「Yahoo!スコア」が、ブロックチェーン上で運用される日はくるのか? #2

スコアをユーザーが見れるかどうか賛否両論が現実

今回、Yahoo!スコアは、スコア自体をユーザーが見ることができません。一部の記事などでは、それがサービス普及の課題になるという表現がされているのですが、本質的には、メリット・デメリットがどちらの場合でもある話です。

例えば、Uberを例に取りましょう。Uberは、自分のトラストスコアがすぐにわかります。そして、Uberは乗車後に必ず、ドライバーとライダーで相互評価をかけます。この場合、確かに「わかりやすい」のですが、同時に、自分のスコアが下がったりすると、その原因が明らかに直前のドライバー/ライダーの評価であることがわかります。すると、「あいつ!」と思う奴もいるわけですね。ただ、Uberの場合は、同じ一人のドライバーに何度も当たるということは、ほぼ稀である想定されるので、これでも良いと言えます。

一方、Airbnbは、ホストもゲストも宿泊後に事細かに評価をしていくのですが、そのスコアはオープンにされていません。ただ、ちょっとカラクリがあり、ホストの場合、一定の評価条件が継続するとスーパーホストになることで、顧客獲得がぐっと楽になります。Airbnbは、スコアをオープンにすることに対してはとても慎重ですね。1つは、やはり「泊まる」ので、タクシー利用のような一時的な移動の時間数などに比べると圧倒的にホスト・ゲスト間での接点が多いため、スコア評価を見せてしまうと、トラブルの元になるのかもしれません。実際には、オープンになっていないので、トラブルになるかどうかは不明ですが、Airbnbも抜け目のない創業メンバーが経営している会社なので、過去、テストなどを実施した上で、オープンにしない判断を下していると思います。

また、最後に、「国民性」というのがあります。これは、次の項目でお話します。

マナーがよい日本で、スコア経済は、どのような行動変化をもたらすか?

すでにトラストスコアが普及している中国のケースでいうと、その影響は正直、「絶大」と呼べるレベルです。例えば、結婚相談所の条件希望欄に、AliPayやWechatPayのトラストスコアが「???」以上という条件設定までできるレベルです。すごいですよね。中国は、僕も2007年ぐらいに仕事で上海に出張した際に、とてもマナーが悪いイメージが強かったのですが、会社を売却して時間ができた2018年に再度、上海に行ってみて、驚くほどのマナー改善が起きていることに驚きました。現地の友人などに聞いてみると、政府の指導もあったようですが、このAliPayとWeChatPayのトラストスコアがもたらす草の根効果は、かなり大きいとのこと。現地の友人が「もともと、すでにAliPayとWeChatPayの決済加盟店が都市部ではほとんど普及していたところに、トラストスコアが入ってきたから、マナー改善しないと生活がしずらくなる下地が出来上がっていた」という話を聞いて、これは納得感がありました。

それと比べると、今、ヤフーが提供しているPayPayの加盟店は、日本全国の200万と言われる店舗業態のうち、数%程度しか抑えられていませんから、すぐに効果を期待するのはまず無理ということです。また、僕が興味があるのは、日本はやはりもともとマナーがよい人が多いので、こういう社会で、トラストスコアを運用していった場合の普及の仕方が気になっています。かなり本人の収入などに直結するところ以外にはひょっとするとあまり影響がでないなどですね。この辺りは、自分自身ユーザーとして使ってみることで実感していこうと考えています。

トラストスコアは、ブロックチェーンとトークンエコノミーによってユーザー自体がガバナンスに参加しないと持続性が上がらない

最後に、一番、重要なことを話します。将来的には、間違いなくこのようなトラストスコアモデルは、ブロックチェーン上で運用され、かつトークンエコノミーを活用して、ユーザーもルール決めに参加しながら運用していくことになります。それが実現できなければ、間違いなくそのスコア管理会社に対して、ユーザー側が反発することは必須だからです。この辺り、今回のYahoo!スコアも含めて、どこが一番はじめにそれを仕掛けてくるのか、注目しています。それは、僕が描いているブロックチェーンの未来予想図のStep4の段階に入る上で、とても重要な産業発展の流れであり、最終的には、今の日本社会の大きな課題の1つである、社畜の撲滅に繋がっていく話だからなのですね。詳しくはこちらにまとめています。

ブロックチェーンによるポスト資本主義の未来予想図

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