マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#3

シュミット:僕の友達がこう言ったんだ。”君には、気晴らしが必要だよ。飛行機を飛ばしている最中では、他のことは何も考えられないだろ?”と。これは今までで最高のアドバイスだった。結果的に、僕の人生の大きな変化をもたらした。この言葉の意味を考えたときに、ハッと気付かされたのは、飛行機を飛ばす世界では、君は、迅速な意思決定を下すことを繰り返すことを教わる。”ここでどうする?ここではどうする?じゃあ、ここでは?”みたいにね。何か意思決定を下して、その結果を受け入れることは悪いことではない。この原則には、Novell社で、あのかなり大変な時期を過ごす中では、僕は、かなり助けられた。

だから、僕は、飛行機を飛ばす世界観を会社を経営する世界にももちこんだ。本当に機能するのか確認したんだ。しっかり定義されたシステムの環境下であれば、そこには、きちんとしたロジックと、それによる美しさがあるはずだと。

ホフマン:ここで2つのことに注目して欲しい。一つ目は、エリックの会社というものに対する捉え方だ。

シュミット:しっかり定義されたシステムの環境下であれば、そこには、きちんとしたロジックと、それによる美しさがある。

ホフマン:彼は、会社を一つのシステムとして捉えている。もう一つは、飛行機を飛ばすことから彼が学んだ意思決定のノウハウだ。

シュミット:飛行機を飛ばす世界では、君は、迅速な意思決定を下すことを繰り返すことを教わる。”ここでどうする?ここではどうする?じゃあ、ここでは?”みたいにね。何か意思決定を下して、その結果を受け入れることは悪いことではない。

ホフマン:この二つの習慣は、エリックにはとてもよくハマっていて、Googleのカオス的なシステムにもハマった。そして、ある運命の電話がかかってきた。

シュミット:友人のジョン・ドーア(GoogleにSeriesAで投資したVCであるKPCBのパートナー)から電話がかかってきて、”こっちにきて、Googleの話をしてくれないか?” と。それで、僕はこう答えたんだ。”ああ、単なる検索エンジンの会社じゃないか”。そして、彼は、”楽しめると思うよ”と。僕はこう返した。”ハハッ、たぶん、ないかな” と。けど、興味はあるから、行って確かめて見ようと思った。オフィスに行って、ラリーとセルゲイ(Googleの共同創業者の二人)がいたんだ。

シュミット:若い二人だった。彼らは、僕の経歴を全部壁に張り出していて、テーブルの上には食べ物があった。”うーん、これはかなり妙だぞ”と思った。そして、彼らは、1時間半かけて僕のNovellでの仕事についてねほりはほり聞いてきた。それが終わったら、今度は逆に、Googleの検索エンジンについて、辛辣なフィードバックを浴びせた。そして、その日、彼らのオフィスを離れた後、ここ数年、あんないい会話をもてたことは一度もなかったことに気づいたんだ。そして、そのときが、僕が、Googleという会社が、特別な会社であることを知ったときだった。

ホフマン:ひょっとすると、君は、”辛辣なフィードバックを浴びせた”を、”いい会話”とエリックが表現したことが奇妙に聞こえたかもしれない。しかし、僕は、エリックのリアクションには全く驚かない。なぜなら、CEOである君にチャレンジしてくる意思のあるチームを作ることは容易ではないからだ。そういう気骨のある、自由な考え方をできるチームが、CEOをトップレベルへと押し上げていくんだ。

全てのCEOが、この主の不服従を奨励するわけじゃない。しかし、もっとも革新的なリーダーはこれを歓迎する。マーガレット・ハッフェマンが、これにインサイトをくれるだろう。マーガレットは、5つのテックカンパニーのCEOだった人物で、TED Talkで、”不合意を歓迎する”というプレゼンをした人物でもある。だから、彼女であれば、エリックのリアクションについては意見があると思う。

つづく。

マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#4

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