ブロックチェーン産業の発展にカギの1つにあるスマートフォン向けOSの重要性 #2

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スティーブ・ジョブズがiPhone市場を立ち上げた秀逸なプロダクト戦略と実行計画

これは、シリコンバレーではよく知られた話なのですが、1996年にスティーブ・ジョブズが当時経営していたNext Computer社(現在のMac OSやiOSに相当するソフトウェアを作っていた会社)を、当時、経営難に陥っていた、かつて自身が創業したアップル社が買収したことで、ジョブズは暫定CEOになります。そして、その後、2000年に正式なCEOを受諾。その翌年の2001年10月に、初代iPodが発売され、iTunesも開始します。実は、この時、すでに、スティーブ・ジョブズの頭の中には、iPhone構想があったと言われています。しかし、いきなりそこに手を出すことが非常に事業上、成功させる難易度が高いことを彼は分かっていたので、iPhoneを確実に成功させるためのプロダクト戦略を立ていきました。

その最重要プロダクトが、iPodとiTunesでした。特に、iTunesですね。B2C向けのOS事業を成功させる上で、非常に重要なのは「キラーアプリ」です。これは、ジョブズは、長年のライバルだったビル・ゲイツ率いるマイクロソフトのOS戦略を横で見ながら学習していました。マイクロソフトは、一時は、独占禁止法への違反で、度々、訴えられるほどのOS市場のシェアを持っていました。その戦略が、正にキラーアプリ戦略にあったのですね。

Windows OSをB2C市場で普及させるために、3つのキラーアプリを容易した。Word、Excel、そして、PowerPointです。多くのユーザーは、このアプリが使いたいからWindows PCを買いました。しかしも、パソコンに既にインストールされている状態で売ることで、実際のソフトウェアの価格は意識させないように売っていた。ソフトウェアのラインセンス料は、東芝やソニーなどのパソコンメーカーに払ってもらっていました。

ジョブズは、この戦略をiPhoneにも取り入れています。それが、iTunesだったわけですね。また既に持っていたウェブブラウザのSafari。しかし、それだけでは、当時のガラケー中心の携帯電話市場を切り崩すことができないと考えていた彼は、また、それ以外にも有力なキラーアプリを手に入れるため、Googleとも協業関係を作り、初代iPhoneがリリースされる際には、Google MapとYoutubeもプリインストールされていた。とても用意周到でした。

そこに、あのタッチパネル型のスマートフォンと言う、常識破りの携帯を投入することで、それまでは、完全にニッチ市場だったスマホ市場を、パーソナルコンピュータ市場の中核にまで育て行ったわけです。iPhoneが出る前のスマホは、あのめんどくさいキーボート型のブラックベリーでしたからね。

そうして、ここに、彼に1つの幸運が働いていました。それは、彼が初代iPhoneをリリースする一年前にアマゾンが開始していたAWSというクラウドサービスです。


AWSは、今やアマゾンの大半の利益を稼ぎ出す主力事業に成長しています。詳しくはこちらにまとめています。

GAFAは20年前のマイクロソフトの背中を追いかけている。なぜか?-No.2

AWSによって、スタートアップの数が劇的に増加しました。なぜか?それまでのインターネット系スタートアップは、サービスを開始するには、何百万円もかけてデータセンターを借りてからでないとサービスをスタートできなかったのですが、AWSが秒単位の課金システムになるため、初期にかかるコストが劇的に下がったのです。つまり、起業のハードルが一気に下がりました。

このお陰で、スマホアプリが急増するのですね。下記のKPCBレポートのグラフにあるように、2008年でiOSには、5,000アプリしか登録されていなかったのが、2018年は200万を超えている。


この結果、スマホは、パーソナルコンピュータ市場の中心に育ちました。これは、シリコンバレーの直近のIT産業史における最大のイノベーションと言われています。なぜなら、iPhoneがなければ、UberもメルカリもLINEもおこまで育つことはなかったですからね。ジョブズの功績の上で、彼らは生きているわけです。

つまり、ブロックチェーンOSを手がけるには、これぐらい周到な戦略とプランが必要であるということです。では、次のこのiPhoneの成功史を踏まえて、ブロックチェーンOSを仕掛ける起業家がどのようなことを取り組まなければならないのか? について詳しく触れます。

つづく。

ブロックチェーン産業の発展にカギの1つにあるスマートフォン向けOSの重要性 #3

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