マスター・オブ・スケール – フェイスブックCOO シェリル・サンドバーグのインタビュー#11

ホフマン:この手の多様性を過大評価することはできない。君は、君のカオス状態に冷静さを与えてくれるか、もしくは君のそのスピード感にちょっとしたブレーキ役を買って出てくれる同僚を持った方が良い。非常に幸運だったのは、マークとシェリルがそのバランスをお互いに持っていたことだ。このお陰で、彼らは、フェイスブックの歴史上、もっとも油断ならないトランジッションに対処することができた。それは、急速な方向転換を組織として行うことだ。

シリコンバレーでは、これらのような回りくどい根回しを必要するような行為に対して、特別な名前を与えている。OODAループと呼ぶんだ。戦闘機乗りの専門用語だ。Orserve(観察する)、Orient(順応する)、Decide(意思決定する)、Act(行動する) の略だ。OODAループを高速に実行できる戦闘機乗りは勝ち、残りは死ぬ。例えば、映画「トップガン」を見れば、OODAがどうやって機能しているか、わかるはずだ。

トム・クルーズ役のマーヴェリックは、2機の敵機が自分の後尾についていることを確認した。そして、それを確認した直後、彼は敵のフォーメーションの自分を順応させた。そして、彼は、機体を一気に急速降下や急速上昇をさせ、相手を狼狽させた。別に、僕は、取締役同士が、お互いに秘密裏に攻撃し合うということを言ってるんじゃない。彼らはあえて、ちょっとクレイジーに振る舞うようにし、このOODAを高速にやる。これをなんども繰り返す。

君は、OODAに関して、よくこう質問を聞くはずだ:OODAって個人の話、それとも組織の話? 答えは両方。なぜなら、戦闘ではスピードが大事。そして、テック業界は、ものすごいスピードで動いている。2012年のフェイスブックは、あらゆる面で、OODAのループを実行する必要があった。なぜなら、ユーザーは、デスクトップPCからスマホへとシフトしていたからだ。シェリルとマークは、厳しい意思決定を迫れられた。

サンドバーグ:私たちのプロダクトは、デスクトップ向けにデザインされていた。そして、ユーザーのスマホシフトが起きていることも気づいていた。そして、そのシフトは私たちが思っているよりも早かったのよ。予想外だったわ。だから、マークは、会社の全体会議を開いて、会社の方向性をリセットして、自分たちが新たな正しいルートに乗っているかを確かめるようにした。

その会社の全体会議で、マークはこういった:”僕らは、モバイルファーストの会社になる”と。彼は見事なスピーチをした。しかし、翌日何が起きたと思う?開発ミーティングで、デスクトップのスクリーンショットの画面を持ち込んできたのよ。それは、そのほうが慣れていたから。そこで、マークは、こう言った:”わかると思うが、君たちがモバイル用の画面を用意するまでミーティングは一切なしだ”と。そのシフトを起こすことで、会社全体をシフトさせて行った。私たちは、強制的に変わっていったのよ。みんな一丸となって頑張った。しかし、かなりの数のエンジニアを再トレーニングする必要があった。

ホフマン:この規模のシフトをやると、大半、取締役や株主はソワソワしだす。マークは、その不安を共有した。しかし、彼の中では、そのシフトによって取るリスクは、新しいスマホ市場に向けての取り組みとしては、まだ工程の半分に過ぎないと考えていた。

ザッカーバーグ:僕らは、ある一つの重要な戦略的な意思決定をしなければならなかった。それは、だいたい新しいプラットフォームに乗り換えるためには、二年ぐらいかけて様々なプログラムを書き直さないといけないのだけど、同時に、各機能開発のスピードを落とすわけには行かない。だから、同時にこれをやっていく必要がある。既存のプロダクトのプログラムに修正をかけながら、新しいプロダクトのデザインも進める。

正直、生きるか死ぬかに近い意思決定の世界だった。だから、かなりきつい判断をしなければならなかったけど、2年間は新機能開発を断念するのが現実的だった。それは、フェイスブックのカルチャーを考えるとかなりおかしなことだった。

つづく。

マスター・オブ・スケール – フェイスブックCOO シェリル・サンドバーグのインタビュー#12

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