近い将来起きるであろうトークンのM&Aとは何か?

備忘録としてまとめておきましたので、参考にしてください。

トークンには、株式の性質がある。

まず、この理解からはじめましょう。我々は、普段、ビットコインやイーサリウム、その他のアルトコインを「株式」のように売ったり買ったりしています。しかし、トークン自体の用途はそれだけには止まりません。例えば、Brabe BrowserにおけるBATや、DENT ExchangeにおけるDENTのように、BATであれば、広告配信を行うための広告主とパブリッシャー間の決済通貨として、DENTであれば、モバイルデータ通信のパケット売買用におけるユーザー間の決済通貨としても使います。つまり、複合的な機能を持っているのが、トークンという存在の特徴です。

BATのトークンエコノミー については、「こちらの記事」に詳しくまとめています。

DENTのトークンエコノミー については、「こちらの記事」に詳しくまとめています。

だから、買収など起こりえないと思うかもしれませんが、基本的な理解を深めるために、株式の世界における買収について話をしましょう。

株式市場におけるM&Aのパターン

以下は、僕が長年関わっているテックスタートアップ業界における一般的なM&Aパターンです。

1.人材買収

そのテックスタートアップにいる人材が、買収する企業が取り組んでいる、ないしは新たに取り組もうとしている事業にとって重要と考える場合に発生するM&Aのイベントです。創業間もないアーリーステージのベンチャーに対して起きることが多いM&Aです。日本でよく知られている例では、Googleに買収されたSHAFTがよい例ですね。

From Wikipedia – 株式会社SCHAFT(英語: SCHAFT Inc.)は、Alphabet傘下でロボットの研究開発を手がける日本の企業。資金調達を進めたが国内では評価が認められず、国内企業や産業革新機構や経済産業省から開発費3億円の資金調達を試みたが「類似のベンチャーは全て失敗している」「面白い。だけど、どこに市場があるの?」「介護・福祉のロボットなら補助の枠があるんだが、君たちのようなタイプには枠がないんだよ」「介護用のロボットに対する補助金を申請してみてはどうか」「そんなにやりたいんなら、アメリカでやればいい…」とあしらわれ不調に終わる。しかし、鎌田のツテで海外企業に打診したところ2013年7月18日Googleアンディ・ルービンの前でデモを行う機会を得る。そこで高く評価され数百億円での買収が決まり、4ヶ月後の11月18日には買収手続きが完了しGoogle X傘下に入った。

SHAFTは、日本のベンチャーキャピタル業界が、テクノロジーイノベーションに対して、極めて脆弱な体制しか構築できておらず、日本からアメリカのGoogleや中国のAlibabaのようなベンチャーを育てる力がないことを露呈したM&Aとして有名です。

Google Xは、Googleの新たなl研究開発プロジェクトを一手にまとめているチームで、Googleは自動運転などロボット系のプロジェクトにはかなり関心が強いため、SHAFTの技術チームを手に入れるために買収したと言われています。

2.製品買収

すでにプロダクトが出来上がっており、ある程度事業開拓も進んでいるベンチャーに対して行うM&Aです。特に、買収する側の会社が自社では作りきれない、作ったとしても非常に時間がかかる製品を持っているベンチャーに対して行う買収です。僕が手がけたOrbは、まさにこれです。Orb DLTが完成し、事業パートナーの構築もほぼ出来上がりつつあったので、あとはひたすら顧客を開拓するのみという段階で、戦略投資家として入っていたSBIによって買収されたというケースです。

3.事業買収

このパターンは、もっと事業が成長してから発生する買収ですね。これはサイズが大小様々です。上場している会社の買収ケースも含みます。よく知られたケースは、Youtubeなどですね。これから動画の時代が来ることを見据えてGoogleが約1500億円で買収したケースで、実は買収されるYoutube側としても、動画サイトの運営には膨大なサーバーコストが必要なため、当時は収益化の目処が全く立っておらず、資金力のあるGoogle傘下に入った方が、事業を継続できることが見えていたので、商談が早く決まったと言われています。ここで一つポイントになるのは、「Too big to failの法則」ですね。

元は、2008年の世界的な金融恐慌を引き起こしたリーマンショックの際に、無茶な経営で破綻の危機にあったリーマンブラザーズという投資銀行を、「事業のサイズが大きすぎるので、潰すと、金融恐慌が更に悪化する」ということで、FRBや政府がリードをとる形で、税金を投入し、救済したところから生まれた言葉なのですが、テックスタートアップの世界でも最近よく使われるようになって来ています。

要するに、「早く潰せないぐらい大きくなれ、そしたら、必ず、生き残れるように色々とサポートが得られる」という意味合いで使われています。上のYoutubeのパターンは、実は典型的なこの法則に乗っ取った買収で、2005年2月に創業されたYoutubeは、一年後の2006年には、1日に6万5000本以上の新たな動画がアップロードされ、1日の動画再生回数は約1億回を超え、正に爆発的な人気と共に急成長していました。2008年段階では、月額のサーバーコストは1億円を超えていると言われ、収益化の目処が全然立っていなかった所に、Googleの初期投資家でもあり、同じくYoutubeの初期の投資家でもあったセコイアキャピタルが仲介し、買収が決まりました。

つまり、今後、このようなケースが、トークンの世界、更にわかり安く言えば、アルトコインの世界で起きるということです。僕は、そういう観点からもアルトコインに投資しています。長年、テックスタートアップの世界に関わってきたので、どのクラスのスタートアップであれば買収されるかはよくわかります。

どのような買収ケースが考えられるか?

そして、アルトコインの世界では、3のケースが主流になると見ています。なぜなら、すでに仮想通貨取引所に上場しているという点と、1や2のケースは、トークンエコノミーが本格的に立ち上がっていないので、トークンを統合する必要性自体があまりないからですね。

参考例として、今、僕が見ている銘柄の中で、ありうると見ているのは、ブロックチェーンを利用したP2PストレージサービスのLambdaなどが、他のBaaSのトークンに統合されるというパターンです。なぜなら、ユーザーであるDapps視点から見た場合、BaaSとP2Pストレージサービスを別々のトークンで別々のインターフェースで使わなければならないのはかなり不便だからですね。事実、AWSやGCPは全て統合されています。

ですから、Lambdaが順調に事業として成長してきた場合、資金力のある他のBaaSに買収、実質的には、トークンが統合されるということはありうるわけです。

Lambdaについては「こちらの記事」に詳しくまとめています。

では、その統合のトランザクションは、どうやって行うのでしょうか?

Blockchain Interoperability(ブロックチェーン・インターオペラビリティ)のレイヤーが統合の面倒をみることになる。

そう、ブロックチェーン・インターオペラビリティのレイヤーとは、僕のポートフォリオ戦略におけるもっとも低レイヤーの市場で、インターネット産業とのアナロジーでいうと、インターネットの影の巨人と言われるAkamaiなどのプレイヤーになります。


僕のポートフォリオ戦略については、「こちらの記事」に詳しくまとめていますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。

では、実際のブロックチェーン業界では、どのプレイヤーがいるかと言えば、COSMOSなどになるわけですね。COSMOSのネットワークに、両者とも接続すれば、COSMOS HUBを仲介して、安全にトークンの統合を進めていくことができます。COSMOSは、COSMOS HUBを中核に、各Zoneのブロックチェーンをネットワーク化し、それぞれのブロックチェーンのトークンが、COSMOS HUBを使って、安全に取引できるテクノロジーを提供しているからです。


COSMOSについては、「こちらの記事」に詳しくまとめているので、参考にしてください。

ということで、僕のアルトコインの投資は、以前から伝えているように「グローバルスタートアップ投資である」ということであり、それは、このようにある程度成長しているアルトコインは、他の大型アルトに統合されていくことも視野に入れて投資を行っています。僕のアルトの投資戦略については、「こちらの記事」に詳しくまとめているので参考にしてください。

みなさんの参考になれば幸いです!

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