マスター・オブ・スケール – フェイスブック創業者兼CEOマーク・ザッカーバーグのインタビュー#9


ザッカーバーグ:うん、まあちょっとキャッチーじゃないけどね。

ホフマン:けど、最高の信条は、聞こえのよさ以上の役割を果たす。なぜなら、その信条は、タフな意思決定をするための決断力を君に与えるからだ。

ザッカーバーグ:だから、”早く動け”は、興味深い。なぜなら、早く動くためには、何かを捨てなければならないからね。だから、次の質問は、”じゃあ、何を捨てる?” 初期のころは、”早く動いて、壊せ”で、その意図は、僕らは、コミュニティが何を求めているかについて早く学ぶために、バグや欠陥に対して、寛容になることにあった。しかし、ようやく、そのようにスピードを追い求めるよりも、今まで作ってきたもののバグの修正や課題解決に時間を当てられるところまで到達できたということだ。

だから、僕らは、”OK、僕らはさらに早く動きために新しい戦略が必要だ”と考えた。”僕らは、これを最高のインフラを作ることによって実現しよう。これによって、どこの会社からこのフェイスブックに来ても、より早くプロダクトをリリースできるインフラを作り上げよう。つまり、早くテストできるから素早くリリースできるとかね。フェイスブックでは、このための最高の環境を用意しようと。それが、”安定したインフラと共に早く動け”の意図なんだ。しかし、これはタダではできない。このインフラを作り上げるために莫大な資金が必要だ。だから、この価値観にまた戻ってくる。そのために、何を諦める? なぜなら、全てはタダではないから。

ホフマン:マークは、”安定したインフラと共に早く動け”は、ちょっとダサい信条だと考えている。それまでの”早く動け。そして、破壊しろ”のようなイキイキとしたアピール感はないからだ。しかし、これは、フェイスブックの新しい成長フェーズにおいて、会社にとっての防波堤のような役割を果たしている。なぜなら、君は、まだ生焼け状態の大胆なプロダクトリリースできる環境下にある。つまり、君は何かを破壊できるということだ。しかし、インフラを破壊してしまうと、究極的にはそれは君の動きをスローダウンさせてしまう。

そして、その新しいルールを心にとめておくおくことで、マークは、フェイスブックで、巨大な実験を続けることができる。どうやって、それが正確に機能するかって? 君は、フェイスブックについて、1つ知るべきことがある。フェイスブックは複数の顔をもつ。

ザッカーバーグ:フェイスブックは、1つのバージョンで動いてないんだよ。多分、10,000バージョンぐらいある。フェイスブックのあらゆるエンジニアは、何か新機能をテストする権限を持っている。センシティブなことに対しては、いくつかのルールはあるけれど、一般的に、エンジニアが、何か新機能をテストしたい場合、新しいバージョンのフェイスブックをインフラの上に作ることができる。それは、全ユーザー向けのフェイスブックではなくて、10,000とか50,000人向けのフェイスブックだ。それが何かよいことの実験であれば、エンジニアはこれを実行できる。そして、僕らが普段追っているメトリックス(KPI)にどのような変化が起きたか全て可視化される。どうな風にユーザーはコネクトするようになった? どんな風にシェアするようになった?このバージョンでは、ユーザーは友達はもっと増えたか?もちろん、収益性のメトリックスも追っているよ。どれぐらいのレベニュー改善があったか?などね。

このやり方は、それまでのいわゆるアンケート調査で、ユーザーの満足度を調査する手法をひっくり返すことができる。だって、エンジニアがこれをテストして、マネージャに結果を見せればいいからさ。”はい、これがこのテストの結果です。さらに進めたいと思いますが、どうですか?”と。いちいち組織内で、上司とこのアイデアはいいか悪いかの議論をやっているのはハッキリ言って無駄だ。スピードを阻害する。これなら、そんな議論の必要はない。もしやってみて、ダメだった場合は、その学びについて記録を残しておき全体に共有しておく。もし上手く行った場合は、それを現在のフェイスブックに反映させる。だから、全員が、自分の意思で常に改良を続けることができる。これが、新しい信条を元に僕らが作った新たなベースラインだ。

つづく。

マスター・オブ・スケール – フェイスブック創業者兼CEOマーク・ザッカーバーグのインタビュー#10

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