マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#10

シュミット:そして、その週の終わりに、彼は、ロンドンのヘッドを雇い、パリとハンブルグのヘッドも候補者も特定していた。とても生産的な週だったよ。

オミッド・コルデスタニ:僕にとって、会社をこうやって、世界に飛び立てるように羽をつけるような仕事がとても楽しかった。

シュミット:今日、ヨーロッパ市場は、何兆円も稼ぐGoogleの収益のうち50%から60%を占めている。考えてみてくれ。もし、1年、出遅れていたら、この数字はもっと小さいものになっただろう。だから、グローバルの収益体制を迅速に作り上げることは、事業をスケールさせる上でカギの一つだ。後付けになるが、もしまたもう1回これをするなら、今度は更に早くやるだろうね。

ホフマン:いつスケールさせるかを知るということは、おそらく、マネジメントが下せる唯一絶対的な価値のある意思決定だ。エリックは、スケールするタイミングがき次第、すぐに動けるように周到に準備しておくための訓練を積んできていた。僕は、起業家に、Googleのこのやり方を盲目的にコピーして実践しろとは絶対にアドバイスしない。”いいかい、君たちは、無料の食事付きで、20%分の自由な仕事ができて、CEOのオフィスに自由に出入りができる。じゃあ、今からイノベーションを起こしてくれ”なんて、言っても全然上手く行くわけがない。これは、カオスを管理することのレシピじゃないんだ。

エリックが言ったように、君は、自分の組織を、あるロジックと、その美しさによって運営されている複雑なシステムとして捉えなければならない。君は、自分のチームメンバーが、一つのネトワークのように動いていることを理解しなければならない。そして、君は、ただ、20%ルールのような遊び心のある仕組みを入れることで、このネットワークを作り上げることはできない。第1に君は、まず、このアイデアを交換し合い、そして、一緒にその挑戦に取り組めるような能力を持った人材を採用しなければならない。つまるところ、そのようなカオスの環境でこそ、能力を発揮するような人材を雇わないと、カオスを効果的にマネジメントすることはできないんだ。多くの人々が、カオスについてどうのように感じるものなのか、きちんと理解しておくべきだ。それが、Googleの成功のもう一つの秘訣につながってくる。彼らは、毎年、組織が4倍に大きくなっている。そして、常に採用方針は、”Smart Creative”な奴を雇うことを方針にしている。

シュミット:会社は、急激に大きくなった。そこで、僕は、ラリーとセルゲイに、”Glue People”と呼んでいる問題に対処していこうと提案した。Glue Peopleとは、接着剤人材、つまり、チーム同士や部門同士の間に立って動くとてもいい人々だが、正直、ほとんど成果は出す能力がない。だから、僕は彼らはとてもいい人だが、必要ないと考えている。

この話をすると、ラリーは、僕を見ながら、”君が全ての採用に関われば、僕らはこの問題を解決できると思うけど”と。僕は、”僕らが全ての採用プロセスに入ることはできないよ。”すると、彼は、”大丈夫。できる”と、会社は、特定の産業での採用アルゴリズムを発明してきた。その多くは、元同僚の中からインタビューして、積極採用するものが含まれていて、そのような紹介依頼もした。究極的には、その人がおもしろいかどうかを判断することに時間をかけている。たとえば、ロケットサイエンティストは面白いから、ロケットサイエンティストを雇いたいとか、セールスなら、オリンピック選手や、スーパーボールの勝者、もしきはサッカー選手を雇いたい。なぜなら、彼らが持っている自分に対する規律はとても素晴らしいものがあるからだ。

つづく。

マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#11

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