僕がなぜ、SLIVER.tvを提供するTheta LabsのトークンTHETAに投資するのか? #2

Theta Networkについて

P2P型のCDNシステムであり、彼らのコアテクノロジーそのものです。ライブビデオストーミングで、P2P型のCDNを構築する場合、課題になってくるのは、一つのストリーミングコンテンツを大量の人が同時参加している状態を維持した方が、キャッシングされているデータ量が比例して増えるため、ユーザーの視聴環境はより快適になります。下図は、その基本的な概念図です。


トラッカーとは、新しく参加してきたピア4(=視聴者と理解していい)に、他のどのピアが、同じコンテンツを視聴しており、キャッシングデータだけでなく帯域幅とストレージ容量がどの程度余っているかなどをリアルタイムにトラッキングしながら管理しているサーバーです。そのリソースが十分あれば、そのピアのリソースを割り当て、それと同時に、リソース共有に対する支払い処理がブロックチェーンを使って行われ、不足している場合は、その分は、CDNを使う判断を下します。下の図は、そのトラッカーのリストです。


上のピアが、下のピアより、先に視聴している場合、より先のライブストリーミングのキャッシンデータを保有しているため、この分を下のピアに共有するわけです。この場合、物理的な距離は、CDNと同じく、ルーターのホップ数で計測しています。GPSは今のところ採用していないようです。将来的には採用されるかもしれません。というのは、ルーターのホップ数の場合、地理的に近くいても、別のISPを経由していることが原因で、ルーターのホップ数が異なり、距離が遠いと判断されることがあるからです。

ここで理解しておくべきことは、数千人もの視聴者が、一つのコンテンツを見ている場合、そのリソースをお互いに共有しあって、Theta Network全体の視聴環境を維持することになるため、場合によっては、秒間100万件を超える件数のマイクロペイメントを処理する必要があります。これでは1秒間に1,000件では全く追いつきません。ですから、彼らは次に話をするPoSベースのコンセンサスモデル以外にも、ビットコインにとってのライトニングネットワーク同様の仕組みの導入も視野に入れてます。

コンセンサスアルゴリズム

彼らは、マルチレイヤーBFTと名付けており、PoSベースです。CosmosのTendermint、イーサリウムのCasper FFG、Libraに採用されているHotStuffなどを参考に作られています。その上での、特徴は、コンセンサスとファイナライズで役割を二層化していることです。このプロセスには、バリデーターとガーディアンという2種類のプレイヤーを想定しています。PoSベースなので、両者とも、参加するにあたり、一定量のデポジットが求められます。これは、ペナルティ対策も含めた話です。

バリデーター:ガーディアンからランダムに選出されます。10から20のバリデーターが選出され、バリーデーターコミッティを形成し、合意形成に2/3以上の著名を必要とします。著名が取れた場合、バリーデーターはビットコインと同じCoinbase Transactionの形で報酬を受け取ります。そして、ブロックチェーンが更新されます。もし、バリデーターの1/3以上が悪意的なノードになっている場合は、ブロック生成時に、フォーク攻撃が仕掛けられ、二重支払い攻撃を受けるリスクがありますが、ブロックの高さが正規のブロックと必然的に同じになるため、これによって、そのバリデーターの悪意的行為が検知可能になり、二重著名を行ったバリーデーターは、ペナルティが課され、この行為を発見した第1号のガーディアンは、そのペナルティを発見の報酬として受け取ります。そして、バリデーターコミッティが再度、新たなバリデーターで形成され、コンセンサスをとり直します。

ガーディアン:この数は、数千以上を想定しています。その方が、ネットワークの分散性が上がるため、セキュリティレベルが引き上がります。ガーディアンの主な役割は、バリーデーターがコンセンサスをとった新たなブロックをファイナライズすることですが、参加数が多いため、ブロックごとにファイナライズ行為を行っているとシステムがスケールしません。なので、Orb1で我々が発案した定期的なチェックポイントの概念を採用しており、そのチェックポイントを与えることでファイナライズします。この際にも工夫が施されており、ガーディアンの数が多いため、距離が近いガーディアン同士は、著名した複数のガーディアン分のメッセージをまとめて、ブロードキャストすることで処理の効率を引き上げています。また、報酬についても、全てのガーディアンが報酬を受けとるモデルは、数が多いため現実的ではないので、確率的に少数のガーディアンが選ばれるように調整されます。ガーディアンの報酬の受け取り方も、バリーデーターと同じくCoinbase Transactionの方式です。これによって、Theta Networkのブロックチェーンのフォークリスクが減ります。

そして、このガーディアンをより多く存在させようとする仕組みが、次のトークンエコノミー の設計と関わっています。

トークンエコノミー

THETAのトークンは、ホワイトペーパーには明記はされていませんが、内容を踏まえるとインフレモデルになります。しかし、ガーディアンやバリデーターになるユーザーは、Brave BrowserのBATと同じで、報酬として受け取ったTHETAのトークンを現金化することができないようになっており、そのTHETAは、SliverTVで、ファンになっているライブストリーマーにチップとして提供したり、他のイベントクーポンに交換するスキームでデザインされています。これが、アセットグロースの原動力になるポイントですね。以下の図にまとめています。

グロースの鍵は、SliverTVに来てくれるストリーマーの質と量です。ファンごと連れてきてくれますから、これでユーザーベースが増えていく。同時に、このユーザーは、Theta NetworkのP2P型CDNのピアになるので、ユーザーが増えるほど、SliverTVのCDN利用率が低下していき、視聴環境もよくなる。すると、SliverTVの利益率もよくなるため、より多くのストリーマーを連れてくることができる。と同時に、自分のスマホの余っている帯域幅やキャッシュデータを提供するユーザーたちは、報酬として得ているTHETAトークンが現金化できるわけではなく、かつ、バリーデーターやガーディアンとして参加する場合は、THETAトークンをロックアップすることになるので、取引所へのTHETAトークンの流通力は低く維持することができる。すると、THETAがインフレ型であっても、アセットグロースを狙うことができるトークンエコノミー になります。

戦略

サプライサイドが鍵なので、Twitch IDからのログインを許可している背景もありますが、とにかく、どれだけ実力のあるゲームライブストリーマーを連れてこれるかが鍵になります。なぜなら、Twitchもそうですし、Youtubeもそうですが、ゲームストリーミングの世界には、特手のストリーマーのファンがいるからです。そのユーザーごとSLIVERtvに連れてくることができます。次のチームのところでも話をしますが、e-Sportsビジネスのプロや、インフルエンサーマーケティングのプロにアドバイザリーで入ってもらい、そのあたりのサプライサイドの問題を解決するための仕掛けを継続的に打つ必要があります。

キャズム理論をベースに考えると、ゲームストリーミングの市場と、仮想通貨ユーザーのイノベーター・アーリーアダプターにおけるユーザーの被りは高いと見ています。以下は、このブログではなんども出てくるキャズム理論のダイアグラムですね。


キャズム理論は名著であり、グローバルテックスタートアップの投資であるアルトコイン投資では、必読書なので、きちんと読んで起きましょう。

アルトコイン投資の考え方については、「こちらの記事」に詳しくまとめています。

イノベーターやアーリアダプター系のユーザーを、SLIVERtvに連れてくるのはそこまで難易度は高くないと思います。トークンが稼げるというだけで面白がって来てくれるでしょう。しかし、アーリーマジョリティはそうも行きません。Twitchのアクティブユーザー1億人となると、明らかにアーリーマジョリティが入って来ていますから、そのユーザーにとってのメリットを生み出す必要がある。バリューポジショニングで言えば、それはやはり、BitTorrentと同じ仕組みの部分でかるそこに動画広告が乗ってくるときになると見ています。

つまり、トークンを稼いでそのトークンをお気に入りのストリーマーに投げ銭できる、自分から身銭を新たに切る必要がほとんどない。そして、ストリーマーも、先のトークンエコノミー を踏まえると、動画広告収入の報酬を受け取れるようになったタイミングで、TwitchやYoutubeよりもより報酬率が高く設定できる条件が揃っているので、より多くのストリーマーがSliverTVに流れてくる仕掛けを作れるようになってきます。

ただ、Theta Network側の狙いは、それより大きく、Brave Browser同様に、プラットフォーム戦略を考えていますね。


この辺りのプラットフォーム戦略は、Orb DLTのプラットフォーム戦略とも似ていますが、Braveも並行して見るとより理解が進むと思います。「こちらの記事」に詳しくまとめています。

つづく。

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