マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#4


マーガレット・ヘッファーナン:どんなCEOも議論を歓迎すべき。だから、シュミットの反応には驚かないわ。なぜなら、「力」における最大の問題の一つは、あなたが力のあるポジションにいるがゆえ、だれもあなたに議論しなくなくなってしまうことよ。

そうなると、みんなあなたの考えを推測しようとし始める。そして、彼らは、”あなたは、私に何を言いたいのですか?”というスタンスになってしまう。すると、あなたにとって、その会話は全く無意味なものになる。なぜなら、それは、頭にただ自分の頭の思考の中に閉じこもるだけで、なんの思考の発展も得られないから。

ホフマン:君には権力には歯向かえる能力が必要だ。しかし、そこには、上手に不合意するためノウハウがある。高速かつ高いIQ同士の会話には、”Point/CounterPoint”のリズムがある。それが、そのような知的空間の中を高速に動くかのポイントだ。例えば、僕がこう言ったら君はこう答える”ええっと、君が話していた内容のこの点は、的確だとは思わないかな。ここにもっといいアイデアがあるよ”というリズミカルな会話をする必要がある。

何人かの人は、自然と、このような会話をすることができる。残りの人は、練習が必要だ。技術系の人は、この会話法についてはトレーニングが必要になることが多い。例えば、”君は間違っているよ。”とか”そのアイデアは、今まで聞いたアイデアの中で一番ひどいな”とか、そういう返しはしてはいけない。むしろ、こう返すべきだ。”なるほど、興味深いね。ただ、この点でクリアしなければならないハードルがあるんじゃないか?”と。こういう会話ができれば、どちらのアイデアが正しいかどうかなど非生産的な会話に陥ることなく、そのアイデアに焦点を絞って会話ができる。すると、そのアイデアがよくなっていく。

エリックは、取締役の殻を抜いでだれとでも自由に会話することによって、彼は、会社全体が様々なアイデアについて議論していける仕組みを見つけたんだ。

シュミット:公平な意見としては、多くの起業家は、創業者のイメージをスタンフォー大学の大学院で見たイメージで考えていることが多いと思うんだ。例えば、オフィスの中を見て、一体、何人がスタンフォードの大学院の出身者かということ。もちろん、オフィスの中は常に混んでいて、服装もカジュアル。もちろん、食べ物はタダで、毎晩、仕事終わりに飲み歩いている。こういう大学院生のカルチャーは、その意思決定を会社内に浸透させるのに適しているんだ。だから、その食べ物やその福利厚生パックは、要するに、会社の意思決定を全員に浸透させるための創業者の配慮なんだよ。

ホフマン:そのような創造的な雰囲気を作りつつも、彼の仕事はとてもシンプルだ。彼は、社員に、その議論で得たアイデアを実際に形にして行こうと動き出すためにわずかに背中を押す作業しなければならないということ。

シュミット:まず、スタッフミーティングに出て、僕がはじめにやることは、そのスタッフミーティンが長い場合、彼らは大学院にいるかのような感じになる。”これについてはどう思う?”とか”あれについてはどう思う?”とか。しかし、ビジネスの観点から抜け落ちているからね、あまり会話として意味がない。そして、その種のことは、簡単に修正ができるよ。

つづく。

マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#5

関連記事