エシカルライフの実践に不可欠な「脱プラスティック」イノベーション

5月にジュネーブで、ラスチック廃棄物の輸出を制限する条約、「有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」(以下、バーゼル条約)の改正案に日本を含む180カ国近くが合意しました。今日は、そのお話に関連する僕が関わっているテクノロジーイノベーションについてです。

LifeForEarthは、「地球と共生する自由な人生」をコンセプトにおいたブログです。ですから、こういう話もきちんと取り上げていきたいと思います。

ハフィントン・ポストの記事によれば要点は以下の通りです。

  • 今回の合意で、それまで日本から新興国に輸出していた年間150万のプラスティックゴミは、輸入国側の同意なしには輸出できなくなる
  • 輸出先であった中国では、すでに2018年に国内のゴミの量が増加した影響を受けて輸入禁止措置が取られている。この流れは、今回の合意によって、他の新興国でも進むことが想定される
  • 2018年、アメリカの大手コーヒーチェーン・スターバックスが、2020年までに世界中の全店舗で、プラスチック製の使い捨てストローを全廃している
  • 今後は、世界的に”脱プラスチック”が進む

原文はこちら

東京湾から「夢の島」が消えた理由

知っている人もいるかと思いますが、日本には、昔、「夢の島」という名の巨大なゴミ捨て場がありました。東京江東区のあたりですね。以下は、そのときの写真です。

From Wikipedia

ここに捨てられたのは、当時の焼却技術では完全に燃やすことができない、今回の話に関わってくるペットボトルなどのプラスティック容器やビニール袋などの不燃ゴミや資源ごみです。当然、食べかすや飲み残しなどがそのゴミにはついていますから、それが腐敗して、近隣の町の小学校などはハエだらけという状態でした。悪臭も凄まじいものでした。下の写真は、先生の横の柱に貼られているハエ取り紙がハエだらけの状態のものです。

From Wikipedia

それが、1970年ごろから埋め立てし公園にする計画が進められ、今では見る影もないのです。

From Wiklipedia

疑問に思うのは、ゴミ捨て場として続いていたら、そんなことは不可能なはずですよね? では、そのゴミは今どこへ行っているのか?日本のメーカーが高機能な焼却設備を発明したのか?いえ、結局、そんな技術は出てくるはずもなく、日本国内では、焼却することは無理だったので、今、新興国に流れているんですね。中国、東南アジアなどです。つまり、今、新興国がかつての「夢の島」状態なんですよ。この動画が参考になると思います。

 

しかし、本来の目的は違いました。焼却はできないから、代わりに新興国にプラスティック廃棄物の再生利用をするための工場などを日本は、資金と技術を提供して行うのが本来の目的だったのですね。例えば、どういう再生利用方法かというと、有名なのは、アウトドアメーカーのパタゴニアがさきがけとなった「フリース」がそうですね。素材にペットボトルを分解した素材が使われています。

 

実際のこのフリースへのプラスチックゴミの再生利用は続けられています。では、それでもなお、新興国で「夢の島」が深刻化しているのはなぜか?

プラスティック廃棄物の再生利用には、高い技術力と安い人件費が必要。しかし、実際には、これはかなり「無理ゲー」な話

まず、今回の記事が指摘している問題点から理解を進めましょう。日本国内で同じことをやると「人件費」が高く、なかなか再生利用が実現できない。なぜか?これは、なんでもそうなのですが、製品づくりの工程から考えれば見えてきます。

  • A.再生利用をともなう製造方法:①分解→②素材化→③製品化
  • B.再生利用をともなわない製造方法:①素材→②製品化

要するに、1工程、余計に手間がかかるのです。当然ですね。素材の状態であれば、すぐに製品にするための加工ができますが、すでに製品になった状態のものを別のものに加工するには、一度、素材の状態に戻さないといけません。この手間がかかるのです。これを人件費の高い日本でやってしまうと再生利用で作った製品Aは、Bより値段が高くなってしまうので、なかなか売れません。だから、人件費の安い新興国にもちこむわけです。

しかし、それでも、再生利用が追いつかない。この「無理ゲー」状態の原因は、実はとてもシンプルで、世界中で、再生利用以上に、消費しているからす。

以前、このブログでも触れているとおり、国連機関のWWFがまとめている「生きている地球レポート」にあるように、年々、世界の資源消費量が増えています。当然、プラスチックもそのうちの1つです。その背景は、中国などの新興国が、日本と同じレベルの生活水準を求めて、経済発展を続けているからです。

国連WWF「生きている地球レポート」から分かる現代の都市生活の異常さ

だから、中国が2018年に、プラスティックゴミの受け入れを禁止したのは、自分達が、かつての日本のような状態になってきているからなんですね。日本で「夢の島」問題が起きたのは、高度成長のときでした。それが今の中国ということです。

どうすれば、この問題が解決するか?身近にできることの1つは、プラスチックの利用を自ら制限することですね。スーパーやコンビニでビニール袋(原料はプラスチック)をもらわないようにするためのマイバックの利用や、スタバが実施しているストロー利用禁止(原料はプラスチック)などを、他の商品でも自ら実践することなどです。

しかし、僕は起業家でもあるので、更にそこを進めた取り組みをしています。それは、“脱プラスチック”のテクノロジーイノベーションを実現することです。

今後は、僕らの生活の中の”脱プラスチック”イノベーションがますます重要になる。

もちろん、一人一人がプラスチックを使わない努力をすることも大切ですが、どうしても必要になることがある。それならば、その必要性をテクノロジーを使って不要に変えてしまえばよいということです。

具体的な事例の話をします。それは、今、僕が、リードメンターとして沖縄にあるOIST(沖縄科学技術大学院大学)で立ち上げを支援しているスタートアップ・インキュベータープログラムに参加しているイギリス人のOIST研究チームが立ち上げているShoreditch-sonです。

Shoreditch-son@OIST

彼らは、それまで固形化が難しかった素材を固形化するテクノロジーをもったディープテック・スタートアップです。例えば、どういう用途があるかと言えば、トレーニング前後に飲むプロテインやアミノ酸ですね。これは今までなかなか固形化が難しかったので、多くの場合、プラスチックバックに入れられて売れていることが一般的でした。みなさんもよくスポーツジムなどでプラスチックバッグに入ったプロテインの袋やペットボトルに入ったアミノ酸ドリンクを見たことがあると思います。

しかし、彼らは、これを固形化できるテクノロジーを開発しました。実際の彼らが撮影した試作品の動画です。

動画の通り、こんな具合で、固形化したプロテインタブは、すぐに水に溶けるため、そのまま飲むことができます。これであれば、使い捨てにならないようプラスチック製でもいいですし、アルミ製のマイケースになどにこれを入れて、トレーニング前後に水に溶かして飲めばいいですよね。水は当然マイボトルで。笑

僕も、ほぼ毎日トレーニングをしており、こちらのブログでも紹介しているMUSASHIというアミノ酸パウダーを飲んでいるのですが、これは、まだプラスティックバックを梱包材として使っているのですね。彼にも、ぜひ、これも固形化しようということで、事業開発、チーム組成、資金調達など諸々の経営支援を僕の方でやっています。

アンチエイジングに効果抜群:毎朝1本のアミノ酸パウダー

OISTの研究チームには、このように、地球との共生につながる優れたテクノロジーのプロジェクトが複数動いているので、この1つ1つをしっかりベンチャーとして巣立たせていく、実践的な支援を僕の方がリードしています。今後も、適宜、このブログで紹介して行きたいと思います。

今後とも、LifeForEarthをよろしくお願いします!

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