Brave Browser (ブレイブ・ブラウザ) – BATトークン – ホワイトペーパーの翻訳 #6

3. 新たなモデル: アテンションをベースにしたブロックチェーンにおける新しい経済モデル

現状の中間業者の氾濫や、パブリッシャーとユーザーへの配慮の欠如を踏まえると、既存のオンライン広告エコシステムのシンプル化は、不可欠と言える。

結局、現在のトレンドは、Googleやフェイスブックのようなゲートキーパー企業が、ほぼ市場全体のマーケティング予算をコントロールしている、いわば寡占状態で、パブリッシャーが自分達の収益をコントロールする力を失っている状態である。同時に、ユーザーが、個人情報を使った広告に対してブロックする対抗策を積極的に講じている状況は、間違いなくオンライン広告市場をシュリンクさせていくだろう。

現実はこうだ:広告モデルにおける、ユーザーからのアテンションには価値がある。しかし、それは、あくまで効率的かつ透明性の高いマーケットシステムの中で、ある広告に対して的確な値付けがなされた場合においてのみ価値がある。よくある決まり文句として、「インターネット上には、大量の情報が作られている」という話がある一方で、人間は、その内の情報の一部しか反応できないのであると。つまるところ、現代社会における情報は、相対的に安くなっているということである。

人が、ある情報に対して注意を払うのは、その量に依存するものではない。1971年に、ハーバート・シモンが残した絶大な影響力を持った記事によれば、”情報が豊富に流通している世界においては、情報の豊かさとは、何かに対する欠乏感なのである。つまり、何かに欠乏を感じれば、人はその欠乏を埋めるためにその情報を消費する。どのような情報が消費されるかは、明らかだ。つまり、その情報の受け取り手のアテンションを消費するのである。故に、情報が豊かな環境は、アテンションの不足を生み出し、大量に打ち捨てられた情報の中から、効率的にそのアテンションを分散させるニーズをも作り出すのだ。”

究極的には言えることは、つまり、パブリッシャーは、ユーザーに価値のある情報を提供し、ユーザーは、そのパブリッシャーに対してお返ししてアテンションを提供するということだ。

しかしながら、現在においては、パブリッシャーは、その実に複雑な中間プレイヤー網が介在する広告ネットワークと関連ツールによって、そのアテンションの収益化をしている重要なことは、パブリッシャーはそのユーザーから得たアテンションに対して、直接報酬を受け取っていないことである。パブリッシャーは、現時点では、ユーザーが広告に対して払ったアテンションを間接的に計測され支払いを受けている状態なのだ。紙面広告の世界では、直接的なモデルが機能しているが、オンライン広告の世界では上に述べた通り、非常に問題が山積みしている。ユーザーは、現在の広告エコシステムの中では、常にネガティブな外部要因にさらされているのである。

ユーザーは、いわば、環境汚染ならぬ、”電子汚染”にさらされているのである。すなわち、セキュリティの危険性やプライバシーの新開、そして、広告コンテンツのダウンロードのために支払う追加の時間とパケット代、更には、多くの広告に対して発生しがちな彼らのアテンションに対する過剰はコストなどである。人間のアテンションというのは、ドーパミンが一定レベルまで回復するまでは、疲労困憊して稼働しなくなってしまうのである。脳細胞が、自然と広告を無視することを学習してしまうのである。

ユーザーアテンションの濫用は、ユーザーの広告を無視する能力を高め、広告ブロッカーの普及を促し、最終的に、ユーザーからの貴重なアテンションが、石油や豚肉のような生活必需品の世界とは全く遠く離れたものへと変貌していってしまうだろう。多くのユーザーは、パブリッシャーの情報に対して支払いをする意思があるかもしれないが、ユーザーのアテンションは、既存の広告エコシステムにさらされ、ますます増大しているネガティブな外部要因によって、的確な値付けをすること自体が難しくなるだろう。

つづく。

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