僕が、なぜ、BitTorrentのトークンBTTに投資するか? #1

BitTorrentとは?

BitTorrentは、2002年に初期バージョンがリリースされたP2Pのファイル共有ソフトの1つです。月間のアクティブユーザーは1億人と言われており、160ヶ国以上でそれぞれ10,000人のアクティブユーザーベース、23ヶ国でそれぞれ100万のアクティブユーザーベースを持ちます。その19各国では、全インターネットユーザーのうちの5%以上がBitTorrentユーザーであると言われており、複数の研究レポートによると、インターネットトラフィック全体の20%から40%をBitTorrentを使ったトラフィックが占めると言われています。

From Wilkipedia – BitTorrent(ビットトレント)は、ブラム・コーエンによって開発された、Peer to Peerを用いたファイル転送用プロトコル及びその通信を行うソフトウェアである。「急流のように速く(ファイルを)落とせる」という意味を持つ。メインラインと呼ばれる本家のBitTorrent clientの他にも様々な互換クライアントが存在する。2003年4月にRed Hat Linux 9がリリースされた際に、そのISOイメージをドイツ人の一利用者がBitTorrentで公開し、3日間で3万個分のISOイメージが配布されたことで注目されるようになった。

このWikipediaの紹介文の最後が重要なのですが、BitTorrentのP2Pを使ったファイルシェアリングのテクノロジー自体は大変優れており、一言で言えば、P2Pネットワーク型のCDN(Content Distribution Network)と言えます。しかし、大きく二つの問題を抱えています。

共有されたファイルを誰でも改ざんできてしまう

ブロックチェーンが誕生する前に生まれた技術ですから、BitTorrentのファイル上にアップロードされているファイルは誰でも簡単に改ざんできてしまいます。ですから、いくらでも海賊版データを作ることができてしまいます。これは、Winnyなども同じです。現にBitTorrentは海賊版サイトの運営によく使われています。しかしながら、逆を言えば、ブロックチェーンが登場したので解決の目処は立ってきているわけです。

ユーザー同士のネットワークリソースの共有が純粋にボランティア経済にのみ依存するため、完成版のファイルを手に入れることが難しいケースが多発する

この点は、BTTのトークンエコノミー ともよく関わっていrので、BitTorrentの技術を詳しく説明しながらお話します。

BitTorrentは、P2Pのファイル共有ソフトですから、BitTorrentのネットワークに参加する人は、自分がファイルをアップロードする目的で使うこともあれば、ダウンロードする目的で使うこともあるという平等な仕組みで運用されていることを想像している人も多いと思いますが実際には違います。BiTorrentのネットワークでは下記のような役割分担があります。

    • シード/シーダー (seed/seeder)   –   完全なファイルを提供しているコンピュータのことを指す。オリジナルファイルの提供者の場合にも、その完全ファイルをダウンロードしたものに対してもシーダーと呼ぶ。
    • インデックスサイト (indexing web site)   –   オリジナルファイルをBitTorrentのP2Pネットワーク上にアップすると、オリジナルファイルは細かく分割され、同時にそれぞれの分割されたファイルのダイジェスト情報をもつ「トレントファイル」(.torrentと言う拡張子がつくファイル)というものが作られる。インデックスサイトとは、このトレントファイルのインデックスを保持しており、トレントファイルを検索できるサイトことをいう
    • ピア (peer)    –    BitTorrentのP2Pネットワークに参加しているコンピュータすべてのこと。
    • トラッカー (tracker)    –    新しいBitTorrentのP2Pネットワークに、新規に参加者が現れた場合、そのコンピュータに、現在アクティブな各ピアのIPアドレスを教えるサーバのことを指す。
    • リーチャー (leecher)    –   ファイルをダウンロード中のコンピュータのことを言う。ピアのことでもあるのですが、この名前を開発者のコーエンがつけた背景は、ピアの中で、シーダーのようにファイルを全くアップロードせずにダウンロードばかりしているユーザーに対して使っている。
    • スウォーム (swarm)    –    同じトレントファイルを元に、同じファイルをアップロード/ダウンロード中のコンピュータのグループ全体をいう。ここが、BitTorrent Speedと関わっているポイント。

では、この6つの要素を踏まえた、BitTorrentの基本的な振る舞いが、現状どうなっているか?について図にしました。

BitTorrentの設計上は、シーダー含む各ピアは平等なのですが、実際には、シーダーをハブにして、複数のピアがそこに紐付きスウォームを形成するような状態になっています。そして、トラッカーの役割とインデックスサイトを運営する役割も実質的には、シーダーが担っていることが多いようです。もちろん、各ピアは、自分の参加するスウォームは好きに選べますし、複数に参加することもできます。そして、このスウォームのサイズとアクティブさを決める要因は何か? 答えは、シンプルで、スウォームに流通している「コンテンツの経済的価値」なのですね。

この背景もあり、シーダーが提供しているコンテンツでもっとも多いパターンは「海賊版のアニメコンテンツ」になります。無料の海賊版アニメコンテンツの検索+ダウンロードサイトをシーダーが提供し、それを使うユーザーが、スウォーム内のピアとして振る舞うことで、高速なファイルダウンロードとアップロードが可能になります。BitTorrentのテクノロジーは、クライアントサーバーモデルの数倍のスピードがでることが証明されているので、とても重宝されるわけです。

しかし、ピアの多くは、本来は、ダウンロードが終わった後も、自分たちの回線をシーダーのファイルアップロードリソースとして提供することが「マナー」なのですが、実際はダウンロードが終わったら、そこでネットワークから外れてしまうユーザーが多いので、図の右上で説明しているよう、1つのスウォーム内の共有比/負担率がなかなか「1」(アップロードするためのコンピュータリソースとダウンロードするためのコンピュータリソースがイコールの状態)にならないのが現実のようです。すると、2つ目の健康度が100%にならないので、3番目の99%病という、上のファイルAのケースでいうと、分割されたファイルをもつ全てのピアが見つからずに、ダウンロードが終わらないと言う状態が起きます。そして、この問題をトークンエコノミーで解決しようというのが、BitTorrent Speedです。

トークンエコノミー

BitTorrentの参加ユーザー一人一人が、上で紹介したピア共有比/負担率=1という状態を常に心がけていれば(つまり、ここには「奉仕経済のメカニズム」が必要なのですが)、スウォーム内のピアはシーダーも含めて、常に平等で正常に機能するのですが、実際は、みんなダウンロードするばっかりなので、不足するアップロードリソースを補うために、シーダーが、不足している分のコンピューターリソースを自ら補うが多いようです。すると、シーダーは、収益がなければ続けられないので、どうするか?というと、「btjunkie」という海賊版コンテンツのトレントファイルを検索するサイトでは、検索サイト内に広告などを乗せて収益を得ていたようです。

btjunkieのサイト – 参照リンク:https://bit.ly/2Cc8pKN

ですから、参照リンクにも記載されている別の事例で、The Pirate Bayというトレントファイルの検索サイトの場合は、月間7億9千万アクセス(Google Ad Planner調べ)あったようなので、仮に広告表示回数に対するクリック率を約0.2%、1回平均10円程度で試算すると月に1580万円の収益が上がっていたことになります。

確かに、現状のBitTorrentモデルでは、シーダーは、経済価値の高いコンテンツに依存しなければスウォームを維持できないという制約が発生しているので、海賊版コンテンツを提供するシーダーがBitTorrentネットワークの中心的な存在になってしまうのは避けられないように思います。タダで日本の有名マンガが読めるというのは、誰にとっても魅力的だからです。ですから、逆に、経済価値の低いコンテンツを提供しているパターンでは、ピアが集まらず、アクティブなスウォームを維持できないのですね。

BitTorrent Speedはここにトークンエコノミーを持ち込んでいます。ファイルAを欲しい新しいユーザー、または、シーダーが、他のピアにインセンティブとしてトークンを払うことで、「ピア共有比/負担率=1」を維持するというアプローチです。奉仕経済を今の万人に強要しても機能しないので、インセンティブを払うことで機能させる。そして、BitTorrentのネットワークが成長するほど、BTTトークンの価格は上がりますから、一定のネットワーク効果がでるわけです。また、BTTのトークンは供給制限がかかっています。この点も価格上昇にはポジティブに作用するでしょう。ただ、今度は、そのトークンを払う側のコストがかかります。これを今までの海賊版サイトのようなモデルで続けていたのでは、世の中の支持は得られないわけですね。

先ほどあげたBitTorrentを利用した海賊版サイトでは、2011年2月にManga.jpを運営してた18歳の少年が実際に逮捕されるなどのケースも出ているので、マスアダプションを実現するには、この問題を突破する必要があります。しかし、これはブロックチェーンの技術を取り入れれば解決は可能です。BitTorrentの場合は、全ファイルに独自の「.torrent」の拡張子が紐付いていますから、このファイルを全てブロックチェーン上に、アップロードとダウンロードのトランザクションID別に保存していけば、オリジナルファイルを辿ることができます。仮に、悪意あるユーザーが、このオリジナルをコピーして二次著作物として流通させても、よりブロックの古い方の.torrentファイルに紐づけられたファイルがオリジナルであることを判別できます。また、画像キャプチャなどで流通させた場合は、ディープラーニングのアルゴリズムによる画像判定を使えば特定することも可能です。ただ、オリジナルを初めから、BitTorrentネットワーク状にアップロードしてくれないと、この「真贋判定」は不可能なので、大手出版会社が管理しているアニメなどでは、オリジナル自体をいまだに紙媒体で発行しているため、実現するのは厳しいでしょう。

そして、TRONに買収されたBitTorrentは、今、BitTorrent LiveというBitTorrentSpeedを利用したライブストリーミングサービスを開発中です。これがリリースされることで、BitTorrentとBTTを使って実際にブロックチェーン上のストリーミングサービスが提供することが可能になるため、ようやく、BitTorrentが、いわば合法的な世界で利用されることになります。

しかし、BitTorrent LiveにおけるBTTを使ったトークンエコノミーは、まだまとまった情報は出てきていませんが、現実的な落とし所としては、ユーザー視聴中に、自分のネットワークリソースをBitTorrent側に共有すると、BTTがインセンティブとしてもらえるなどですね。もちろん、そのBTTは取引所で売ることもできれば、MakerDAOに担保として預けて、DAIを借りることもできる。

MakerDAOのMKRは僕も投資していますが、こちらにまとめています。

僕がなぜMakerDAOのトークン、MKRに投資するか?

これは、僕が投資しているDENTのコンセプトにも近いです。DENTの場合は、海外旅行者などに、自分の余っているモバイル通信データパックを売ることができるということです。ターゲットユースケースは違いますが、やっていることはBitTorrent LiveにおけるBTTのトークンエコノミーに近いですよね?

DENTについてはこちらにまとめてます。

僕がDENT ExchangeのトークンDENTになぜ投資するか?

例えば、ストリーミングを視聴しているときに、自分のネットワークリソースをBitTorrent側に提供すると、BTTがもらえるなどですね。これは実用的です。

つづく。

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