僕がなぜMakerDAOのトークン、MKRに投資するか? #3

チームの評価

次にプロジェクトの重要人物についてまとめておきます。中心人物は、北欧のデンマーク中心に構成されています。

Rune Christensen – Founder @Linkedin

彼が創業者です。CEOの役割を担っているのでしょう。コペンハーゲン大学で生化学を学び、同じくビジネススクールでも学んだ人物です。こういう若いリーダーのチームは突破力があります。

Søren Peter Nielsen – Head of Product @Linkedin

彼はかなりシニアです。デンマーク工科大学で、ケミカルエンジニアリングの修士号をとり、その後は、IT業界を長く渡り歩いている人物です。MakerDAOのアーキテクトデザインは彼がリードしていると見ています。MakerDAOのプロダクトは、ブロックチェーン含めたテクノロジーのみならず、市場経済理論や金融政策や金融工学の知識も必要なので、確かに彼のような経験豊富かつ知識が豊富な人物がプロダクトヘッドにたった方が精密なデザインが可能になると思います。ブロックチェーンの世界が、「総合格闘技」たる所以です。

Cyrus Younessi – Risk Management Lead @Linkedin

彼は、UCLAのビジネススクールで金融工学を学んだ人物で、その後は、アメリカ・シカゴのファンドでトレーダーとしてのキャリアを積んできたものですね。後ほど、中長期の課題でお話しますが、MakerDAOは、このリスクマネジメントの領域がかなり重要です。この対策をミスると、プラットフォームとして全くスケールしなくなります。その点から、重要人物の一人として見ています。

Lasse Birk Olesen – Head of Integration @Linkedin

彼も、Sørenと同じく、デンマーク工科大学で機械工学を学んだ人物で、そのあと、テックスタートアップの起業家として活動しながら、シンギュラリティ大学のファカルティメンバーにもなっている人物です。MakerDAOは、自前のB2Cプロダクトに注力するよりかは、純粋にプラットフォーマーとして振る舞う戦略で動いているようなので、すると、各パートナー企業とのシステムインテグレーションを効率的に進めていうためのAPI開発やドキュメンテーションを整備する人材が必要になってくるので、彼はそこをリードしていると見ています。その点から重要な役割を担っています。

Coulter Mulligan – Head of Marketing @Linkedin

彼は、直前は、GoProで、そして、その前は、Teslraで、ソーシャルマーケッターとしての実績を積んできた人物です。僕の別のブログでも触れていますが、テスラは特に、広告費をかけないマーケティングが非常に上手いです。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

ですから、口コミマーケティングのプロということですね。この点を踏まえると、MakerDAOは、この辺りをかなり上手くやってくると見ているので、低コストに口コミ効果を最大化することで、CDPの普及を仕掛けてくると見ており、最近の仮想通貨メディア系でのDeFiの盛り上がりを見ていると、おそらく彼が仕掛けているのでしょう。かなり腕の良いソーシャルマーケッターだと思います。僕も口コミマーケティングがかなり得意なので、DeFiの仕掛け方を見ていると、彼のセンスの良さがわかります。

また、この各メンバーのタイトルをみて、勘の良い人なら気づいていると思いますが、Cタイトルを一つもつけていないのですね。これは、シリコンバレーでも普及している組織デザインのやり方の一つで、僕もOrbで実践していましたが、組織をフラットにするための工夫の一つです。階級を極力つけないのです。この点からもMakerDAOのチームが、非中央集権的なガバナンスをかなり意識しながら取り組んでいることがわかるので、高く評価しています。

MakerDAOが取り組むべき中長期の課題について

大きく3点です。

DAIの価格安定化に対する改善策

現時点で、発生しているMKRの安定化手数料の高騰は、想定と異なり、DAI価格の安定化にあまり寄与していないことを意味しているため、チューニングが必要とみています。今のような傾向が続くようだと、先に述べた、MakerDAOが一番スケールするであろう個人が稼いだトークンを預けてDAIを借りるモデルが普及しずらくなるので、対策を期待しています。というか、僕もMKRのホルダーだから、改良案を提案すればいいのか。笑

デフォルト(不良債権)のリスク対策

MakerDAOの仕組みは、金融工学をある程度学んだ人であれば、見てすぐ気づくと思いますが、デリバティブ商品を大量に開発することができます。そして、何より、それ自体が、実は問題です。既存の国家経済の金融システムがおかしくなってきている原因の一つは、このデリバティブ市場が肥大化しているからです。ウォーレン・バフェットもよく批判していますね。非常に危険であると。例えば、ビットコインを生み出すきっかけにもなった2008年のリーマンショックに直結したサブプライムローンの問題、これも、デリバティブ商品の一つです。

サブプライムローンとは、低所得者向けの住宅ローンのことです。そして、このローンを複数束ねて証券商品としてETFのようにファンド化し、上場させ売買していたのですね。それが異常な値段まで暴騰していたのが2008年初頭の現象であり、現場の住宅ローン市場では、市場は飽和状態(新たな借り手がいない)になっており、かつ、低所得者のローン未払いによるデフォルトが大量発生し始めており、その結果が、世界的な金融危機になったリーマンショックです。

なので、Compoundのようなトレーダーやヘッジファンドなどに、仮想通貨を高金利で貸し付けるサービスが異常に大きくなることは、別のサブプライム問題を仮想通貨市場に引き起こすことになるので、かなり危険です。MakerDAO側が、プラットフォーム側として、きちんとガバナンスを効かせる必要があります。例えば、13%のペナルティ手数料以上の金利は貸し手に提供しないなどのルール設定ですね。金利が高騰し過ぎると、その分、デフォルトリスクが上がります。高金利な消費者ローンの問題と同じです。東南アジアなどでは、日本の大手商社が、現地のほとんど金融知識のない低所得者に、30%近い無担保ローンビジネスをやっており、デフォルトが大量発生しても、ビジネスとしてボロ儲けできるような高利貸しモデルをやっているわけですが、「百害あって一利なし」、というやつです。ブロックチェーンの使命である信用格差の解消には一ミリも貢献していません。MakerDAOはこうなってはいけません。なので、非常に注意が要ります。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

彼らの暴走を許すと、取引所のハッキング事件と同じで、このブロックチェーン産業の発展自体に支障がでる可能性があるため、厳重に注意した方がよいです。

Squareと組み、トランザクションレンディング市場を開拓すべき

2点目の対策として、僕が具体的に考えているMakerDAOのプラットフォームをスケールさせる方法は、ビットコインの強力な信者であるジャック・ドージー率いるSqaureと組むことです。なぜか? まず、Squareは、Square CashというVenmoに近いB2C送金・決済アプリを持っており、このアクティブユーザー数は2018年時点で1,500万を超えています。ここでビットコインの販売サービスを開始しており、急速に売り上げを伸ばしています。2019年の2Qと3Qで一気に数字を伸ばしてきており、前年比244%増、148億円の現物BTCを個人に売っています。

そして、僕が予測しているのは、彼らは、間違いなくこのビットコインを担保にしてトランザクションレンディングを仕掛けてくるということ。トランザクションレンディングは、日本では全然普及していませんが、中国ではものすごい普及しています。仕掛けたのは、Alibabaです。AliPayを使って、個人に電子マネーチャージという形で、お金を集め、このお金のAlibabaのコマースプラットフォームのマーチャントに低金利融資します。このレンディングアルゴリズムが肝で、EコマースのPoSデータやユーザートラフィックデータを活用します。なので、与信は完全にAIベースであり、かつ、各加盟店の売り上げ予測値を元に融資するので、デフォルト率がとても低い。融資審査の人手もほとんどかかっていないので、金利も安い。既存の銀行のAliPayに対する弱点は、このビックデータを持っていないことです。そして、このモデルをオフライン市場に持ち込んだのがSquareです。決済サービスとPoSデータを持っているので、Squareの決済やPoSシステムを導入している加盟店に、このレンディングサービスを提供しています。Squareはこの事業を拡大するためにアメリカでは銀行免許も取得しています。日本で、Squareが開始できないのは、金融庁内の保守派官僚が、総量規制で新規の銀行免許を発行したがらないからです。銀行を買って欲しいのが彼らのリクエストですが、外資には渋いのと、Squareからすると衰退経済の日本に、わざわざ高い金を出して銀行を買収してまで参入するメリットがないからです。僕は、Orb時代に、地銀に、ステーブルコインを地域経済に普及させて、その際に、決済データとPoSデータを取得して 、地銀がトランザクションレンディングをやるソリューションを提案していました。そのためのビックデータプラットフォームとしてのOrb DLTを使うということです。

そして、僕のヨミは、Squareは、Square Cashの1500万を超えるユーザーがもつBTCをトランザクションレンディングの原資として活用してくると考えています。具体的には、Square Cashに100万円分のBTCを持っている場合、Squareの加盟店が、それを借りるということです。すると、個人ユーザーのBTCの長期保有メリットが増大します。以前、こちらのブログでも紹介したBlockFiなどもこの市場に入ってこようとしていますが、完全のPoSと決済データを持っていないので、トランザクションレンディングをやるにはちと力不足です。特にPoSデータを手に入れるのが至難の技なのですね。

もちろん、Squareは、個人が、BTCを担保に自分自身がレンディングサービスも考えているとみています。

そして、MakerDAOが、Squareと組むことができれば、SqaureCashに、BTC以外のETHやBATなども追加していくことができる。そして、何より、ユーザーは、BTC以外も長期保有からも金利収入が期待でき、MakerDAOならではの強みとして、自分の保有トークンを担保にした個人の短期ローンなども組める。更に、Sqaureの加盟店がDAIの加盟店にもなる。両者にとって、とてもスケーラビリティの高い事業展開が見込めるわけです。

幸い、MakerDAOのMKRには、シリコンバレーのTopVCであり、強力な事業開発チームを持つアンドリーセン・ホロウィッツがMKRの大口投資家なので、彼らを経由して、Squareとの提携交渉を進めることになると思います。

これにはとても期待していますね。最大のポイントは、ATOMやALGOのステイキングは、インフレ型であるのに対して、MakerDAOのステイキングは、供給制限型で実行可能なので、よりトークンのアセットバリューが、長期的に上がりやすいデザインになっているからです。

Makerのホワイトペーパーはこちらから読むことができます。言語で「Japanese」を選択すれば、日本語で読めます。

Makerのホワイトペーパー

MKRを取り扱っている仮想通貨取引所

最後にMKRをどこで手に入れるか。バイナンスにはまだ上場されていないので、僕はOKEXを選びました。理由は3つです。一つ目は、ある程度の売買高(=流動性)を持っていること。二つ目は、セキュリティ水準が高いこと。3つ目は、僕の場合、法人で投資していることもあり、OKEXは日本にもユーザーが比較的多い点も踏まえて会計事務所さん側の希望です。

参考までに、MKRを取り扱っている取引所とその売買高のシェアは、以下のCoinGeckoのサイトからチェックできます。

以上、みなさんの参考になれば幸いです!

注記:最終的な投資判断は自己責任です。

 

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