wiki/2016_United_States_presidential_election

赤いところが、2016年の大統領選でトランプ大統領を支持した州です。日本人が聞きなれない会社の社名と重なっているのがわかりますか?

つまり、トランプ大統領にとっての最大のミッションは、これらの企業の業績を圧倒的によくすることです。そうすれば、これらの企業はさらに人を雇います。社員の給与も上げます。すると、トランプ大統領を支持していた彼らは、2020年の大統領選でも、再びトランプを支持してくれるわけです。

なので、僕が今正に見ているポイントは、これらの企業の業績発表と言うことになります。特に、利益と雇用増加、社員一人当たりの給与増加が、重要になってきます。そして、僕はこれは実現するだろうと読んでいます。だから、以前から話をしているように、僕はトランプ政権を支持しているし、2020年の再選も望んでいます。なぜか?

それは、彼のこの無理な経済政策が、確実にブロックチェーン産業の追い風になるからです。次に、歴史学などからの参考事例も交えながら、その理由を説明します。

つづく。

https://lifeforearth.com/?p=6738

 

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