なぜ、僕がBrave BrowserのBATトークンに投資するか? #2

Braveの解決アプローチの概要

オープンソースかつユーザーのプラバシー保護にフォーカスしたウェブブラウザであるBrave Browserをユーザーに提供します。そして、裏には同じくBrave社が開発したアド・エクスチェンジシステムが稼働しており、オンライン広告が配信されますが、既存の広告システムと異なり、ターゲティング用のユーザーの個人データは、全てダウンロードしたアプリ内に保管されているため、個人情報が一切外部に漏れることができない仕組みになっています。

その上で、ユーザーは、そのオンライン広告を閲覧すると、広告費の一部をBATトークンで受け取ることができます。残りの収益は、広告が配信されたいたウェブサイト(パブリッシャー)と、Brave社に入ります。パブリッシャーへの広告収益の配分は、BraveBrowserを使うことで、ユーザーのサイト別の閲覧時間を計測することができるため、その時間比率に応じて分配率が最適化されます。

また、ユーザーは、その手に入れたBATトークンを、自分が好きなサイトに自由に寄付する事もできますし、引き出して、仮想通貨取引所で他の仮想通貨やステーブルコインに変えることができます。

月間のアクティブユーザー数は、2019年1月時点の発表で、550万との報告です。詳しくはこちら(英語)

ここから、その詳細の説明をします。

テクノロジー評価

ウェブブラウザ

Brave Browserの品質とデザインは、さすが元FireFoxのチームが開発しただけあって、さすがと呼べる水準です。いくつかのサイトで試したのですが行動トラッキングや分析に使われるサードパーティクッキーの排除はほぼ完璧ですね。JavaScriptによる表示が多いウェブサイトでは広告以外で、エラーが表示される事も多いですが、ここは今後の改善対象でしょう。シンプルに評価して、ユーザーは、Braveを使えば、アドブロックソフトのインストールも不要なので、重宝すると思います。

広告テクノロジー

マーケティング理論における消費者の態度変容を表したAIDAで言う、Aにフォーカスする広告ソリューションから参入しています。BAT(Basic Attention Token)のAは、そこからきています。

From Wikipedia – AIDA(アイドマ)とは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。

  • A (Attention) : 注意 – ある商品やサービスを認知する
  • I(Interest):関心 – その商品やサービスに対する興味を持ち、理解を深める
  • D(Demand):欲求 – その商品やサービスに対する消費欲求を持つ
  • A(Action):行動 – 実際にその商品やサービスを購入・消費する

広告ソリューションの世界では、Aの領域で打つ基本的な施策は、ブランディング広告ですね。TVCMなどと同じものです。検索広告は、AIDAで言う、IやDの領域まで踏み込んだ広告であり、アフィリエイト広告はA(行動)まで踏み込んだ広告です。もちろん、ブランディング広告であっても、そのときのユーザーにとっての商品やサービスへの関心レベルが、Dレベルまできていれば、その広告がきっかけでA(行動)まで到達することがあります。ただ、どんな製品やサービスでも、1ユーザーあたりの獲得コストのターゲットが決まっているので、その範囲で広告予算の配分を受ける事もなります。

もう一つの強みは、Brave Browserのアプリ内で、広告のパーソナライズの計算をするということ。これ自体、他のウェブブラウザアプリはまだやっていないので、差別化になると思います。特に、Googleのウェブブラウザであり、現時点で、ブラウザ市場の世界最大シェアを持つChromeが、このターゲティングモデルを採用すると、自分たが過去作り上げてきたのDoubleClickのアド・エクスチェンジ・システム(AdExと呼ぶ)の大半を否定することになるので、イノベーションのジレンマが発生します。なので、すぐにBraveのやり方を真似ることはないでしょう。

下記の図が、その概念図ですね。BraveのAdExの肝となります。

また、その上で、これもブラウザアプリだからこそ実現できる事ですが、「閲覧時間」で広告効果を測定することができる点です。例えば、フェイスブックやアマゾンなどウェブサイト側はこの判断は技術的に不可能です。しかし、ウェブブラウザアプリであれば、どのウィンドウやタブがアクティブかは、アプリ側で認識することができます。ですから、そのページを開いているかわかるのです。正確な閲覧履歴と時間をとることができます。一般的には、広告のランディングページは、閲覧時間が長いほど、先ほどのAIDAでいうところのよりA(行動)に近づいて行くので、閲覧時間がない広告ほど広告効果が高いと主張できます。その点からも、広告主にとって価値のある広告ソリューションが提供できるということです。

ただ、同時に、このモデルが強みでありつつも、アプリ内でターゲティングの計算をする場合に、今のAdExのようなリアルタイムにオークションを行うモデルを適用するのは、まだ技術的に難しいです。スマホのマシンスペックでは大した計算もできません。

ですから、一旦は、既存の広告ソリューションの中では、先に挙げた、最もターゲティング性を求めないブランド広告市場のAdExとしてのポジショニングになると見ています。

最後に、もう一つ。広告のリベニューシェアメカニズムを根本的に作り変えることで、とても優れたマルウェア対策を実現しています。以下は、Brave Ad Exchangeのシステムフローの概要です。簡単いえば、広告主が、広告予算分のBATを購入し、そして広告クリエイティブなどを登録して広告をBraveBrowserに登録されている認証済みのパブリッシャーに配信します。ユーザーは、広告を閲覧します。そして、この閲覧時間に応じてBATが報酬としてユーザー側にも入り、残りは、Brave社側への手数料と、パブリッシャー側への収益になります。とてもシンプルです。

そして、ここからがポイントなのですが、ユーザーは受け取ったBATを自分の好きなパブリッシャーにチップとして送ることができます。現金化はできません。ここが重要なのですが、この収益分配モデルの中にはマルウェアが入りこむ余地が全くなくなるのですね。なぜなら、これは実際の人間しか行えない行動だからです。ロボットではできないのです。この仕組みによって、広告主は、確実に人間に広告を配信することができるようになるので、先ほどの問題定義にあったマルウェアの影響で広告主が無駄な広告費を使わされているリスクが減るのです。以上に優れた仕組みと言えます。

Torrentファイルシステム

また、注目点の一つが、BitTorrentなどに使われている。WebTorrentのテクノロジーをサポートしている点です。ウェブブラウザのOperaも同様にサポートしているのですが、僕が注目している背景は、BATトークンと連携したBitTorrentSpeedに近い運用モデルです。

特に、ウェブブラウザの強みは、そもそもユーザーが頻繁に使うウェブサイトのデータをキャッシュ(一時記憶)する機能がすでに入っていることです。このキャッシュデータ自体をTorrentファイルとして活用すれば、BitTorrentと近いことができます。

つまり、ユーザーは、TorrentのファイルのP2P転送に協力すれば、BATトークンをもらえる仕組みがすぐに実装できるということです。

BitTorrentSpeedについてはこちらにまとめています。

BitTorrent Speedは、新興国のインターネット環境の救世主になるかもしれない #1

僕は、この広告モデルと組み合わせたBitTorrentSpeedのようなBATトークンの活用方法は、可能性を感じています。新興国の劣悪なネット環境で、閲覧した広告からBATトークンをもらい、そのBATを使って、BitTorrentのように他のユーザーのネットワークリソースをBATで購入して動画視聴などができるからです。

次に、トークンエコノミーの分析についてお話します。

また、BraveBrowserはこちらからダウンロードできます。日本語対応済みなのですぐに使い始める事ができます。ぜひ、一度、使ってみてください。

つづく。

なぜ、僕がBrave BrowserのBATトークンに投資するか? #3

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