僕のLambdaのトークンLAMBの投資評価についてのまとめ #1

問題定義

多くの人は、AWSやGoogle CloudとイーサリウムなどのBaaSが果たしている役割は、クラウドシステムとしては同じと考えていると思います。しかし、実際は違います。下の図は、二つを比較したものです。実は、BaaSというのは、AWSとの比較で行くと、トランザクションシステムの領域しかカバーできていないソフトウェアです。


上の図に、あるStorage(ストレージ)領域は、トランザクションで処理したデータで、すぐに使わないものを格納しておく倉庫のような存在です。そして、トランザクションシステムの横にあるAnalytics(アナラティクス)とは、そのデータを分析したり、加工したりして、再利用したりします。例えば、検索エンジンやEコマースのリコメンドエンジンの機能などは、このアナラティクスに該当します。いわゆるビックデータ活用の領域ですね。

今のAWSやGoogle Cloudは、この3つの機能を全て持っています。一方、BaaSはまだその3つのうちの一つの役割しか持っていません。細かくいえば、この領域も、現在、BaaSを使ってDappsを提供しているベンチャーは、ウェブサーバーなどの領域はAWSを部分的に使ったりもしています。

この点を考えると、僕が、なぜ、BaaSが過大評価されすぎていると言っているのか、わかると思います。詳しくは、「こちらの記事」にまとめています。中長期では、BaaSも徐々にこの二つの領域を拡張していき、やがて3つともカバーできるようになるでしょう。

その上で、Lambdaは、このストレージ領域を、非中央集権的なメカニズムで作り上げようとしているブロックチェーン・スタートアップです。

テクノロジー

ストレージ技術の世界では、すでに成熟しており、BitTorrentなどにも使われているDHT(Ditributed Hash Table)を採用しており、そこにブロックチェーンとLAMBのインセンティブメカニズムを組み込むことで、ストレージネットワーク全体が非中央集権的に運用可能でありながら、改ざん耐性を含めたセキュリティレベルを引き上げようとしているソフトウェアテクノロジーです。

Lambdaのネットワークに関わる登場人物は主に4人です。

ストレージマイナー

彼は、ユーザーに、ストレージリソースを提供するプレイヤーです。彼らはブロックチェーンのコンセプトを踏襲し、誰でもなる設計方針をとっています。つまり、自宅に、SASなどの大型ストレージを設置し、それと常時使えるインターネット回線(モバイル通信などではない)を接続すればだれでもなれます。しかし、ストレージマイナーの役割を担う人は、提供するストレージリソースのサイズに応じて、LambdaのトークンであるLAMBを担保として預ける必要があります。これは、ストレージマイナーが原因となって、ユーザーのデータをロストしてしまったら、インターネットの接続状態が不安定でユーザーに不便をかけた場合、そして何より悪意的な行為を働いた場合にペナルティを払ってもらうためのデポジットです。また、ストレージマイナーは、いわゆるマイニングプールのように、複数の個人のストレージマイナーを束ねてユーザーと取引を行う存在も想定されています。また、ストレージマイナーは、自分が大量のストレージを持っていても、LAMBがそれに応じて十分保有していない場合、ユーザーから借りることができます。つまり、ストレージ提供で受け取る手数料の一部をLAMBを借りたユーザーに金利として支払うビジネスを成立させることができるということです。

ストレージマイナーを辞める場合は、LAMBの担保は払い戻しされ、停止手続きをとってから、4週間後にペナルティなどを差し引いたLAMBが払い戻しされます。

参考までに、パーミッションレスのPoSを目指しているEthereium 2.0のマイナーになることと比較した場合で行くと、ハードウェア投資は、Lambdaのストレージマイナーになる方が安いです。簡単にいうと、ストレージには、高い計算力を持ったCPUやMemoryの機能などが必要なく、単純に、データを格納する倉庫の機能さえあればよいからです。Ethereium 2.0については、「こちらの記事」を参考にしてください。

ユーザー

ストレージマイナーのストレージを利用するユーザーです。当然ですが誰でもなることができます。ユーザーは、自分の利用したいストレージマイナーを、AWSやGoogle Cloudのストレージサービスを使うときと同じ容量で、ストレージの規模や提供単価やロケーションを選び、選択肢の中から決めます。この取引は、Lambdaネットワーク内に構築された取引所を通じて行うため自由価格競争になっています。その取引用の通貨は、LAMBになります。ですから、ストレージ利用を考えているユーザーは、Lambdaネットワーク側から、その利用量に相当するLAMBの予測価格を受け取り、その分をデポジットしておくことが求められます。利用期間の指定もできますから、まずは1ヶ月分の想定利用量のLAMBをデポジットするなどのアクションをとることになると思います。

検索マイナー

ストレージマイナーとは別に、ストレージに預けているデータの中から、ユーザーが再利用したい場合に、そのデータを見つけてきてユーザーに教えてくれる存在です。当然、その作業にも手数料が発生し、支払いは、LAMBで行われます。このリソースの取引は、ストレージの売買とは別の取引所が使われます。

バリデーター

Lambdaネットワークの守護人の役目を追っています。彼らはProof of Storageと言っていますが、要するにストレージマイナーが、ユーザーの預けているデータを本当にきちんと管理しているか?ロストしてないか?などをブロックチェーンを使って検証する存在であり、新しいストレージマイナーやユーザーが入ってきて、ネットワーク全体のストレージ利用に更新があった場合にも、ブロックチェーンを使って更新と確認作業を行います。ストレージに預けるデータのIDを含めたダイジェスト情報を暗号化し、ブロックチェーンに格納しておくことで検証します。全てのデータをブロックチェーンに預けることは非現実的です。ビットコインのブロックチェーンを例にとるならば、1ブロックのサイズを1MBに制限しているからですね。このサイズを引き上げると、マイニングの中央集権化が起こりやすくなるため避けています。COSMOSやEthereum2.0のようにPoSベースのコンセンサスの場合は、ブロックサイズを引き上げてもPoWほどは中央集権化は起きにくいですが、それでも計算するためのハードウェアのスペックが上がるため、そのハードウェアを手にする人にお金が必要なことを考えるとある程度の中央集権化を引き起こしてしまうため、ブロックサイズは小さい方がベターです。その点から、Proof of Storageという名前の通り、ユーザーが預けているストレージ情報の全てをブロックチェーンで検証するのではなく、暗号化されたダイジェスト情報のみを使って検証するという技術的なコンセプトには価値があるのです。

そして、バリデーターは、初期の段階で、Lambdaの開発コミュニティの中から選ばれますが、中長期では、ストレージマイナーの中から一定条件を満たすもの立候補してなれるな仕組みを考えているようです。その条件とは、当然、改善されていくものですが、一言で言えば、ストレージマイナーとして信頼がおけ貢献度が高い存在です。トラストスコアをつけていき、そのスコアが一定以上のマイナーがバリデーターになれるということですね。バリデーターの数は、段階的に増やす計画で、最終的には1024のバリーデーターが常時アクティブな状態にすることを考えています。また、バリデーターも当然、一定規模のLAMBをデポジットすることが求められます。理由はストレージマイナーのケースと同じで、ペナルティ対策です。そして、バリーデーターは、ブロック更新ごとにバリデーションに対する報酬をLAMBでもらうことができます。参考までに以下は、ストレージマイナーの報酬も含めた一連の報酬体系です。

バリデーターを辞める場合は、LAMBの担保は払い戻しされ、停止手続きをとってから、4週間後にペナルティなどを差し引いたLAMBが払い戻しされます。

以下が、Lamdaのネットワーク全体の概念図です。

コンセンサスアルゴリズムの基本的な考え方は、BFTの基本的な概念を踏襲しており、1024いるバリーデータの中から、ランダムに、ブロック更新を行うためのバリデーターを選出し、そこで投票が行われ、2/3以上の合意に達した場合は、ブロックを更新し、合意が得られなかった場合は、バリデーターを変えて再度コンセンサスのラウンドを実施します。

つづく。

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