僕がなぜBinance(バイナンス)のBNBトークンに投資するのか? #2

 

 
なお、こちらの内容はYoutube(日本語字幕付き)にもまとめています。合わせてご覧ください。


 

本質を突いたプロダクト戦略

次に重要なのは、プロダクト戦略ですね。バイナンスは、2017年7月にUS$15M(約15億円)相当のICOをして取引所の立ち上げを開始しましたが、その矢先の2017年9月に中国政府がICOの全面禁止措置と仮想通貨の取引禁止措置を取ったことを受けて、彼は、中国国外でプロジェクトを立ち上げることにします。このときに、一時、日本に拠点を動かすことも考えたのですが、金融庁が厳しい態度を取ったため、選択肢から外したようです。日本の金融庁はもったいないことをしましたね。現在は、地中海のマルタに本社を置いています。

素晴らしいのは、そのような困難を突破して、プロジェクト開始からわずか8ヶ月で世界最大の取引量を誇る仮想通貨取引所に育てあげたことです。このスピード達成には、僕はBinanceの3つの優れたプロダクト戦略があったと考えています。

 

  • 多くの仮想通貨取引所にとって課題である日本円やドルなどの各種法定通貨による入金を一切受け付けず、仮想通貨による入出金のみで運営していること
  • 2017年のICOブームを受けて、有望なICOトークンの大半をどこの仮想通貨取引所よりも早く取引可能にしたこと。現時点でBinanceの扱っている仮想通貨の種類は数百種類で、これは世界最大です。
  • 仮想通貨取引所として、BNBというトークンを発行し、その効果的なトークンエコノミーを構築することで、ユーザーのBinanceの利用意欲を高めたこと

それぞれ解説していきます。

ポイント1. 仮想通貨のみによる入出金

まず、一つ目ですが、大半の仮想通貨取引所は、法定通貨の日本円やドルで入金を受付け、出金も法定通貨で受け付けていますよね。この場合、取引所は必ずサービスを提供しているその国の金融機関に口座をもち、その国を規制を受けながらでないとこのサービスを提供できません。この仮想通貨取引所が銀行に口座を開くというのがとても大変なのですね。銀行にとって、仮想通貨業者は競合でもあり、まだ不正利用をされる機会も多い市場なので、口座開設に慎重にならざるえないのです。日本で仮想通貨取引所に金融庁よりのライセンスが求められる理由の一つもこれです。

また、同時に、日本円の入出金オペレーションがとても大変なのですね。日本の金融機関もそうですが、入出金は24時間365日の対応もしていないですし、銀行側のシステムも古い技術を何十年も使い続けているので、オペレーション効率がとても悪いです。一方、Binanceは、BTCやETHなど、仮想通貨による入出金しか受付ないのですね。このモデルであれば、世界中のユーザーを同時に相手にしながら取引所事業を展開することが可能になるわけです。これで短期間でユーザーベースを拡大することができます。

彼が賢かったのは、2017年の仮想通貨が非常に好調で、多くの個人マイナーも登場し、BTCやETHをマイニングから得ているユーザーが大量に増えた点や、2013年頃からBTCに投資していた投資家が大きな値上がりを得て、その資金を仮想通貨のまま他のICOプロジェクトに投資する動きが、活発化したところを見定めて、Fiat to Crypto (法定通貨から仮想通貨への投資)ではなく、Crypto to Crypto (仮想通貨から仮想通貨への投資)を仕掛けるチャンスだと考えたことです。これには、中国政府や金融期間の厳しいスタンスの影響もあったと言われていますが、そこを逆手に取った点も素晴らしいですね。

Crypto to Crypto (僕は、”Crypto C2C”と呼んでいます)が本格的にユーザー間取引の主流になれば、既存の金融機関を介さず、仮想通貨の取引を個人ができるようになるため、インターネットがTVなどオールドメディアに依存しないメディア産業を作って行った歴史を踏まえても、ブロックチェーンが向かうべき重要な方向性だと考えています。Binanceは正にその点を抑えたプロダクト戦略を取ったわけです。

そして、それを多くの仮想通貨のアーリーアダプターも望んでいたのですね。そこにBinanceが登場したことで、彼らの一気に資金がBinanceへと流れこんだわけです。

ポイント2.多種類の注目トークンを高速にリストアップ

そして、2点目。2017年に一気に盛り上がったICOブーム、この流れにもっとも早く対応したのが、Binanceでした。Coinbaseなど、Fiat to Cryptoをメインにしている取引所は、各国の規制にまともに対応しなければならないため、このICOのムーブメントに乗るのがかなり困難であった一方、Crypto C2CにフォーカスしていたBinananceは、注目されていた大半のICOトークンを短期間に取引所にリストアップすることができたため、BTCやETHに投資した値上がりを受けて、他のICOトークンに投資をしたい仮想通貨の投資家たちが、大量にBinanceに流れこみました。

Coinbaseが、未だに5種類程度しか扱っていないのに、Binanceは既に数百種類を超えているわけです。すると、他のICOしたブロックチェーン・スタートアップたちも、Binanceに上場すれば、一気に大量の投資家にアクセスできるため、Binanceへの上場リクエストを積極的に行いました。投資家はBinanceに上場される複数の仮想通貨目当てに、Binanceに会員登録し、新しくICOしたベンチャーは、Binance上場をゴールに頑張る。つまり、強力なネットワーク効果をBinaceは短期間で作り上げたわけです。

ポイント3. BNBによるトークンエコノミーを形成

3つ目が、Exchangeとしてのトークンエコノミーをきちんと作り上げたことです。これが実現できているのは、世界のCrypto ExchangeではBinanceが初であり、かつBinanceが最もスケールしています。BNBは、投資家が、BTCを使ってXRPに購入する際に、例えば、通常は、0.0001BTCの手数料をBinanceに支払うところを、BNBを購入して、そのBNBで手数料を支払えば、0.00005BTC、つまり、50%ディスカウントしますよ、というものですね。そして、Binance Coin自体も供給制限がかけられており、値上がりしていくと、BNBを媒介にしてトレーディングした方が投資家にとってお得になるため、他の取引所に乗り換えるリスクが減るのですね。とてもシンプルですが、効果的なトークンエコノミーを作り上げています。これによって、ポイント2で作り上げたネットワーク効果が更に強化され、競合を圧倒していったのです。

#3につづく。

 

関連記事