マスター・オブ・スケール – フェイスブック創業者兼CEOマーク・ザッカーバーグのインタビュー#10

 

ホフマン:うん、そして、ここ1つ考えなくてはいけないことがある。君が、本当にチームにその実験の自由を提供したいなら、君はその当惑に対して快適さを感じるぐらい慣れる必要がある。ここで、フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグに、会社に言い伝えられているそのレジェンドとも言える当惑の物語について話をしてもらおう。

シェリル・サンドバーグ:あるとき、サマーインターンで採用したベンという子が、フェイスブックのサイトが落ちないようにするための手伝いをしたいと申し出てきた。ついては、バグが原因で起きるサイトダウンからどうやって私たちが回復できるかについて理解をしたいと。だから、彼は、実際にそのバグを作動させて、サイトを30分ダウンさせた。わかると思うけど、インターネット業界では、このやり方は正直狂っているわ。そして、マークは彼をフルタイムで雇って、そして、このやり方に”ベンのテスト手法(Ben Tesuting)”と名前をつけて、実行するようになった。このように、過ちを犯すことに対してこれだけの寛容であるということは、本当に素晴らしいこと。マークだって間違いを犯すし、私だって間違いを犯す。

ホフマン:この過ちを犯すことに対する許容度は、フェイスブックの社員をただ自由にしているわけではない。マークをより重要な問題にフォーカスさせることも可能にしている。

ザッカーバーグ:この経営手法は、僕が、ハイレベルで会社がどの方向に向かうべきか、について常に考えることができ、かつ、その新しい方向性を一緒に取り組むべき人々が誰なのかを把握することができる。けど、日々において、何か意思決定をする際、”これは会社を破壊するか?”と自分に問う。もししないなら、それはテストしようと。そして、そのテストするコストがそんなに高くないなら、それに躊躇するぐらいなら、実験させて、そこから学びを得た方が、よっぽど僕やチームにとって価値のあることだと考えている。

ホフマン:そう言う考え方を聞くと、僕は自分の哲学を修正しなければならないね。僕は、僕は、君がもし自分のファーストプロダクトのリリースに当惑しないなら、君のリリースは正直もう遅いと話をした。しかし、その当惑は、2番目や3番目のリリースでもなくなることはない。たとえ、そのプロダクトが10億人に使われるようになってもだ。もっとも革新的なプロダクトは、終わらない当惑の中にある。この”当惑”という言葉が、このエピソードにおいてカギとなっている。何人かの人は、僕の哲学を、明確な計画なしに動くための免罪符として捉えているように思う。しかし、注意して欲しい。僕が言っているのは、”君が君の第1のプロダクトに当惑しなかったならば”と言ったのであって、”君が非難されなかったら” や “君が、そのプロダクトによってひどく恥をかかないなら”とは言っていない。実際に、君が、もし高速にプロダクトをリリースし、それが裁判を引き起こしたり、 ユーザーを遠ざけしまったり、ただ資本を浪費するだけだったりした場合、それは単純に、君のプロダクトは完全に早熟だったと言うこと。これは基本の作法として抑えておくべきことだ。プロダクトを拡張させるための実験をする上で、リスクがあるのは疑いの余地がないことだ。何か新しいことをテストするたびに、恐怖と当惑が君を襲う。失敗の恐怖に対して無敵の人なんてこの世の中にはいない。では、マークがどうやってこの恐怖を自分から取り除いているか? 答えは、”機会”だ。

ザッカーバーグ:これは、僕の個人的な話になるけど、僕にとっては、ビジネスを作ることや、失敗しないように努めることより、世界に一番大きなインパクトを与えることに一番モティベートされるんだ。僕らが、何かをダメにしてしまったり、ビジネスが上手く行かないことよりも、その機会を最大化しないことこそに、僕は1番の恐怖を覚える。

ホフマン:持続性の高いプロダクトを作る機会は、多少のユーザーがそのプロダクトから遠ざかってしまうコストをはるかに凌ぐということだ。このトレードオフを早く自分の価値観として取り入れるほど、君はそのプロダクトを拡張させるためのルールに早く乗ることができる。だから、文句を言うのをやめなさい。さて、このエピソードはここで終えるとしよう。ここが一番いいタイミングだ。もし、君がそれに対して明確に何か違和感を感じないなら、僕らのプロデューサーがこのエピソードのリリースが遅かったと言うことだ。(笑)

レイド・ホフマンでした。ご視聴ありがとうございました。

僕の所感

様々な機能をデータを取りながらテストし、追加したり・削除したりするグロースハック、という言葉、この生みの親がマーク・ザッカーバーグと言われています。今では、この言葉が普及し始めたのは2010年ごろぐらいからでした。僕も実際グロースハックした経験もあるのですが、このエピソードで語られている常時「10,000ぐらいのフェイスブックが彼らのインフラの上で動いている」ということには正直驚きました。感服したというところです。このシステムを作り上げたことは大変重要で、マークが言っているように「社内で、部下と上司が新機能についてあーでもないこーでもないを議論していること自体がスローダウンの原因」になっている。ここが肝なんですね。創業期はチームが小さく、ユーザーベースも小さいので、一人一人が意思決定権をもち、色々と自由に開発がで切るから、スピード感を失わないのですが、それをテクノロジーを使って、それを可能にするインフラを作り上げたと言うのは、本当に感服します。さすが、シリコンバレーのトップクラスの起業家だと思います。

同時に、このエピソードのタイトルにある「不完全こそが完全」を貫くザッカーバーグの経営思想を踏まえると、彼なら、リブラをやり切るだろうと改めて思いました。フェイスブックは、そのファミリー群であるInstagramやWhatsappも含めて、リブラによる新たな進化フェーズに入ったと言えます。そして、彼らが、一番初めにGAFAというレッテルから離脱するでしょう。

リブラについて、こちらに常時、最新動向をアップしています。参考にしてください。

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