Libra BFTコンセンサス・アルゴリズムの解説 #1

Libra BFTのアルゴリズムについて興味が湧いたので、彼らのテクニカルペーパーを翻訳することにしました。ただ、詳細設計の部分については、割愛し、割と技術リテラシーのない方でもわかるように、概念の部分を中心に翻訳しています。参考にしてください。

原文はこちらです。


 

リブラ・ブロックチェーンにおけるステートマシン・レプリケーションについて

要約:このレポートでは、Libraブロックチェーンのためにデザインされた強力かつ効率的なステートマシン・レプリケーションシステムであるLibra BFTについて、説明します。Libra BFTは、HotStuffという、近年開発されたBFTプロトコルで、過去数十年のBFTアルゴリズムの功績を活かして、非常に高いスケーラビリティとセキュリティ水準を実現しています。LibraBFTは、このHutStuffを更に改良し、システムの永続性と詳細なネットワーク遅延耐性を備えています。このLibra BFTをLibraブロックチェーンと結合するための手法について、具体的な説明を行なっています。これらの説明は、ネットワーク参加者間のステートレプリケーションのインターフェースに仕様と、データ転送やステートの同期をするためのコミュニケーション・フレームワークについて、明らかにしています。最終的には、Libra BFTのコンセンサスに参加するノードの中で、何か悪意的な振る舞いを検知した際の、報酬とペナルティのメカニズムについても理解を得られるように話をします。

1.イントロダクション

インターネットとモバイル・ブロードバンドの普及は、世界の何十億もの人をつなげ、知識、無料のコミュニケーション、そして、様々な低コスト、かつ利便性の高いサービスに簡単にアクセスできるようにしました。このような環境は、より多くの人を金融サービスにアクセスできるようにしつつあります。しかし、このような進展がありつつも、金融サービスについては、より必要としている人々がまだ十分にアクセスできるものになっていないのが現状です。

ブロックチェーンと暗号通貨は、近年のコンピューターサイエンス、暗号学、そして経済学の発展によって、金融のインフラに、新たなイノベーションを創造できる可能性を持ちつつ、まだ、一般人への普及には到達していない。このマス・アダプションというゴールを実現するためのネクストステップとして、私たちは、何十億という人々を支援するため、単一のグローバル通貨とそして金融インフラを作るというミッションと共にリブラ・ブロックチェーンをデザインしました。

この新しいブロックチェーンの中核にあるのは、LibraBFTであり、このレポートでは、このアルゴリズムがどのようにブロックチェーンのトランザクションが秩序づけられ、ファイナライズされるかについてまとめているものです。LibraBFTは、このコンセンサスプロトコルに参加する一定規模のバリデーター間で、信用を非中央集権化することを目指しています。LibraBFTは、たとえ、一部のネットワーク参加者が、ビザンチン将軍(裏切り者)だったとしても、正直なバリデーター間でのトランザクションヒストリーのコンセンサスを保証し、セキュリティを確保します。

伝統的なBFTへの取り組みを称賛しつつ、LibraBFTは、分散コンピューティングにおける信頼ができ、かつ強固な基盤を作ります。更に、LibraBFT自体がインスピリレーションを得ているよう、科学コミュニティが過去着実に進展してきているように、我々も、このコンセンサスのテクノロジーが更に拡張性を獲得し、インターネットの基礎としてより強力なものにしていけるよう貢献していきます。

初期段階では、バリデーターとして参加するノードは、地理的に分散し、かつ、Libra協会が定めた客観的な選定基準にしたがい、Libraのエコシステムの発展に寄与し、かつ、インセンティブを得られる選ばれたメンバーだけに限定されます。しかし、時間と共に、そのメンバーシップは、よりオープンで、Libraを保有する組織体であれば参加できるものへとシフトしていく。

LibraBFTコンセンサスは、最新のコンセンサスアルゴリズムであるHotStuffに基づいており、これがBFTコンセンサスとブロックチェーンを結びつけている。この選択は、優れたエクスパートのナレッジとそして様々な代替案を踏まえた上で、LibraBFTが、信用の世界を非中央集権化する上で、重要な以下の要素を満たすと判断し、選択した:

• 安全性:LibraBFTは、仮に1/3のノードが悪意的nなったとしても、残り2/3以上のノードがが正常に活動し、コンシステンシーを維持する。

• 非同時性:コンシステンシーは、ネットワークの非同時性(例:ネットワークコミュニケーションの遅延や破壊)がある場合でも保証される。これは、私たちの信念が、DoS攻撃に対する耐性を持ったインターネット上で拡張性のあるコンセンサスプロトコルを構築することにあるからです。

• ファイナリティ:LibraBFTは、ファイナリティを追求する。であるから、トランザクションは不可逆にコミットされる。これにより、エンドユーザーのトランザクションデータを的確にコミットする仕組みを提供します。

•直線性と反応性:LibraBFTは、現時点では、HotStuffが同時に実現できていない二つの要素を実現することを目指しています。それは、直線性と反応性です。この二つの技術的コンセプトは、部分的なデータ同期に対するリーダー選定のキーアプローチの一つです。非公式には、直線性は、たとえリーダーがローテーションされているときでも、トランザクションのコミットを行う際に、直線的なコミュニケーション(これがもっとも最適である)を引き起こすことを保証します。そして、反応性は、バリデーターからの投票を収集次第、リーダーが、一切の遅延なくコンセンサスをとることを言っています。

• 単純性とモジュール方式:LibraBFTの中核ロジックは、単純かつ強力なインプリメンテーションを可能にしつつ、ナカモト・コンセンサスに基づくパブリックブロックチェーンと並行稼働することができます。特に、このプロトコルは、シングルコミュニケーションモデルによって構築され、的確なセキュリティ環境が提供可能です。

• サステイナビリティ:現在のパブリックブロックチェーンは、コンピューティングパワーに信頼が依存しているため、大規模な電力をその維持に必要とし、かつ、中央集権化を招く恐れがあるが、LibraBFTは、PoSベースでデザインされており、そのステイクは、実際にお金を投資するパートナーが保持する。また、LibraBFTは、善意的な行為に対しては報酬を与えるし、悪意的な行為は罰する。であるから、LibraBFTのコンセンサスに必要なコンピューティングリソースは、暗号的著名、すなわちスタンダードなコンセプトのものに基づく。

つづく。

Libra BFTコンセンサス・アルゴリズムの解説 #2

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