バイナンスが英ポンドをスタートに複数のステーブルコインの発行を計画。真の狙いは?

BINANCE DEX

Bloombergの報道によると、世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスが、現在運用しているバイナンスのDEXであるBinance Chain上に独自のステーブルコインを発行を近く数週間から数カ月以内に予定していることのこと。思うところをまとめておきます。

記事の要点は下記の通りです。

  • バイナンスCFO Wei Zhouのインタビューによると、まず、英ポンドのステーブルコインであるBinance GBPを発行予定
  • その後、ユーロや日本円など、世界の主な通貨のステーブルコインを随時発行予定
  • 現在、ステーブルコインの世界シェアNo.1であるUSDTテザーが50%の市場シェアを持つところを、スキャンダルの問題も抱えているため、多様化を進めていく考え

原文(英語)はこちら

複数の法廷通貨のステーブルコインを発行するバイナンス側の狙いは?

気になる点は、ここですよね。特に、アメリカドルベースのステーブルコインは、複数、発行されているので、これ以上の市場ニーズはないと判断していると思います。Tetherは確かに市場シェアがいまだに高いです。しかし、スキャンダルでトラブルを起こしており、現に準備水準も74%しかないことが発覚していますから、ステーブルコインとしての市場からの信頼を失いつつあります。詳しくはこちらにまとめています。

TetherのUSドルの保有数は74%であることが明らかに。残り26%はどこへ?

しかし、大体のCoinbaseとCircleが手がけているUSDCなど代替が複数ありますから、ここに今からバイナンスが参入する意味はあまりないと思います。

バイナンスに上場されている4つのステーブル・コインの分析・評価まとめ

それと同時に、バイナンスのユーザーは世界中に存在しているので、自国の法廷通貨のステーブルコインで、運用できた方が、資産管理は圧倒的に楽です。特に、確定申告や決算のときですね。バイナンスは、仮想通貨同士のペアリング取引で、一気に大きくなった成功体験があるので、おそらく、1つ目は、今回のステーブルコインについても、同じようなことを期待していると考えています。

ステーブルコインは、ボラティリティの高い暗号資産の運用においては非常に重要な役割を果たします。日本円やドルに交換する必要なく、利益確定ができ、かつ、市場動きが悪いときに資産の逃避先にできるからです。じゃあ、その場合、アメリカや日本の経済が混乱している場合はどうなるの?と考える人もいると思いますが、全く心配入りません。その時は、ビットコインに資金が流れます。それは、ビットコインの始まりの歴史がそのものであったからです。こちらにまとめています。

トークン・エコノミーの観点から分析するとビットコインの上昇要因は唯一マクロ経済の混乱

もう1つは、DEXであるBinance Chainを圧倒的な市場地位に持って行きたい点だと思います。今、主な仮想通貨取引所で、ブロックチェーンを使ったDEXをリリースし、かつ安定的に運用できているのはバイナンスだけです。スタートアップの世界の基本原則は常に「競合が追いつけないほどのスピードで成長すること」ですから、バイナンスとしては、短期間で、バイナンスDEXを圧倒的な地位まで育てたいはず。

そのための打ち手は全て打ってくることから考えると、今回の複数のステーブルコインというのも、バイナンスユーザーのニッチなニーズに答えることで、DEXの成長を加速させたいのだと考えています。

ステーブルコインの多様化は、DEXであるBinance Chainにとって相性がいいと見ている

そして、これは、ブロックチェーンとの相性から考えている点です。おそらく、これが一番大きなインパクトではないかなと。以前から話をしていますが、ブロックチェーンはトランザクションスピードが遅いです。一般的な証券取引所システムが1秒間に100万件以上処理可能な中で、ブロックチェーンは、BinanceChainが使っているCOSMOS HUBでも、1秒間に4,000件程度になります。詳しくはこちらにまとめています。

僕がなぜCOSMOS(コスモス)のATOM(アトム)トークンに投資するのか? #3

この点から踏まえた場合、仮想通貨市場全体が冷え込んだ際、1種類のステーブルコイン、例えば、Tetherに取引が集中してしまうと、BinanceChainの他の暗号資産の取引が処理できなくなるリスクがあります。なので、Binance Chainにとっては、ステーブルコイン自体も多様化するように育てた方が、トランザクションの分散化が可能になるので、よりシステムとして安定するということです。

というように、今回のBinance Chainへの施策は、とても良い効果が市場全体に期待できると思います。

また、僕がバイナンスのトークンであるBNBに投資する理由はこちらにまとめていますので、合わせて参考にしてもらえればと思います。

僕がなぜBinance(バイナンス)のBNBトークンに投資するのか? #1

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