僕の仮想通貨(暗号資産・トークン)投資のポートフォリオ戦略の基本的な考え方についてまとめ #2

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6.Blockchain間のコミュニケーション

今、トークン市場には、取引所に上場されているものだけでも1,000種類近いトークンが流通しています。未上場を入れるとおそらく最低でも10,000ぐらいはあるでしょう。それぞれがそれぞれの「経済圏」を作ろうとしています。イーサリウムならイーサリウム経済圏、BinanceならBinance経済圏と行った具合です。楽天経済圏と同じ原理です。各経済圏としては、ユーザーには、自分たちの経済圏から出て欲しくはありませんが、しかし、それをやってしまうとユーザーから「ブロックチェーン市場は閉鎖的だ。全然インターネットみたいにオープンじゃないじゃないか」と嫌われてしますので、ユーザーには各経済圏を自由に行き来できるようにしてあげる必要があります。

実際には、ユーザーが行き来するというより、ユーザーXがもつ経済圏Aのトークンを経済圏Bのトークンと交換することや、ユーザーXのユーザーIDを移し替えるなどです。そして、ユーザーXがもつ経済圏AのこのトークンやID情報はすべてAのブロックチェーン上に乗っています。ですから、ユーザーXがトークンBを欲しい場合は、AからBのブロックチェーンに情報を移し替える必要があります。

ここの面倒を見てくれる技術のことを「Blokchain間のコミュニケーション」を世話してくれるテクノロジーと言います。専門用語でいうと、interoperability (相互互換性)と言ったりします。

つまり、この技術は非常に重要なのですね。僕が、ここで実際に投資している先は、COSMOSのATOMというトークンです。彼らは、ブロックチェーン市場の影の巨人に育つポテンシャルがあると考えています。

5. BaaS、およびBlockchain OS

ここで今、世界で一番大きなプレイヤーは、イーサリウムです。日本のメルカリをはじめとするアプリやウェブサービスのスタートアップは、創業時から必ずと言っていいほど、このクラウドサービスを使っています。AmazonのAWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloudなどですね。イーサリウムは、そのブロックチェーン・アプリ版です。ここになぜ、ブロックチェーンを使ってアプリを開発するプレイヤーの市場ニーズがあるというと、昔は、ブロックチェーンは、ビットコインのPoWがメインのアルゴリズムだったので、まだ技術力やお金のないベンチャーが、自分たちで独自のブロックチェーンを持ってアプリを運営すると、ハッカーが大量のコンピュータを使ってすぐに乗っ取る、もしくは彼らが発行している仮想通貨を奪い取って取引所で売りさばくことができてしまったですね。実際にこの問題は起きていました。

これだと、ブロックチェーンを使ったアプリ開発の難易度が非常に上がってしまうため、この問題を解決するために登場したのがイーサリウムを中心とするBaaS市場です。イーサリウム側が、コンピューターをたくさん持ったマイナーたちを自分たちの裏に大量に抱えて、それを小さいベンチャーが簡単に使えるようにしてあげたのです。イーサリウム側のこの技術はとてもレベルが高いので、ハッカーたちも容易に手が出せない。ということで広がってきました。

しかし、現在、ブロックチェーンのマイニングアルゴリズムは、ビットコインを除いては、PoSの方にシフトしつつあります。理由は、このほうが、トークンエコノミーと相性が良いからです。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

そして、イーサリウムが開発を進めているPoS型のCasperが実用化されると、一般個人でもマイニングに参加可能になってきます。そして、Casperは、オープンソースですから、他のブロックチェーン企業が、Casperを使えば、独自のブロックチェーンをもつ難易度が昔に比べて下がります。

実際、COSMOSなどが、Casperとは別の独自技術を作り、1のレイヤーのプレイヤーが、独自のブロックチェーンを簡単に持てるような仕組みを提供しているので、この領域は、6のレイヤーに侵食されつつあるなと僕は見ています。この辺りの理解を深めたい人は、「こちらのブログ」を読むと良いと思います。

また、BaaSの進化系が、Blockchain OSですね。このアイデアが出てくる背景は、モバイル通信技術が5Gに上がると、更にスマホのインターネット環境がホームインターネットとほとんど変わらないレベルになってきて、かつ、PoSなど高速なコンピュータマシンでなくても、仮想通貨のマイニングに参加できる仕組みが普及してくると、スマホ自体がマイニングマシンとなって、ブロックチェーンのインフラ運用に参加する時代が近い将来やってくるからです。すると、スマホOS自体が、ブロックチェーン技術を組み込んでものになってくる可能性が高いです。すでに海外のブロックチェーン系ベンチャーでGoogleのAnroid OSを使って、ブロックチェーンOSのような機能を持ったスマホを開発しているところも出てきています。

Blockchain OSの考え方について、知りたい人は、「こちらの記事」を参考にしてください。

レイヤーの課題は大きく3つあります。

a.プラットフォーム機能の強化

現在のBaaSというのは、AWSやGoogle Cloudと比較すると、実は、まだかなり限定的や役目しか果たしていません。トークンの売買などのトランザクション処理機能のみです。しかし、AWSなどは、その機能だけでなく、トランザクションシステムが処理したデータを蓄えるストレージ機能やそのデータからまた再利用したものを検索してくる機能、大きくこの二つの機能を持っています。ですから、今のBaaSは、この領域まで拡張していく必要があるのですね。以下は、その内容を図にしたものです。

b. 処理能力の強化

もう一つは、BaaSならではの問題を解決するためのテクノロジーです。上の図にある「2nd Layer Technology」と呼んでいる点です。BaaSは、P2Pテクノロジーで作られているため、クライアントサーバーモデルに比べると圧倒的に処理能力が遅いです。この問題は、ブロックチェーンの技術自体で解決することはほぼ不可能でしょう。完全な非中央集権システムを実現するために、スピードを犠牲にすることになります。

左がインターネットのクライアント・サーバーモデル、右がブロックチェーンのP2Pモデル

その犠牲にしている部分の問題を解決するのが、2nd Layer Technologyのミッションです。ブロックチェーンの処理が遅いことは織り込み済みで、この領域を第1レイヤーと定義し、その上に処理速度に焦点をおいた技術を開発することで、ブロックチェーンの処理の遅さを補おうという着想です。

よく知られているものですと、ビットコインのライトニングネットワークなどがそうです。詳しく知りたい人は、「こちらの記事」を参考にしてください。ただし、ライトニングネットワークと異なる点は、BaaSやBlockchain OSの場合は、ビットコインの売買のようなシンプルな処理ではなく、スマートコントラクトを使った色々な複雑な処理が2nd Layer側に求められるので、そう単純な問題ではないです。

c.非中央集権的なアプリ監査システム

最後が、将来的に必ず問題になってくる点がこれです。今のところ悪意的なブロックチェーン・アプリが問題に上がることはありませんが、ICO詐欺などが起きている点を踏まえても、BaaSを利用して、ユーザーからお金を奪い取るようなアプリが出てくることなどは当然ありえることです。

例えば、アップルのiOSなどの場合は、彼らが中央集権的な審査システムを自社でもつことで、この問題を解決しているわけですね。ですから、BaaSやBlockchain OSも、市場の黎明期を超えて、本格的な成長期に入ると、いずれはこの問題に対応していくことになります。なぜなら、この考えは、マーケティングのキャズム理論を踏まえれば容易にわかることで、イノベーターやアーリーアダプターと行った初期のユーザーは、こういう問題を自力で対応していく能力を持っていますが、アーリー・マジョリティやレイト・マジョリティのユーザー層は、自力で解決する能力のないユーザーだからです。

キャズムは、テックベンチャー投資には必須の本なのできちんと読むことをオススメします。

つづく。

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