僕が、なぜ、Crypto.comのトークンCROに投資するか #1

僕のCrypto.comのトークンであるLINKには投資していないのですが、その評価についてまとめましたので参考にしてください。

問題定義

仮想通貨・暗号資産・トークンが、日本円やドルと変わらないような日常決済の世界で使えることは、この業界が、パーソナル・コンピュータやインターネットがすでに当たり前となっているレベルまで成長する上で不可欠のパーツです。現状の仮想通貨のウォレットアプリは、単に仮想通貨をストアしておく役目しか果たしておらず、日常決済で使えるようにはなってきてはいません。ですから、この問題をクリアするソリューションはこの市場は必要になります。しかし、僕は、Orbで決済事業に取り組んできたのでよくわかるのですが、ブロックチェーン市場が決済市場から立ち上がるには、技術含めた諸々の要因が未成熟と見ており、アセットフォーカスで立ち上がると見ています。その点から、問題自体は、確かにクリティカルな問題ですが、タイムリー性はわずかに先になると見ています。Libraなどがまだ活発に動き出すと盛り上がるとは思います。

テクノロジー

まず、もともと彼らは、仮想通貨のウォレットアプリに、VISAのプリペイドカード機能をつけたプロダクトを提供しています。以下は、そのアプリの画像キャプチャです。


見るとわかるように、ウォレットの基本機能としてのデポジットや送金機能に加えて、取引所レベルではない一般ユーザー向けに仮想通貨の売買ができる機能もついています。そして、画面中央にVISAのカードが見えると思います。5種類の色から選択できるものですね。VISAカードは、クレジットやデビットではなく、プリペイド形式のカードです。ですから、保有している仮想通貨を担保に現金を借りて、そのお金をウォレットにチャージすると、VISAプリペイドカードとして全世界4,000万のVISAの加盟店で使うことができます。この現金を借りる際に、MCOトークン(イーサリウム上で動いている)を保有して借りると、金利手数料が、他の仮想通貨に比べて低いのでお得に設計されています。

また、このカードは、一般的なカード会社がやっている付加サービスとして、NetFlixやSpotifyの無料パックや、AirbnbとExpediaの10%のリベート、そして、5%のキャッシュバックサービスなどが受けられるようになっています。下記が、そのサービスシートです。カード別に別れています。カードのステータスは、MCOトークンの保有率によって変化します。

一方、彼らが、2018年12月より新たに展開しているCROのトークンをベースにしたサービスはこれとは異なります。以下がその概念図です。一言で言えば、「Crypto版PayPal」をトークンエコノミー で再現しようとしているテクノロジーです。MROは、B2Cビジネスですが、こちらは、B2Bビジネスといって良いです。

カードビジネスは、大きく個人ユーザーを獲得していくカードイシュアーと、加盟店開拓と管理を行っていくアクワイアラーの二大プレイヤーがおり、VISAやMasterはこの2社を束ねるような存在としてポジショニングしています。その点を踏まえて、上の図を解説すると、

左側が個人ユーザー相手のビジネスで、右側が加盟店相手のビジネスです。それぞれがブロックチェーンのバリデーターとして参加することを想定しているようです。個人ユーザーの獲得を専門するプレイヤーと、個人ユーザーのコミュニティが右側で、加盟店の獲得を専門にするプレイヤーと、加盟店ネットワークが左側に位置しています。そして、決済はこの間で行われるので、中央に、それをとりもつカウンシルノードが位置し、決済を支援するエージェントがカウンシルノードに接続されている状態になります。

実際の決済は、一般的なカード決済の流れと同じで、ウォレットの中に現金があるので、その現金を中央のノードに送り、その際に、個人アクアラノードが認証を行う。逆に、この現金が加盟店に決済代金として送られる際は、加盟店アクワイアラが認証を行うことで、相互確認をとり、最終的に中央のカウンシルノードが決済認証を行うというモデルです。当然、カウンシルノードは複数たちます。ですから、全てパーミッション型になりますね。ビットコインのように誰でもノードには参加できません。

そして、加盟店側のメリットとしては、VISAやMasterの世界の平均加盟店手数料率が、決済金額1.8%+α(タッチ決済やクレジットカード決済などでプラスアルファの手数料が加盟店側に請求される)である一方、Crypto.comは、0.5%なのでかなり安く設定しており、かつ、CROのバリデーデーションネットワークに参加すれば更にブロック更新ごとの報酬ももらえます。これは、強力な差別化材料ですね。

彼らのフォーカスは、MROからCROにシフトしてきているのですがこの背景は戦略のところでお話します。

トークンエコノミー

Crypto.comは、二つのトークンを持っています。創業初期からあるのは、MCOというトークンで、最近、新たにCROというトークンを発行しています。それぞれCrypto.comにおける役割が異なるので、説明します。

MCOについて

個人がMCOをもつインセンティブは、先に述べたカードサービスの付加価値が受けられる点と、預けている仮想通貨を担保にお金を借りる際の金利が優遇されることなどです。例えば、MCOを担保にお金を借りると、8%ですが、それ以外の仮想通貨をベースにお金を借りると、15%以上になります。以下は、そのまとめの図です。MCOは、ICO時に全て発行しきる供給制限型です。

CROについて

一方で、CROのトークンエコノミーは、よりインフラよりです。まず、先に述べたノード達は、決済ネットワークのバリデーションを行うため、ビットコインのマイナーの存在と同じなり、トランザクションが処理され、ブロックが更新されるたびにインセンティブを受け取ります。このルールは、PoSベースで設計されており、バリデーターは、一定のCROトークンのデポジットがルール付けられています。

また、一般ユーザーは、CROトークンで決済すると、毎回10%のキャッシュバックが受けられます。これもなかなかの差別化要素ですが、決済は初めは、ステーブルコインで行うことが主になるでしょうから、CROトークンのボラティリティが下がってくるまでは、あまり強い利用インセンティブにはならないと見ています。

また、CRO自体を、バイナンスのBNBのように、トークン間の売買を行う際の中間トークンとして使うこともできるようになっています。

そして、CROが新たにスタートするにあたり、2018年12月から2019年6月の約半年の間に、MCOを保有者にCROを Airdropするキャンペーンが実施されました。この点を踏まえると、Crypto.com側の意図としては、MCOはCROに吸収して行きたいと考えていると見ています。

また、CROもMCO同様に供給制限型で、ICOモデル型ではありません。以下が、その配分です。

一般の個人が手に入れることができるのは、発行量全体の30%に相当するSecondary Distributionの形態のみであり、これは五年で発行しきる計画です。ビットコインに近いやり方で、毎年、発行量が減っていき、五年目でゼロになり供給制限モデルが完成します。

トークンエコノミー については以上で、続いて戦略についての評価です。

つづく。

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