大半のBaaSの時価総額は過大評価され過ぎていると考えている。なぜか? #1

さて、ブロックチェーン市場で、とてもプレイヤーの多いカテゴリの一つBaaSについての僕の評価をまとめておきます。上の僕のポートフォリオ戦略の図でいうところの、「3.クラウド型マイナーリソースの共有」のカテゴリに相当するのがBaaSです。僕は。常にバフェットの投資哲学と同じで「本質的価値」との解離で投資します。それから判断すると大半のBaaSは現在の時価総額ほどの価値は持っていないと判断しています。

BaaSとは?

まず、BaaSとはなんなのか?について、きちんと理解を揃えた方がよいので、下記の図を使って説明します。わかりやすいのは、スマホアプリ開発などでよく多用される「クラウド」です。多く3つの階層がから成り立っています。一番下が、IaaS、その上にPaaS、そして、SaaSです。

URL: https://blog.crozdesk.com/tapping-saas-paas-iaas/

この説明図がピラミッド構造になっていることにはほとんど意味はありません。IaaSとは、単純にデータセンターサービスが秒単位で使って分だけ課金されるクラウドサービスです。AmazonのAWSが世界で初めて世に送り出したのですが、そのきっかけは、Amazon自体が、Eコマースであるため、例えばアメリカでいうと11月からのクリスマス商戦のときには大量の注文が殺到するため、データセンターのサーバーも増強する必要があるのですが、それが終わると、トラフィックが低下するのでサーバーが余っていたのですね。ではそれを他のアプリ開発者にも解放しようという発想で立ち上がりました。

今ではAmazonの主力事業の一つになっています。また、この領域は、図にあるようかつてはRackspaceのようなデータセンター専業業者も参入していました。ほおっておけば、AWSに食われるからですね。しかし、今ではほぼ市場からは消えています。

同時に、上のPaaSは、IaaSの上に更に開発フレームワークなどを乗せたり、アプリのユースケースに応じた様々なライブラリ機能を提供することで、単にデータセンター利用を低価格モデルで提供するだけでなく、ディベロッパーのアプリ開発の負荷自体を下げる目的のものです。今、AWSもこの領域まで拡張しています。

最後のSaaSはアプリそのものであり、この場合は、基本B2B向けの意味です。市場開拓者は、SalesForceです。Oracle内で何度かSaaS事業を立ち上げようとしていたのですが、上手く行かず、マーク・ベニオフが外に出て、立ち上げたベンチャーです。

これをアナロジーとして考えると、BaaSは、PaaSとほぼ同じです。僕がOrbで、Orb DLTを完成させ、その上にウォレットアプリを作っていた経験からいうと、テックスタートアップが、フルスクラッチで、バリデーター含むブロックチェーンネットワークを自ら構築し、その上のアプリまで自前作るというのはかなり大変なプロジェクトです。世界初のBaaSとなったイーサリウムは、その負荷を下げてくれたわけですね。素晴らしいイノベーションです。

PaaSとBaaSの時価総額を比べてみる

では、ここから、時価総額を比較するため、既存のPaaS事業の市場をみて見ましょう。以下は、世界のメジャーなPaaS事業者の比較図です。AmazonのAWSが、世界市場の32%、No.1のシェアを持ちます。

URL: https://www.statista.com/chart/7994/cloud-market-share/

昔は、メジャーなIaaSにRackspaceなどのデータセンター事業者もランクインしていたのですが、PaaS化が進む過程の中で消えて行きましたね。

例えば、AWS事業をAmaozonから切り離したとして、単純計算で行けば、Amazonの時価総額が、現時点で約100兆円です。そして、AWS事業はAmazonの全体売り上げの約1/10。


ですから、単純に時価総額も1/10と考えると、10兆円程度の時価総額ということになります。AWSは、Amazonの事業の中でも利益率が高いので、その点をプラス評価しても、15兆円から20兆円ぐらいが妥当ではないでしょうか。

今のイサーリウムの時価総額が約2.5兆円です。4倍から8倍程度の差ということです。その上で、上で稼働しているアプリの数がAWSとイーサリウムで比較したいところですが、色々調べましたが不明なのが残念です。売り上げ規模は、AWSが約3兆円になるわけですが、イーサリウムのGASの利用料はまずその額のトラフィックレベルには達していないはずです。ですから、4から8倍以上の差は間違いなくひらいているでしょう。

それから踏まえると、やはり少し割高なのですね。その上でもう一つ重要な視点があります。

つづく。

大半のBaaSの時価総額は過大評価され過ぎていると考えている #2

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