マスター・オブ・スケール – Google前CEO エリック・シュミットのインタビュー#11

ホフマン:僕は、ここで、一つ認識したいのは、大半の会社は、ロケットサイエンティストや、オリンピック選手、スーパーボール勝者を雇うという選択肢は考えないということだ。しかし、エリックは、このようなヒマラヤ山脈に登るようなゴールを設定することができない会社に実践的なアドバイスを与えている。

シュミット:今日、僕は、これが多くの研究によっても確認されていることとして提案するが、「粘り強さ」こそが未来の成功における唯一最大の要因と考えていい。だから、僕らは常に粘り強さを求めるんだ。2番目は、好奇心だ。何に興味を持つか?ナレッジが中心の役割を果たす経済では、忍耐強さと好奇心のコンビネーションこそが、社員の成功に一番直結するんだ。

ホフマン:もし君が、Googleのこのようなイノベーションに対するやり方を隅々までコピーしたとしよう。Smart Creativeタイプの人を雇い、実験を奨励するカルチャーを育て、そして、君に、最高のアイデアを遅延なくスケールさせることを可能にする意思決定のフレームワークを用意する。しかし、このようなステップは、結局、そこにいる人々が、取締役レベルから末端社員に至るまで、情報を共有するという行為を積極的にやらない限り、その中から革新的なアイデアが生まれるということはない。これは、別に組織に限った話ではない。

君のユーザーあh、君や君のスタッフを驚かせることができる。エリックの考えは、イノベーションを生み出すプロセスの核心部と言える。Google Earthのリリースに始まって、牛の脳内の研究まで、全てだ。この点についてエリックに話をしてもらおう。

シュミット:牛の一番興味深い点は、彼らは、自分たちを北か南のどちらかを必ず向くようにしているんだ。脳内にある磁場の共振を使ってそれを判断している。どうやってこれを発見したかわかるかい?Google Mapだよ。

ホフマン:そう、Google Mapが、研究者に世界の牛の群の振る舞いについて俯瞰的なビューを初めて提供したからだ。GoogleMapが、牛の群から群を観察する中で、同じ興味深いフォーメーションを見つけたんだ。鼻から尻尾まで、綺麗に北から南へと揃ってむいている。だから、君が、君の組織の好奇心の向かう先をコントロールしようとするなら、自分にこう訪ねて見るといい。”君は、自分が何を発見するか本当に予想がついているの?”と。この”牛の脳”ような発見のシナリオを想定できるの? できていないなら、ショックを受けるだろうね。

シュミット:人の振る舞いを学ぶこと、どうやって人が実際に生きて、仕事をしているかを知ることは、常にショッキングなことが多い。人々は、君や僕が考えている以上に多様なんだよ。でも、多くの人はそれを知りもしないし、注意する払わない。

ホフマン:レイド・ホフマンでした。ご視聴ありがとうございました。

僕の所感:常に、お金と時間がないスタートアップの環境の中で、「カオスをマネジメントする」というこのエリックの感覚はすごいと思います。ホフマンがいうように、Googleに来るのキャリアで、すでに身につけていなければ、まず実行に移すことは不可能だったと思います。社員に、できる限り自由度を与えることで、本人たちにオーナーシップが生まれ、そして、それぞれが生み出す、可能性のあるアイデアが、組織内で議論されていく中で、磨かれ、本当にスケールするアイデアが生まれる。

そして、そのアイデアを実装したのち、実際に事業性を持っていることがわかり次第、一気にスケールアップに動く。このようなリーダシップを取れるエリック・シュミットは、本当に起業家にとっては貴重な人材だと思います。なぜなら、起業家の多くは、必ず優秀な経営者になれるわけではないからです。初めのアイデアは自分で考えます。しかし、ずっと考えて続けるのは実質的に難しい。なぜなら、組織が大きくなっていくので、アイデアを考える以外のことにも時間を割かなければならないからですね。そこを踏まえた上で、組織の中からアイデアが生まれ育つ仕組みをラリーに変わって、区作り上げたのがエリックだったわけです。そして、実際にそれがGoogleのオークション型の検索エンジン広告を生み出し、窮地にあったGoogleを救い、さらに、世界最大の検索エンジンの会社へと成長していくキッカケを生み出す。

だからこそ、エリックが言ったように、組織の中からも、起業家が考えるぐらいに匹敵する優れたアイデアを生まれる土壌を作り上げておくことは、その会社が短期間で成長する上でとても重要なことと言うことですね。

僕も、Orbで多国籍チームを作った背景の一つは、遠慮なく意見を言う組織を生み出すためでした。日本人だと上司や周りの人を気にして、発言を控える人が多い。しかし、アメリカ人やインド人、中国人は全くそんなことは気にしません。そう言う人がチームにいることで、日本人も刺激を受けて発言するようになる。こうなることで、自分の意見やアイデアを自由に交換しあえるカルチャーが生まれ、ここからイノベーションの種が生まれていくわけですね。

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