僕のHedgeTradeのトークンHEDGの投資評価についてのまとめ

 

HedgeTradeとは?

シンガポールに拠点を構えるRublix Development社によって運営されている仮想通貨・暗号資産・トークンのトレーダー達が、自分たちの投資予測をコンテンツとして掲示板に投稿し、ユーザーがその投資予測情報を購入できるサービスを提供しています。チームの多くはカナダのカルガリーを拠点にしています。

問題定義

仮想通貨の投資は興味のある人はたくさんいるわけですが、その価格予測の手法というのはまだまだ発展途上です。その背景としては、仮想通貨の投資は、グローバルスタートアップへの投資というベンチャーキャピタル事業としての要素と、日々動く価格に対しての理解を深めていく、ヘッジファンド事業の要素の二つから成り立っているからです。HedgeTradeがフォーカスしているのは後者の方です。

前者については、僕のアルトコインの投資戦略の記事などを読んでもらえれば、スタートアップ投資としての性質についての理解が深まると思います。

アルトコイン投資戦略のポイントについてのまとめ

ウォーレン・バフェットもそうですし僕もそうですが、忍耐強く長期投資ができる人というのはそういません。多くの個人投資家は、数ヶ月先のそのトークンの価格がどうなっているかを知りたがるものです。その情報を手に入れることで精神的な「安心」を購入しているとも言えます。僕とか日々の値動きなどはそれほど気にせず、長期投資している銘柄に対して短期の価格予測は「買い増し」するタイミングを見極めるために分析しています。また、当然、僕は、仮想通貨市場が投機家だらけになることは百害あって一利なしと考えていますが、ある程度の短期トレーダーは、市場に流動性を提供してくれるので必要です。

その点を踏まえると、このHedgeTradeは仮想通貨市場の発展に貢献してくれる存在です。この業界で活動しているヘッジファンドやトレーダーにとっては、自己アピールの場になります。すでに立ち上がっているPantera CapitalやPolyChain Capitalなどの仮想通貨業界における大手ヘッジファンドは、マーケットのプレゼンスもありますから、大口投資家や機関投資家などからの資金集めは楽なわけですが、これから立ち上げようとしているトレーダーらはそうも行きません。その際に、優秀なトレーダーはHedgeTradeの場を使って実績をアピールしていけるわけです。HedgeTradeというメディアを通じて、この市場が活性化します。そして、その情報を購入する個人投資家は、その情報をえることで利益が得られるわけですから助かります。

テクノロジー

HEDGのトークンはイーサリウム上で稼働しています。仕組みはシンプルで、トレーダーは、ビットコインやアルトコインなどの特定のトークンに対する価格予測とその根拠を一つのコンテンツとしてアップします。そして、そこに値付けがあり、ユーザーはその情報をHEDGトークンで購入します。そして、ここからがポイントで、ユーザーは、その予想が当たれば実際に支払うことになるのですが、予想が外れた場合は、リファンドされます。つまり、スマートコントラクトによるエスクロー取引になっているわけです。

このサイトからログインできますが、まだユーザー枠を限定で運用しているようで、僕は招待待ちの状態です。

HedgeTradeのサイト

なので、細かい機能がどうなっているかや、特に肝は、コンテンツのサプライサイドの問題で、どれだけ有能なヘッジファンドやトレーダーをこのコミュニティに引っ張って来られるか、であり、そこは実際にプロダクトを使ってみないと見極めることができないので、僕は招待を待っています。

まず、間違いなく必要な機能として言えることは、各トレーダーのトラストスコアでしょう。アルゴリズムはそこまで複雑なものではなく、予測精度に対する実績ベースのトラストスコアです。このスコアが高いと、より購入してくれるユーザーが増えるメカニズムが働きます。フェアな仕組みとして必要になると思います。

トークンエコノミー

下記に彼らのトークンエコノミー の図をまとめました。右下のIndustry Growthから話をすると、ブロックチェーン産業が発展するほど、銘柄の数は増え、そして、それに応じて個人投資家の数(世界で15億人いると言われている)は増えますから、各銘柄の短期から中期の価格予測に対する需要は高まっていきます。そして、HEDGのトークンエコミーが立ち上がる上で一番重要な要素は、赤字にしている「より質の高いトレーダーの価格予測」です。このサプライサイド側の問題をクリアできていないと、ユーザーにとってHedgeTradeを使う必然性が生まれて来ないので、トランザクションはグロースしません。ここがしっかりと抑えれれば、ユーザーは、ノーリスクで質の高い予測情報が手に入るわけですから、喜んでサイトにくるでしょう。すると、左上のアフィエイトプログラムを使って新規ユーザーを連れてくる人もその点をアピールできるので、さらにトラフィックが生まれやすくなります。さらにトラフィックが増えてくると、1コンテンツあたりの単価が落ちて行っても、トレーダー側のインセンティブのサイズは落ちませんから、1つのコンテンツでしっかりと儲けることは維持できつつ、ユーザーはアクティブユーザーベースが増えるほど、より低い単価で質の高い情報が手に入るようになります。アマゾンのグロースモデルに近いネットワーク効果が得られるわけです。

 

そして、トークンは、供給制限モデルでデザインされていますから、受け取るトレーダー達は、中長期の値上がりを期待して保持するインセンティブが生まれます。これによって、アセットグロースを狙うことができます。ひたすら予測精度の高いトレーダーを連れてくるという追いかけるべき成長ドライバーも明確になっているので、シンプルですが強力なトークンエコノミーとして設計されています。

戦略

シンガポールに拠点を構えているわけですが、世界中の仮想通貨のトレーダー達をどうマーケティングするかが重要になります。集中している地域で言えば、ニューヨーク、香港、シンガポール、ロンドンあたりになるでしょう。更に仮想通貨の規制面でいえば、この4つの中ではシンガポールが一番業界フレンドリーな規制を作ってくれているので、多くの仮想通貨ファンドがシンガポールに拠点を構えています。ですから、シンガポールで、サプライサイドの問題を解決していくことが事業戦略上、重要になってきます。そこが周りはじめてこれば、あとは個人投資家を連れてくるためのコンテンツ戦略を仕掛けることになります。プロダクトのサイトに入れないので、この辺りがどの程度の成果をあげているのか実際に触れることができないのが、残念です。特に、今のこのボラティリティの高い仮想通貨市場で、的確な価格予想モデルを作るのは結構大変なことなので、そのトレーダーを見つけられるか?というところです。チキン&エッグ問題が発生するプロダクトなので、この問題をまずクリアしなければなりません。

ですからその点などを踏まえると、Go to market strategyのカテゴリとしては、仮想通貨市場以外でも良いとは思います。株・債権・為替ですね。この辺りがどうなっているかは、実際のプロダクトを触って見て初めて知ることができます。

確認することができるのは、個人投資家向けのコンテンツ戦略の領域で、こちらのサイトで、定期的に価格予測以外のコンテンツ配信をしていることがわかります。

HedgeTradeのブログ

以上のことなどを踏まえて、気になっているのが、市場参入戦略として、まだ個人投資家の参加が少ない中でのコンテンツのプライシングだと思います。なぜなら、先の述べたようにユーザーが増えて行けば、購入者が増えるので、購入単価は低くても、コンテンツを投稿するトレーダーやアナリストは収益規模は満足いくレベルになると思いますが、初期の段階では、購入するユーザー数は当然少ないわけです。しかも、あまり高い単価にしてしまうと逆に個人投資家だと売れません。そうなってくると、むしろ、大口の資金を動かしている投資家であれば、それなりのリターンが狙えるので、買うと思います。つまり、HEDGのトークン自体のポテンシャルを買ってくれている有能なトレーダー・アナリスト群がサプライ側で構築され、それなりの金額で予測情報を落札してくれるお金を持ったプレイヤーがデマンド側でたつ。この需給関係を初期にまず作ることができれば、かなりスケールしていくと思います。というのは、購入する側のユーザーベースが増えるほど、購入単価は下がっていくので、ユーザーがHedge Tradeのコミュニティに参加する基本的なメリットが抑えられるからです。

チーム

David Waslen – CEO – Linkedin

カナダのカルガリー出身で、ダートマス大学で経済学と機械工学を先行し、ロンドンビジネススクールでMBAをとっています。キャリアは、基本、ミューチュアルファンドやヘッジファンドで、アナリストや財務部門の経験を積んできているので、業界には精通していることがわかります。現在は、シンガポールにベースを移しています。CEOが、現地で仮想通貨系のヘッジファンドを営業するのがもっとも効果的なので、正しい判断ですね。

Adrian Radulescu – Core Developer – Linkedin

カルガリー大学の機械工学の専攻で、直前は、まさに機械学習のアルゴリズムを使った価格予測のサービスを手がけるフィンテックベンチャーを起業していたので、最適なキャリアの持ち主と言えます。

Chris Chan – Data Scientist – Linkedin

同じカルガリーにあるMount Royal 大学で機械工学を専攻しています。彼のロールは、先ほど、テクノロジーのところで話をした各トレーダーの価格予測の実績に対するトラストスコアの運用の開発と運用と見ています。これ自体はアルゴリズム自体はものすごく難易度が高いレベルではないのですが、ロールとしては専門スキルが要求されるため、彼がその役を担っていると見ています。

Frank Danihel – Directors of Operations – Linkedin

直前が、Danihel GroupというSaaS系ベンチャーの共同創業者でありCOOをやっていた人物です。HedgeTrade自体が、イーサリウム上で動いているSaaSなので経験値は合っています。

Jeff Chin – Board Of Directors/Digital Media Manager – Linkedin

彼は、ソーシャルメディアマーケティングのプロですね。HedgeTrade自体が、カテゴリを投資領域にフォーカスしたQuoraに近いわけですから、関連する専門スキルを持っていると言えます。15億人の個人投資家をHedgeTradeにどう連れてくるかのソーシャルマーケティングや、連れきたユーザーのアクティブ率をどう引き上げるかなどは彼がリードしていると見ています。

Rhys Boulanger – Director of Marketing – Linkedin

彼もカナダのカルガリーで、ウェブサイト制作やインターネットマーケティングのコンサルティングを長くやってきている人物です。

Shane Moser – Technical Writer – Linkedin

元々は、ソフトウェアの品質テストを見ているアナリストのキャリアを持っており、HedgeTradeでは、テクニカルライターとして、仮想通貨・ブロックチェーン業界に関する記事を執筆しているようです。個人投資家のトラフィックをあげる上で、HedgeTradeのサプライドサイドが完全に自律的なグロースフェーズに入るまではこのようなコンテンツが必要になるでしょう。

Taylor Hulsmans – Blockchain Developer- solidity – Linkedin

カルガリー大学の経済学を専攻しており、生粋のエンジニアではないようですが、直前まで自分でブロックチェーンにテクニカルコンサルタントをやっており、イサーリウム上でのDapps開発や、Hyperledger上でのアプリ開発をやっていたようです。

以上のことから、人材の多くはカナダのカルガリーベースであることがわかりますね。これは正しいことで、CEOは営業のためシンガポールにいる必要がありますが、シンガポールは、生活費が非常に高いですから、全員がいる必要はありません。トレーダー達のマーケティングぐらいですね。ただ、シンガポールは狭い町なので、あまりマーケティングをする意味はないように思います。個人投資家のマーケティングであればすべてオンラインでできますから、場所は問いません。その点からCEO以外は生活費の安いカルガリーベースで仕事をしてもらうのは、ランニングコストを抑える上でもベンチャーの経営的には正しいと思います。

事業の進捗

ここ最近は特に主だったニュースは出ていないです。

競合の動向

僕も2018年のConsensus NYCに参加したときに、友人の紹介で、全く同じタイプのプロダクトのプレゼンを受けました。彼も、ウォール街の投資銀行でアナリストをやっていたので同じようなプロファイルの持ち主ですね。Red Pulseは、価格予測ではないですが、投資関連の情報を売っているという意味では近いですが、時価総額でかなり溝が空いているので競合と呼べるレベルにはまだ育ってきていないように思います。

RedPulseのサイト

広義ではSteamitも競合になりますが、彼らは市場参入戦略に失敗しており、かついまだに、Redditに対抗する得意のカテゴリも作りきれていないので、それほど脅威になっていないのが現状です。Steemitについては、こちらにまとめています。

僕のSteemit(スティーミット)のトークン Steemの投資評価についてまとめ

長期の課題

トークンエコノミー はしっかりと設計されているので、後は、全世界15億人と呼ばれる個人投資家に、どうやってHedgeTradeを利用する基本的な動機付けを与えるか?ですね。一番重要なことは、先にもお話したコンテンツのプライシングだと見ています。仮想通貨に投資する余力が1万円とかしかないユーザーでも、ここでは100円ぐらいで超優良情報が手に入るから、その1万円を3ヶ月後に1.2万円ぐらいにできた、などこういうユースケースを生み出すことができれば、かなりスケールすると思います。

現時点での投資評価

可能性はあると思いますが、プロダクトに触ることができないので、もう少しだけ様子を見ようと思います。また、取り扱っている取引所は、僕の好きなバイナンスにはまだ上場されていないので、シンガポールベースのCoinTigerで上場されています。ここが、世界市場においてこHEDGの80%以上の流動性を持っています。

以上、みなさんの参考になれば幸いです!

注記:最終的な投資判断は自己責任になります。

関連記事