誰でも分かるBlockchain(ブロックチェーン)の的確な解釈:革新的なサイバーセキュリティ技術

ブロックチェーンのことを難しく考えすぎている人が多いので、かんたんな説明をします。一言でいえば、「全く新しいサイバーセキュリティ技術の1つ」です。

サイバーセキュリティとは?

パソコンとインターネットが普及してから使われるようになった言葉ですね。会社や家で使っているパソコンがインターネットを通じて相互につながっている状態が当たり前のようになってきて、そのネットワークの中に侵入して悪さをするハッカーやクラッカーと呼ばれるプログラマが増えてきました。相手のアカウントを乗っとって悪さをしたり、相手のデータを盗んだり、改ざんする行為です。政府のシステムに侵入して機密情報を盗んで、金を要求するプログラマもいたりします。

しかし、攻撃される側も黙って見過ごししているわけではない。色々と手を打っている。では、具体的にどのような手をうつのか?これを理解する上で大切なことが、クライアント・サーバーモデルというコンピュータ・ネットワークの仕組みを理解することです。

クライアントサーバーモデルとは?

このブログで、よく使っているこの図を使って理解をするのが一番よいです。ブロックチェーンを理解する上での大きなヒントにもなります。

左がインターネットのクライアント・サーバーモデル、右がブロックチェーンのP2Pモデル

今のインターネットは、全てクライアント・サーバーモデルで作られています。クライアント・サーバーモデルは、名前の通り、クライアントとサーバーに役割が分担されています。サーバーとは、今ではインターネットサービスを提供するための専用コンピュータという意味合いで使うことが定着しているため語源の話をする人がいませんが、サービスを提供する人(Server=給仕係)にちなんだ名前です。つまり、クライアント=顧客ということです。サービスを提供している役割の人と、顧客の役割している人が、それぞれ全く異なる存在であるというのがポイントです。ここが、現在のインターネットのセキュリティ技術の全ての基本になっているからです。

参考までに、以下は、サーバーをたくさん管理しているデータセンターの様子です。たとえば、僕らが日常的に使っているGoogleの検索エンジンシステムや、フェイスブックのシステムは、このような巨大なデータセンターを彼らが世界中に構築して運用しています。なぜなら、彼らがサービスを提供する側だからですね。

クライアント・サーバーモデルでは、顧客からのデータなどをサーバー側で預かり、そこで守ります。ですから、全てのセキュリティ技術は、サーバーを守るためのものです。そこにクライアントがログインするためのIDやパスワードを管理しているのですから、当然、守る。そのために、様々なセキュリティ技術を導入しています。ウィルス対策ソフトを入れたり、サーバー自体にパスワードをかけて外部の人間がデータを取れなくする。もしくは、ユーザーがアクセスするIPアドレスと、サーバー側のIPアドレスを別のものにし、それを管理するシステムを間に入れることで、ハッカーたちが容易にサーバー内に侵入できないようにするなどなどです。インターネット産業におけるセキュリティテクノロジーの市場は、2018年時点で国内でも3,000億円強、世界では3兆円ある市場ですから、かなりの規模です(ブロックチェーンが普及するとこの市場はほとんどなくなると言われています)。

この話を聞いていると、勘の良い人であればわかると思いますが、全て「外からの攻撃を守るためのセキュリティ技術」であることがわかります。つまり、逆に言えば、内部に反抗者がいた場合はどうするのか? クライアント・サーバーモデルが、ブロックチェーンと比較して、最大の弱点になっている点はここです。

クライアント・サーバーモデルでは、内部犯行者に対する対策技術は、ほとんど持ち合わせていません。実際に上のようなデータセンターで行なっているケースでは、データセンターに出入りする人物にセキュリティカードを与えてそれを持っていないと入れないようにする。または、入退室時にID証明書の管理などを行うなどです。しかし、あるハッカーが、そのデータセンターの職員として、何年も勤務して、信用を得てから犯行に及んだら、どうでしょうか?全く防ぐ手立てがありません。

しかし、これは実際に起きていることなのです。以下は、日本で起きた事件の一例です。ビットコインが日本でも注目され始めた2014年2月に起きた事件です。

横浜銀行データ不正取得事件で、ATM保守業務“元請け”のNTTデータが会見@日経

事件内容は、横浜銀行のATM保守管理業務に従事していた富士通フロンテックの社員が、預金者の情報をもとに他行から数千万円を引き出した、というものです。わかりますね?内部犯行なのです。クライアント・サーバーシステムは、このような問題には一切打ち手がありません。それは当然です。サーバー側の人間が悪いことをしない前提で作られているシステムだからです。コンピューターシステムにおける内部の裏切り行為のことを、ビザンチン故障問題と言います。この名前は、昔、ヨーロッパと中東の間にあったビザンチン帝国という国家が、周囲から攻め込まれている際に、内部にいる複数の将軍の一人がビザンチン帝国を裏切り、敵国に加担しているというエピソード、つまり内部犯行の話にちなんで名付けられた問題です。この問題は、コンピューターサイエンスの業界では、長年、解決が不可能ではないか?と考えられていました。

この壁を突破したのが、ブロックチェーンなのですね。それが故に、ブロックチェーンのことをBFT(Byzantine Fault Tolerance = ビザンチン故障耐性がある)と言います。正確にいうと、あるブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムが、BFTがあるかどうかの話なのですが、一般的な理解レベルで十分なので、僕のこの記事ではそのように表現しています。

BFTのあるブロックチェーンは、システムの内側からも外側からも悪さができない

これがブロックチェーンが、革新的な技術と言われている所以です。なぜなら、完全にP2Pでできている技術だからなんですね。P2Pのテクノロジーには、クライアント・サーバーモデルのような役割分担がありません。誰もが、顧客でもあるし、サービス提供者側の役割も果たす。P2Pの技術は昔からあり、斬新な訳ではありません。そして、昔のP2Pのテクノロジーは、それを使って作られたNapsterやWinnyを例に見ればわかるように、悪さし放題だったのですが、このブロックチェーンが全くそのようなことを不可能にしました。この点がブロックチェーンがP2Pテクノロジーベースのサイバーセキュリティ技術としての革新的なポイントです。

左がインターネットのクライアント・サーバーモデル、右がブロックチェーンのP2Pモデル

そして、その上で、理解しておくべきは、パーミッションレス・ブロックチェーン(パブリック・ブロックチェーンともいう)とパーミッション・ブロックチェーン(プライベート・ブロックチェーンともいう)の違いです。

パーミッションレス・ブロックチェーンは、先に述べたように、純粋なP2Pでシステムが出来上がっていますので、システムの内側からも外側からも悪さをすることができません。パーミッションレス=Persmission-less(許可不要)ということです。この代表的なプロジェクトはビットコインやイーサリウムなどがそうです。一方、パーミッション= Permission(要許可)の場合は、少し先ほどのクライアントサーバーモデルに近い要素が入っています。運営母体に許可を得ないとサーバーとして参加できないからです。ここも、ほとんどクライアントサーバーモデルと変わらないレベルのプライベートブロックチェーンもあれば、かなり、パーミッションレス・ブロックチェーンに近いレベルのものもあります。たとえば、COSMOSは、かなりパーミッションレスに近いブロックチェーンです。DPoSという仕組みを使うことで、かなりパーミッションレスに近いデザインになっているブロックチェーンです。

なので、仮想通貨プロジェクトに投資する際には、そのブロックチェーンが、どちらなのか?まず知ることです。当然ですが、前者の方がセキュリティレベルは高いです。しかし、その分、トランザクションスピードなど犠牲になってしまっている点もあるのですが、ここではその解説はしません。

その上で、この発想をヒントに考えていくと、ブロックチェーンの世界でよく話題になるDAO(Decentralized Autonomous Organization = 非中央集権的な組織運営)の意味が理解できます。

DAO = 社畜のいない組織運営を目指すスマートコントラクト

先に述べたように、ブロックチェーンは、役割分担なく1つのウェブサービス、たとえば、Googleのサーチエンジンや、フェイスブックのSNSを運営できるテクノロジーですから、応用すれば、組織自体をなくすことができるだろう、という発想が出てきて、これがDAOと呼ばれるものです。イーサリウムが登場したことで可能になったスマートコントラクトのテクノロジーを応用して構築していきます。本格的にDAOとして取り組んでいるプロジェクトでは、MakerDAOなどがよく知られています。とても優れたソフトウェアプロジェクトです。

MakerDAOの運営においては、MakerのトークンであるMKRの所有者が、実際に投票をしながら運営を決めていきます。つまり、Makerの社員でなくても運営に関わることができます。さらに、この発想を発展させていくと、サービス運営の中に、条件に応じて色々とトークンが稼げる仕事を作り、その仕事を一般ユーザーに解放することで、どんどん組織がいらないプロジェクト運営をしていける可能性が出てきているわけですね。たてえば、Brave Browserなどは、その良い例で、ユーザーが、Brave Browserに表示される広告を見て、彼らのトークンであるBATが視聴時間に応じてもらうことができ、もらったトークンを自分の好きなコンテンツクリエーターに自由に配分することができます。今までは、この配分は、全て広告システムの運営会社であるGoogleやフェイスブックが中央集権的に判断していましたが、それの配分の権限をP2Pらしくユーザーに委ねているわけですね。とても、非中央集権的なやり方です。このやり方の質と範囲を広げていくと、つまるところ、最終的には組織自体がほとんど不要になっていく世界が描けるわけです。

そして、ブロックチェーンは使っていませんが、実際にそれを成功させているプロジェクトがインターネット上にありますね。そう、ウィキペディアです。ウィキペディアは、世界最大の百科事典として、世界第5位のサイトの地位を維持しています。しかし、正社員はたったの100人以下。ただ、実際にウィキペディアの各ページの加筆や修正などの品質担保を行なっているのは、二万人のコミュニティメンバーたちです。つまり、言い換えるならば、ウィキペディアは、二万人の会社とも言えるわけですね。しかし、コミュニティメンバーは自発的にWikipediaのサイト運営に関わっているため、全く社員ではありません。彼らはボランティアで活動しています。このあたりの詳しい話は、「こちらの記事」にまとめています。

そして、ブロックチェーンを使えば、このウィキペディアのやり方が、他の色々なケースで、ユーザーに報酬を提供する形でDAOを発展させようとしている世界、それがトークンエコノミーなのですね。トークンを活用して、今の僕らの生活の中心になっている国家や企業など中央集権的な運営とは真逆の非中央集権的な運営を構築することで、衣食住の日常を支える経済システムを構築しようというのが、トークンエコノミーの基本的な発想です。つまり、トークンエコノミーが進化するほど、社畜のない社会になっていきます。その点は、「こちらの記事」にまとめています。

その上で、このDAOを実現していく上で、最重要なのは、アルトコインなのですね。先に述べたDAOの仕組みを普及させて行っているのが、MakerDAOBraveBrowser、そして、COSMOSなど、全てアルトコインのプロジェクトだからです。ビットコインもDAOの1つですが、偶発的にそうなっただけであり(その点は、「こちらの記事」にまとめています)、人間自らが意図的にDAOとして作り出したわけではありません。自らの頭で考え、意図的にDAOを作り出すことができなければ、本当に、人類が、新しい持続性の高い経済システムを作っていくことはできません。その点を踏まえると、ビットコインは、あくまで、このアルトコインに資金を流入させるための触媒の役割なのですね。その点は、僕のポートフォリオ戦略の記事を読めばわかります。

DAOの成長のカギ=アルトコインである

なので、よく仮想通貨業界で、ビットコインマキシマリストと言って、「仮想通貨投資は、ビットコインの保有高を最大化することなのだ!」という人がいますが、僕から見れば、彼らの主張は矛盾だらけです。なぜなら、ビットコインの所有高を最大化するといいながら、イーサリウムやMakerなど、このDAOは重要だと言っているからなんですね。DAO自体が未来だと出張しています。しかし、DAOを普及させるためには、DAOを実現しようとしているアルトコインが成長しないと、普及しません。つまり、完全に言っていることとやっていることが矛盾しています。僕は、このように論理的言っていることが矛盾している人の意見は、一切、耳を傾けません。本質をついていないからです。参考までに、この点を踏まえた、アルトコイン投資のポイントは、「こちらの記事」にまとめています。

なので、ビットコインマキシマリストの意見には振り回されないようにしましょう。彼らの意見を尊重していると、多くの人が望んでいる「社畜のない未来、経済格差のない未来」は一向にやってこないからです。断言します。

これらのことを理解した上で、僕が考えている「ブロックチェーンの未来予想図」の記事を読むと、「社畜のない未来、経済格差のない未来」とは具体的にどんな未来のことを言っているのか、より自分の頭の中で具体的にイメージできると思います。

以上、皆さんの参考になれば幸いです!

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