マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#5


ホフマン:若くて賢い集団に囲まれている世界にいるなら、君は、おもしろいアイデアを必死になってプッシュする必要はない。彼らは、会話からすぐ脱線するし、反論してくるし、話の展開自体を予想だにしない方向に持っていく。しかし、全てのマネージャが、このようなカオスの世界に慣れているわけじゃない。このようなカオスの世界におけるリーダーシップとしては、自分自身が最高のアイデアを持っているわけじゃないということに対して、自分のことを全く卑下しないような感覚と、イノベーションを予定したスケジュールで起こすことな到底不可能であるという不確実性、この二つを賞賛することが求められる。

だから、もし君が、マイクロマネジメント派のリーダーだと、カオスを管理することはまず無理だろう。もし、君が、自分自身をジェイミー・レオンハートの、「By the way」の歌詞に重ね合わせることができるなら、君は、おそらくなマイクロマネジメント派ではない。マイクロマネジメント派にとって、一番きついは、チームメンバーが、君に、完全に無謀なアイデアを持ち込んで来たときだ。

そして、それが実際に、エリックが、彼のチームから検索エンジンの広告事業の価格設定について、かなり過激なアイデアを持ち込んで来たときに、考えたことだ。これから話すことは、君にとってはかなりクレイジーな話に聞こえるかもしれない。そのアイデアとは、検索広告にオークションシステムを採用して、入札者が他の入札者の価格を見れないようにするというアイデアだった。もちろん、最高入札価格の人が勝利するが、実際に支払う必要があるのは、2番手の価格でOKとする。これは効果的だった。なぜなら、これによって入札者は、そのキーワードの価値を自分たちにとっての市場価値を踏まえて入札するため、最高の入札価格を入札者から引き出すことができるからだ。そして、これに関しては、多くの論文で、収益によいインパクトを与えることが確認されている。しかし、これを実際に実行に移している会社は稀だ。

シュミット:僕は、このアイデアを聞いたとき、実行すれば間違いなく会社を倒産させるだろうと考えた。そして、もし、これを実行に移すなら、僕は、会社の財務の切り詰めを実行しないといけないと考えた。例えば、会社で何か新しく購入した場合、ボールペンでも、コンピュータでも何であれ、毎週金曜10時に僕のオフィスにきて、僕を説得しないとダメというルールにすると。

ホフマン:聞いただろ。彼は、このアイデアが、悪いアイデアと考えただけでなく、会社を倒産させるレベルのアイデアだと考えたんだ。だから、全ての購買許可をCEOである自分に取りに来いというルールにしたんだ。

シュミット:そして、そのアイデアを実行に移すときになって、誰もそんなアイデアをやってことがなかったから、その収益性を分析するツールもなかった。そして、1週間の間、完全にがっけプチ寸前のモードが続いた。毎日16時に集まって、どのような手を打つべきか考えるミーティングをやっていたんだ。そして、その週の終わりには、予想していた以上の収益が上がっていることが分かって、そこからGoogleは立ち上がっていったんだよ。

もちろん、このチームの実績は奇跡と呼べるものだったけど、この検索広告のビジネスは、僕らが考えていたよりはるかに大きな市場ポテンシャルがあった。

つづく。

マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#6

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